不死鳥の盲目への怒り

「・・・これで俺の役目も終わり、と言いたい所だが・・・気に食わんな」
・・・夫妻の部屋を出てダアトを出た一輝は第四石碑の丘にいた。
しかしダアトを下に見据えるその顔には自身で言っているよう、星矢達が一目で不機嫌だと分かるくらいに眉間にシワが寄っていた(まず一般人では無愛想な一輝の機嫌の機微がどんなかはよくわからない為、その基準として星矢達が用いられる。ちなみに最高形は瞬しか分からない程の微妙な表情の怒り具合、という物がある)。
「元々はカノンの策略に巻き込まれ仕方なくここに来たが、やはりあのアニスの記憶の中にあったモースとやらの姿・・・気に食わん。人を見下した上にゲスな目をしたあの姿はな・・・!」
そしてその不機嫌の対象とはモース・・・一輝はその目を見ただけでハッキリと感じていた、気に食わないと。
「確か話を聞いた限りではモースとやらはキムラスカのバチカルに行き、カノン達はルークとやらとバチカルに戻る最中と言うことだったな・・・ならちょうどいい。俺も報告がてらバチカルとやらに向かってやろう・・・モースとやらの顔を拝みにな・・・!」
それで浮かび上がるは怒りと共にモースに会おうという沸々とした考え・・・そんな事をちょうどいいとも考えながら一輝は歩き出す、港の方へと・・・



・・・一輝からすればモースのような人物は、元々の性根からして相容れない人間だった。人を平気で陥れ、その気になればいつでも捨てることの出来る・・・そんな人物を一輝は嫌っていた、城戸光政という実の親から事情はどうあれ見捨てられたも同然の扱いを受けたが為に。ただ話を聞いた後でアニスの記憶越しにその目を見た瞬間にそれを感じ取り、怒りを覚えるのだから相当だったと言えよう。












・・・不死鳥の怒りは双子の片割れの想いを予期せぬ形で超越した



その行動が何を生むか



それは不死鳥以外に知るよしもない・・・



END









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