聖闘士の決断と双子の片割れの苦渋

「それではルーク様、我々に付いてきてください」
「あっ、ちょっと待ってくれ・・・ムウ、どうせならお前だけでもうちに来ないか?デスマスク達の知り合いだって言うんなら歓迎するようにするぜ」
「いえ、心遣いはありがたいのですが私は元々から用事を済ませたらすぐにバチカルを出発をしなければいけないようになっていますので、ここでお別れになります・・・」
「そうか・・・なら仕方ないな。んじゃカノン、お前はムウとゆっくりしておけよ、すぐ出発するんならその間くらい一緒にいてやれ」
「はい、ではルーク様。ゆっくりお休みください」
「あぁ、じゃあな」
公爵よりの伝言をセシル少将が伝え終わると、その後にカノンとムウの二人が場に残る流れとなり、護衛と護送されるティア達と共にルークは先を行き二人はその姿を見送る。
「・・・参ったな。まさか休息を命じられるとは・・・」
「いいのではありませんか?この際ですから今日と明日は自由に動けばいいと思いますよ。デスマスク達も流石に明日明後日で来れるとは思いませんから、何をやるにしても時間はあるでしょう」
「自由に、か・・・」
そしてルーク達の姿がなくなり二人になったのだが、降って湧いたような休みの宣告に困ったと言うカノンはムウから穏やかな笑みで自由にするよう勧められた事で少し考え込む。
「どうしますか?」
「・・・お前はミロの所に行かないのか?」
「貴方がどうするのかを聞いてから戻りますよ。ついでに言うならダアトに行ったという一輝の居場所を探してから戻ろうかと思いますが・・・」
「一輝、か・・・あいつはまだ地球に戻っていないのだったな・・・しかし何故・・・?」
再度ムウは確認するように問いを向けるが、まずは先に答えるようにカノンはムウに問いかけ返す。そこですぐに戻ると言いつつも一輝の行方を気にするムウに、カノンも先に話を聞いていた為に一輝の行動の訳を疑問に思い眉を寄せる。
「・・・ダメだな、あいつの行動は俺には予測出来ん」
しかしすぐにカノンは頭を振り推測を止める、出来ない事を考える意味はないと。
「・・・ただこれからの事についてなら、一度デスマスク達の元に向かってから話したいと思う。無論直接顔を合わせては導師達にバレたなら不審に思われるだろうから、小宇宙を介しての会話だがな」
「成程。そういうことなら早速向かいますか?ただ私と一緒に行くなら一輝の居場所を確認するため、ダアト近辺に飛んでから行くことになりますが・・・」
「あぁ、こちらも少し一輝の居場所は気になるからな・・・では行こう、怪しまれないようバチカルを歩いて出てから飛ぶぞ」
「はい」
しかしと空気を切り替え一度話をするためデスマスク達に合流すると決めたカノンにムウは同行をするかを聞くと了承が返ってきた為、バチカルを離れんと動き出すカノンの後を頷いてから付いていく。












・・・数十分後、カノンとムウは離れた地にいる同胞に一輝を探すためバチカルを出立した。だが二人は知らなかった・・・
「・・・ここか、大詠師とやらが今いる部屋というのは」
・・・既に目を攻撃的に光らせた状態で一輝はバチカルにまで辿り着いていた上、堂々と城の中にまで侵入して大詠師の所にまで来ていたと言うことを・・・









END











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