聖闘士の決断と双子の片割れの苦渋
・・・コーラル城から姿を消した二人。その二人が向かった先は宣言した通り、神託の盾が乗るタルタロスだ。
‘トッ’
「っ、貴様ら、何者だ!?」
「おい、この黄金鎧!・・・あれはアッシュ特務師団長の所に現れた奴じゃないのか・・・?」
・・・そんな二人がコーラル城から離れた位置にあったタルタロスに辿り着き、一気に甲板部分にまで飛びそこにいた神託の盾の前に着陸した。
神託の盾兵士はその異様な登場に驚きながらも聖衣を見て、前来た奴ではとざわめく。
「ふっ!」
‘ガシャッ!’
「がっ!?」
しかし会話など知ったことではないとアイオロスは神託の盾兵士の前に踏み込み、拳を顔面に向け兜を砕きながら殴り飛ばした。
「きっ、貴様ぁぁぁぁぁぁっ!」
‘パシッ’
「っ・・・!?」
「少々寝ていてもらおうか」
‘ゴッ’
「がはっ・・・!?」
近くにいた神託の盾兵士はすぐにアイオロスに斬りかかろうと剣に手を伸ばすが、カミュがその手を掴み逆の手で重いボディーブローを放ち一瞬で気を失わせ地面に這いつくばらせる。
「カミュ、手っ取り早く動力部分を凍らせてきてくれ。俺はしばらく神託の盾の目を撹乱して引き付けておく」
「わかりました。こちらが済んだら連絡しますのですぐに撤退してください」
「あぁ」
一先ずこの場にいた神託の盾を黙らせた二人は役割を決めた後、その役目を果たさんと二手に分かれて動き出す。
「さて・・・出来る限りこの聖衣を着た奴が襲っていると印象づけなくてはな・・・」
そんな中でアイオロスは一言ポツリと呟き、気配を探り比較的神託の盾が集まる場へと向かう・・・
・・・さて、そもそも聖衣を着なくても六神将を圧倒出来るアイオロス達が何故聖衣を着けているのかと言えば、聖衣を着ける事により神託の盾に意識的な陽動をかけるためだ。聖衣を着た者達は複数人いて、強大な力を持っていると知らしめることで。そうすれば導師追撃において順風満帆になどいくことはないと向こうは思い至り、警戒をさせれば足も多少は遅くなるだろうとアイオロス達は見ていた。
ただもし足を止めないにしてもカミュが動力部分を凍らせるとした事から、神託の盾はどちらにしても否応なしに足を強制的に止められる。一応一般人でも火や譜術を使えばギリギリ溶かせられる、という加減にカミュがするのもミソだ。そうすればやきもきはするだろうが、向こうもどうにかタルタロスを使えるようにしようと手を尽くすだろう。
何しろ兵だけでなく魔物まで向こうは従えてるのだ。タルタロスという動く拠点をみすみす見逃せば街に入るにしても移動するにしても悪目立ちをすることは避けられないし、魔物を引き連れていては街で休憩も難しくなる。その上今ここで海を渡ろうと言うならタルタロスと魔物を使う以外には、目下アリエッタが襲ったカイツールの軍港以外に渡航出来る場所がない。そうすれば魔物の負担が酷くかかる上、下手をすれば海に墜落などということにもなりかねない・・・つまりは今の神託の盾からすればタルタロスを使えるようにしなければ不利な状況が続くだけなのだ。それを見越して二人はカミュが動力部分を凍らせると決めたのだ。
・・・どうなるにせよ一応こちらの得になるように動く。これはアイオロス達の考えなのだがもうひとつ狙いがあってここに来たのだ。それは何かと言えばここにいる存在の為である・・・
‘ゴッ!ガッ!ドムッ!’
「どうした!お前達の力はその程度か!?」
「くそおぉぉぉっ!」
‘ガシャッ!’
「がはっ・・・!」
・・・そして少しして、ブリッジ近くで神託の盾に魔物を集めるようにしてアイオロスは戦っていた。
だがアイオロスは敵の大群を全く苦にした様子も見せず敵を倒していき、決死の覚悟を持って後ろから剣を振りかぶってきた兵士の剣もあっさり避けた上で裏拳を見舞い吹っ飛ばす。
(案外兵士とは言え一般人相手に手加減するのは難しい物だな・・・しかしあくまでここは陽動程度で、そうそう本気を出すわけにもいかんからな・・・)
そんな中、アイオロスは内心考える。本気で戦えない事の難しさを・・・まぁアイオロスが本気を出せばそれこそ一瞬でこの場にいる神託の盾を一掃することくらい余裕なのだ。しかし武力で全て終わらせていいような状況ではないし、あくまでこの場では陽動程度。故に本気を出して殲滅と言うわけにもいかず、相当な手加減を強いられる事になった。
(むっ、この気配は・・・カミュの方に行ったか)
と、アイオロスは心中である気配がカミュの方に向かった事を感じていた。
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‘トッ’
「っ、貴様ら、何者だ!?」
「おい、この黄金鎧!・・・あれはアッシュ特務師団長の所に現れた奴じゃないのか・・・?」
・・・そんな二人がコーラル城から離れた位置にあったタルタロスに辿り着き、一気に甲板部分にまで飛びそこにいた神託の盾の前に着陸した。
神託の盾兵士はその異様な登場に驚きながらも聖衣を見て、前来た奴ではとざわめく。
「ふっ!」
‘ガシャッ!’
