不死鳥よりもたらされる衝撃に双子の片割れは決断する

・・・ムウとカノンが合流して時間が取れたことで二人はダアトへ飛びこそしたが、肝心の一輝の姿は見つけることは出来なかった。その事に首を傾げはしたものの必要以上に一輝捜索に時間を取るわけにはいかず、二人はデスマスク達の元へと飛んでいった。












『・・・一輝の姿はダアト辺りにもなかったのか・・・』
『あの野郎、一体どこに行ってやがんだよ・・・』
・・・それで辿り着いた軍港だが、二人は中に入るとややこしいことになるため遠巻きの位置で軍港を見れる位置に着けた。
そんな状況で小宇宙の通信を用いて会話をするカノン達だが、未だ分からぬ一輝の行方についてアイオロスとデスマスクが微妙そうに声を上げていた。
『今は一輝の行方については置いておこう・・・カノン、これからどうするというんだ?我々が得た情報をムウより聞いたお前は』
「・・・それについてだが、お前達がバチカルに着くまで待ってほしい」
カミュが空気を変える為に声を上げ指示を仰ぐようにカノンに話題を振るが、当人は真剣な声色で待つようにと言う。
『おいおいカノン、俺達の話は聞いてたんだろ?まだ何か悩んでるってーのか?』
「いや、そう言うわけではない。ここまでお前達に協力してもらっている現状で今更事態の解決に二の足を踏むつもりはない・・・ただ今の時点で事態を全て解決するにはまだ無理があると思う。この何もかもが中途半端な状態ではな。おそらくこの状況で、最も流れを左右しかねないのは・・・レプリカという技術を用いていることもあり、謡将を含めた神託の盾だ」
『成程・・・カノンは今バチカルには謡将がいるということもあり、神託の盾がまた何か動きを見せてくるのではないかと考えているんだな?バチカルに着いた神託の盾が謡将に接触するのではないかと・・・』
「このまま行けば導師を追い、神託の盾達はバチカルにまで追い掛けてくるだろう・・・そうなれば奴らもそれなりの動きを見せてくると思う。だから俺は奴らがどのような行動をするかで決めたいと思う。どうするべきかをな。それがわからん内に先走ってしまえば妙な事態になりかねんからお前達はまだバチカルまでは今のよう、導師達の護衛に専念を頼む」
『成程な・・・』
すかさずデスマスクはその及び腰な姿勢を非難するが、神託の盾にヴァンの行動次第だと根拠を語るカノンにアイオロスも同じように納得した。
『しかし慎重ですね、カノン。貴方の考え方は・・・ここまで来てしまえば事実をそのまま白日の元に晒してもいいでしょうに、多少強引でもそちらの方が事態の解決をするには早い』
「・・・慎重にもなる。そう判断してしまえば他の者もそうだが、ルークの立場という物を非常に危ういものへと変えかねないからな」
『・・・今の貴方なら教皇にもなれそうな気がしますよ。そのように人々の事を気にかけれるんですからね』
「茶化すなムウ、それに教皇ならアイオロスがいるだろう」
『いや、俺は教皇の座は譲ってもいいぞ。お前が望むのならな』
「お前まで乗っかかるな、アイオロス・・・」
ムウがそこに早く事態の解決をすればと言い出すが、カノンは固い口調でそれは無理だと否定を示す。その答えにムウはおろかアイオロスまでもが教皇になれると軽くほのめかしてきたことに、カノンは疲れたように声を上げる。









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