兄弟として、仲間として向かい合う

「しかし大体の黄金はオールドラントに行ったが、サガにシュラにシャカ・・・三人は行っていなかったのだな」
「そう言えばそうですね・・・とは言え元々カノンは大勢の聖闘士の介入を快く思っていませんでしたから、アイオロス達の三人以外で代わりがわり行った私達の中で一番オールドラントに長くいたのはミロでしたしね。それもあまりミロから変わると面倒だったからですし」
「あぁ、導師の事か」
それでアルデバランから思い返すように上がった声にムウもまた思い返しながら返し、懐かしむ声を上げる。
「・・・私に限って言えばオールドラントに行けば、カノンとの血の繋がりについてを面倒な事になりかねなかったから行けなかったのだがな。だが事が全て済んで地球に戻ってきてくれた以上は、私も含めてもうそういったことを気にする必要もない」
「・・・ふむ、どうやら気負いも何もないようですね。この様子なら心配はないようだ」
「・・・シオン様から何か言伝てでも預かっていたのか?」
「貴方の様子について聞かされていたものですから少し気になったのですよ・・・まぁ行けとは言われていないので、単純に私の興味です」
「興味とは、酷いな・・・」
それでサガが決意を新たにするがその様子を見て安心と漏らすムウに察したような言葉をかけると、興味本意と返され苦笑する。















・・・そんなやり取りから数日後、サガはシュラと共にアテナの護衛という形で聖域から日本へと旅立った。



「・・・お、サガにシュラ!何か珍しい組み合わせだな!」
「あぁ、星矢。久し振りだな。それに紫龍達も揃っているのか」
「あぁ、お嬢さんが戻ってくると聞いてな」
そして城戸邸に着いた三人は入口の所で待っていた星矢達四人の出迎えを受けた。
「すみません、カノン達は今どこにいますか?」
「カノン達なら今は部屋にいますよ・・・今はルークの勉強の時間のようですから」
「そうですか・・・サガ、貴方は二人の所に行っても大丈夫ですよ。今はシュラもそうですが、星矢達もいますから」
「アテナ・・・はい、失礼します」
それで早速とアテナがカノン達の居場所を聞き瞬が素直に答えると、サガの方へ向き直り行くようにと言えば頭を下げすぐに屋敷の中へと向かう。
「・・・いいんですか、お嬢さん?」
「いいのですよ、氷河。元々サガがこちらに来たのも二人に会うためなのですから・・・シュラにはすみませんが、カノン達に会うのはまた後でにしてもらっていいですか?」
「構いません。むしろ3人の会話に私がいてもどのようにしていいか分かりませんので・・・」
「あぁ、確かにシュラでなくともそうなりそうですよね・・・」
氷河が確認を取ってきた事にアテナは笑顔で答えつつシュラに謝りを入れるが、表情を固くしながら首を横に振る様子に瞬を始めとして何とも言えない複雑な表情を浮かべる。血の繋がりを越えた兄弟関係を結ぶ場に、部外者が入り込むには精神的に難しい為に・・・



「・・・ふぅ」
‘コンコン’
「・・・失礼する」
・・・それでカノン達のいる部屋の前に来たサガは覚悟を決めるように息を吐いて表情を引き締めた後、ノックをしてからドアを開ける。
「・・・サガか」
「あぁ、数日ぶりだなカノン・・・そして初めまして、だな・・・ルーク、と言っていいのか・・・」
「・・・大丈夫です、ルークって普通に言ってくれて構いません」
それでまだ荷物が少なく二つ並んだベッドに机にクローゼット程度しかない部屋の中・・・机の横にいたカノンが振り返り答えてサガが頷き椅子に座っていたルークに視線を向けて探り探りの話し方で話しかければ、椅子から立ち上がり真剣に頷いて返す。








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