兄弟として、仲間として向かい合う

「それで、気になったのですがルークはどういったタイプなのですか?ある程度は器用になんでもこなせるのか、それともあまりこなせないのか・・・黄金の中で誰が近いかで言ってもらってもいいですよ」
「どういったタイプ、か・・・ねぇ。黄金の中で言うならカノン達に修行をつけてもらったってのもあるんだろうが、一番近いのはやっぱ双子座の二人だな」
「双子座ですか」
それでムウのルークのタイプについての質問に、デスマスクは双子座の二人と当然と言ったよう答える。
「弟子が師に似るのはある意味当然っちゃ当然だが、どっちかっつったら生まれの在り方が関係してるのもあんだろうな・・・なんか因縁性っていうか、そんなものがな」
「あぁ・・・元々のルークは自然に生まれたのではなく、アッシュの身代わりとして造り出された存在でしたね・・・」
だが続いたデスマスクの言葉にムウは少し何とも言い難そうに声を上げる・・・双子座はその名が示すよう双子の人物が継ぐことが歴代聖闘士の中でも珍しくなく、そこに問題が起こった事も珍しくない。そうムウは知っている為に、双子とは違うが同じようで同じでない存在のアッシュを持つルークもまた双子座の半ば呪いに近い命運に縛られているのではと感じてしまい。
「ま、本当の双子じゃねぇってのもあるが肝心の被験者様とは袂が分かれたからな。それも当事者同士納得の上、世界まで越えてるってオマケ付きでだ。だからもうそっちについちゃ心配する必要はねぇよ」
「・・・そうですね、そう言えばそうでした」
そんな感じ方をしていることを察したからかデスマスクがかけてきた声にムウも思い直し、微笑を再び浮かべる・・・もしルークが双子座の聖闘士になるにしても、歴代双子座のようないざこざは起こることはないのだと改めて知り。
「まぁあくまで俺からしたらの見方だ。今相手してるシュラから言わせりゃ万能に何でもやれるだけの素質自体はあるらしいぜ。流石に蟹座はやれるとは思えないらしいがな」
「まぁ蟹座は星座の性質上もあって、積尸気を扱えるかにどうその問題と付き合うかが重要になりますからね。そればかりは仕方ないですが、シュラがそこまで言うとはまた珍しいくらいですが・・・」
「元々ルークはオールドラントでは第七音素を扱える素養はあった。だが生まれによる経験の少なさにそれをうまく扱うだけの知識がなかったから譜術・・・こっちで言うところの魔法を使えなかっただけだ。けど経験に知識が伴えばその素養もあって、小宇宙を用いりゃある程度なんでもやれるだけの実力にはなれる。シュラの思ったことに付け加えてオールドラントで一緒に旅をした俺から言わせりゃ、別にルークが器用にやれるってのは不思議じゃねーんだよ」
「ふむ・・・そうなんですか」
それで話を戻したデスマスクからシュラと共に自身の評価も悪くはないと言われ、ムウも納得して声を上げる。
「そういうことならもし黄金クラスにまで育ったとしたとして、双子座がダメでも他の星座の聖衣を受け継ぐ事は満更不可能ではなさそうですね。と言っても既に星矢達に貴鬼である程度次の黄金の枠は埋まっていますし、デスマスクが言ったように蟹座は難しいとして牡牛座に蠍座に山羊座に魚座・・・この中のどれかといったところになりますが、双子座を除けば一番近いのは山羊座になるでしょうね」
「だろうな、カノン達の次に指導してた時間が長かったのもあってルークの体術に関しちゃシュラの影響がかなり大きい。現にホラ、な」
「あぁ・・・動きと言うか、手刀の出しかたは確かにシュラに瓜二つですね」
それで受け継げる聖衣についての話をするムウにデスマスクが指を指した方を見ると、ルークがシュラに向かって左手で手刀を作り斬りかかった姿に感心する。首を引いてかわされこそしたが、その手刀はシュラの聖剣の出しかたそのものだったために。







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