「がっ!?」
しかし会話など知ったことではないとアイオロスは神託の盾兵士の前に踏み込み、拳を顔面に向け兜を砕きながら殴り飛ばした。
「きっ、貴様ぁぁぁぁぁぁっ!」
‘パシッ’
「っ・・・!?」
「少々寝ていてもらおうか」
‘ゴッ’
「がはっ・・・!?」
近くにいた神託の盾兵士はすぐにアイオロスに斬りかかろうと剣に手を伸ばすが、カミュがその手を掴み逆の手で重いボディーブローを放ち一瞬で気を失わせ地面に這いつくばらせる。
「カミュ、手っ取り早く動力部分を凍らせてきてくれ。俺はしばらく神託の盾の目を撹乱して引き付けておく」
「わかりました。こちらが済んだら連絡しますのですぐに撤退してください」
「あぁ」
一先ずこの場にいた神託の盾を黙らせた二人は役割を決めた後、その役目を果たさんと二手に分かれて動き出す。
「さて・・・出来る限りこの聖衣を着た奴が襲っていると印象づけなくてはな・・・」
そんな中でアイオロスは一言ポツリと呟き、気配を探り比較的神託の盾が集まる場へと向かう・・・
・・・さて、そもそも聖衣を着なくても六神将を圧倒出来るアイオロス達が何故聖衣を着けているのかと言えば、聖衣を着ける事により神託の盾に意識的な陽動をかけるためだ。聖衣を着た者達は複数人いて、強大な力を持っていると知らしめることで。そうすれば導師追撃において順風満帆になどいくことはないと向こうは思い至り、警戒をさせれば足も多少は遅くなるだろうとアイオロス達は見ていた。
ただもし足を止めないにしてもカミュが動力部分を凍らせるとした事から、神託の盾はどちらにしても否応なしに足を強制的に止められる。一応一般人でも火や譜術を使えばギリギリ溶かせられる、という加減にカミュがするのもミソだ。そうすればやきもきはするだろうが、向こうもどうにかタルタロスを使えるようにしようと手を尽くすだろう。
何しろ兵だけでなく魔物まで向こうは従えてるのだ。タルタロスという動く拠点をみすみす見逃せば街に入るにしても移動するにしても悪目立ちをすることは避けられないし、魔物を引き連れていては街で休憩も難しくなる。その上今ここで海を渡ろうと言うならタルタロスと魔物を使う以外には、目下アリエッタが襲ったカイツールの軍港以外に渡航出来る場所がない。そうすれば魔物の負担が酷くかかる上、下手をすれば海に墜落などということにもなりかねない・・・つまりは今の神託の盾からすればタルタロスを使えるようにしなければ不利な状況が続くだけなのだ。それを見越して二人はカミュが動力部分を凍らせると決めたのだ。
・・・どうなるにせよ一応こちらの得になるように動く。これはアイオロス達の考えなのだがもうひとつ狙いがあってここに来たのだ。それは何かと言えばここにいる存在の為である・・・
‘ゴッ!ガッ!ドムッ!’
「どうした!お前達の力はその程度か!?」
「くそおぉぉぉっ!」
‘ガシャッ!’
「がはっ・・・!」
・・・そして少しして、ブリッジ近くで神託の盾に魔物を集めるようにしてアイオロスは戦っていた。
だがアイオロスは敵の大群を全く苦にした様子も見せず敵を倒していき、決死の覚悟を持って後ろから剣を振りかぶってきた兵士の剣もあっさり避けた上で裏拳を見舞い吹っ飛ばす。
(案外兵士とは言え一般人相手に手加減するのは難しい物だな・・・しかしあくまでここは陽動程度で、そうそう本気を出すわけにもいかんからな・・・)
そんな中、アイオロスは内心考える。本気で戦えない事の難しさを・・・まぁアイオロスが本気を出せばそれこそ一瞬でこの場にいる神託の盾を一掃することくらい余裕なのだ。しかし武力で全て終わらせていいような状況ではないし、あくまでこの場では陽動程度。故に本気を出して殲滅と言うわけにもいかず、相当な手加減を強いられる事になった。
(むっ、この気配は・・・カミュの方に行ったか)
と、アイオロスは心中である気配がカミュの方に向かった事を感じていた。
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