兄弟として、仲間として向かい合う

・・・そして教皇宮を出た二人は道中の宮にいたカミュにアイオロスにデスマスクと話をしていき、三人ともに行くとの返答をもらった。






・・・それで翌日、聖域の入口付近でカノン達はオールドラントに再び舞い戻るべく異次元の穴を開きそこへと入っていった。
「・・・改めて聞きますが、貴方は行かなくてよかったのですか?サガ」
「今更私が行くというのも邪魔になるのもそうだが、無粋だと思ったから行かないと選択したんだ」
「無粋、ですか」
その光景を見送ったムウにアルデバランにサガの三人。そんな中でムウからかけられた言葉にサガは自分の気持ちを語ると共に、無粋と付け加える。
「私としてもオールドラントに行きたいと思った時期はあった・・・だがこの三年で二人から話を聞いてオールドラントに再び行きたいと言われた時、私が今更入るのは無粋と感じたのだ。オールドラントの問題に、と言うよりはあの二人のオールドラントに対する過去を想う姿勢にな」
「過去を想う姿勢・・・やたらと難しく言うものだな、サガ」
「私もそう思うが、こう言った言い方が適切ではないかと思ったのだ。そしてそういう物だからこそ私が入ることは無粋だと感じたんだ。二人の思い出の中にな」
「ふむ・・・決意は固い、と言うことか」
それでその無粋だと思った訳を語っていくサガの様子に、アルデバランもまた納得したように笑顔を浮かべる。
「まぁカノン達は既にオールドラントに心残りもそうですし、戻ることについてもないでしょうからね。向こうでの縁やら何やらは片付けてきましたし、あくまでも三年前からの経過についてを知ることが目的です。それをよくこの三年で分かったからこそ、サガも快く送り出したのですよ」
「三年で、か・・・もうそれだけの時間が経ったのだな、改めて。カノンが見つかった時にはルークも共に連れて地球に戻ってくることになるとは思わなかったが、それでいて地球に戻って最初の頃のサガの姿も懐かしく感じてしまうな」
「よしてくれ、アルデバラン。その時の事を思い出されると少し私も恥ずかしい」
ムウがそこで理解を示したような声を上げアルデバランが昔を懐かしむように声を漏らすと、サガは若干居心地が悪そうに笑う。
「フフ・・・とりあえずカノン達がすぐに戻って来るとは限らない訳ですから、サガはサガで今やれることをして待つべきでしょう。今はアイオロスがいない訳ですから、シオンの補佐を勤める形でね」
「そうだな、そうさせてもらおう」
ムウもまた微笑みながらカノン達が帰るまでの行動についてを勧めると、サガは表情を引き締め頷く。いなくなったアイオロスの穴を埋めるべく。















・・・それで数日後、聖域の入口付近にデスマスク達の小宇宙が現れた。



「・・・戻ってきたようだが、カノンがいないようだな」
「訳についちゃ今から説明してやるが、一番最初の出迎えがお前とアイオリアってどういうことだよ?」
「候補生達の訓練の様子を二人で見ていた所、偶然お前達が帰ってきただけだ。別に他意はない」
「なんだ、そういうことか」
その場に来たのはシュラとアイオリアの二人。出迎えを受けるが何故この組み合わせというデスマスクにシュラは偶然と言い、納得する。
「それよりシュラの言うよう何故カノンはいないのだ?」
「だから焦んなって、今から説明してやるからよ」
続いたアイオリアの疑問に面倒そうにしながらもデスマスク達は説明を始める、オールドラントに何故カノンだけ残っているのかを・・・










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