兄弟として、仲間として向かい合う
「私が最後に見たカノンはそれこそハーデスとの戦いの時・・・あの時はカノンが聖闘士としての使命に目覚め、心を入れ換えて戦ってくれたことに感激しました・・・ですが先程見たカノンは人間的な意味での成長があまりにも著しかった。その事に嬉しさを覚えるよりも、戸惑いを覚える程に・・・」
「・・・そうか」
サガが漏らした声にシオンはただ納得する。精神的にカノンに対して置いていかれたと感じているような気持ちを我慢している姿に余計な事を言えないと感じた為に。
「・・・今はまだ無理かもしれませんが、落ち着いてからカノンとゆっくり話をしなさいサガ。今のままではカノンに対して様々な気持ちを抱いたまま悶々とする事になるでしょうからね」
「・・・はい、それは私も重々感じています」
アテナもそこにあえて無理をしないように言いつつ来るべき時に話をするよう勧め、サガはまた複雑そうに頷いた。カノンを自分だけ避けては通れぬと感じているために・・・
「ふ~ん・・・あのサガがねぇ・・・」
「出来れば挨拶をしておきたかったんだけれど・・・」
「今は止めておいてくれ。あの様子じゃ何を言っても上の空になる可能性が高い」
・・・そして少し時間は経って場は変わり、巨蟹宮にて食卓を囲むデスマスクとルークからの発言にカノンは首を横に振る。
「・・・ま、あの元が生真面目なサガの事だ。しばらくしたらお前らの所に自分から行くだろ。ちゃんと向き合おうってな。その時になったら挨拶してやりゃいいから、この数日はここにいろよ」
「あ~・・・それはありがたいけど、サガさんここ通るんじゃないのか?双児宮ってここの下の宮になるんだし・・・」
「後でテレパシーでシオン様にお前らの受け入れ先が決まるまでは教皇宮に寝泊まりさせるよう伝えといてやる。今のサガじゃ処女宮辺りで足が重くなるだろうから、いっそカノン達が出立するまでそこにいさせてやった方がいいとな」
「処女宮という辺りに妙な生々しさがあるな・・・そしてそうなりそうというのがまたな・・・」
デスマスクはそこに巨蟹宮に滞在するようにと言い何とも言い難いルークの指摘にもリアルな予想で答え、カノンはその中身に呆れ気味に漏らす。
・・・そんな風に両者の正反対な状況はこの数日続き、カノン達はアテナから手続きが済んだとの事で日本に飛び立った。新たな生活の為に・・・
「・・・さて、サガよ。この数日教皇宮での活動ご苦労だった。双児宮に戻ってゆっくり休むといい。何かあればすぐに連絡するのでな」
「はっ・・・では失礼します・・・」
・・・そしてその後、シオンに双児宮に戻るように言われサガは足を動かすが誰から見てもその動きは重そうにしか見えなかった。
「・・・大丈夫でしょうか、サガは」
「何、道中にはカノンやルークと共に最後まで旅をした三人もいますし他にもサガに助言を与えそうな者は何人もいます。問題はないでしょう」
「それならいいんですけどね」
アテナはシオンに近付き声をかけるが、道中の面々なら大丈夫と太鼓判を押すとの返答に然程心配はないといったような様子で返す。どうやらアテナもただ言ってみただけのようであった。
「・・・おや、サガじゃないか。双児宮に帰るのかい?」
「そうだが・・・シュラも一緒か」
「ああ、少しアフロディーテに話があってな」
そして双魚宮に降りてきたサガの前に現れたのは、宮の主であるアフロディーテにシュラであった。
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「・・・そうか」
サガが漏らした声にシオンはただ納得する。精神的にカノンに対して置いていかれたと感じているような気持ちを我慢している姿に余計な事を言えないと感じた為に。
「・・・今はまだ無理かもしれませんが、落ち着いてからカノンとゆっくり話をしなさいサガ。今のままではカノンに対して様々な気持ちを抱いたまま悶々とする事になるでしょうからね」
「・・・はい、それは私も重々感じています」
アテナもそこにあえて無理をしないように言いつつ来るべき時に話をするよう勧め、サガはまた複雑そうに頷いた。カノンを自分だけ避けては通れぬと感じているために・・・
「ふ~ん・・・あのサガがねぇ・・・」
「出来れば挨拶をしておきたかったんだけれど・・・」
「今は止めておいてくれ。あの様子じゃ何を言っても上の空になる可能性が高い」
・・・そして少し時間は経って場は変わり、巨蟹宮にて食卓を囲むデスマスクとルークからの発言にカノンは首を横に振る。
「・・・ま、あの元が生真面目なサガの事だ。しばらくしたらお前らの所に自分から行くだろ。ちゃんと向き合おうってな。その時になったら挨拶してやりゃいいから、この数日はここにいろよ」
「あ~・・・それはありがたいけど、サガさんここ通るんじゃないのか?双児宮ってここの下の宮になるんだし・・・」
「後でテレパシーでシオン様にお前らの受け入れ先が決まるまでは教皇宮に寝泊まりさせるよう伝えといてやる。今のサガじゃ処女宮辺りで足が重くなるだろうから、いっそカノン達が出立するまでそこにいさせてやった方がいいとな」
「処女宮という辺りに妙な生々しさがあるな・・・そしてそうなりそうというのがまたな・・・」
デスマスクはそこに巨蟹宮に滞在するようにと言い何とも言い難いルークの指摘にもリアルな予想で答え、カノンはその中身に呆れ気味に漏らす。
・・・そんな風に両者の正反対な状況はこの数日続き、カノン達はアテナから手続きが済んだとの事で日本に飛び立った。新たな生活の為に・・・
「・・・さて、サガよ。この数日教皇宮での活動ご苦労だった。双児宮に戻ってゆっくり休むといい。何かあればすぐに連絡するのでな」
「はっ・・・では失礼します・・・」
・・・そしてその後、シオンに双児宮に戻るように言われサガは足を動かすが誰から見てもその動きは重そうにしか見えなかった。
「・・・大丈夫でしょうか、サガは」
「何、道中にはカノンやルークと共に最後まで旅をした三人もいますし他にもサガに助言を与えそうな者は何人もいます。問題はないでしょう」
「それならいいんですけどね」
アテナはシオンに近付き声をかけるが、道中の面々なら大丈夫と太鼓判を押すとの返答に然程心配はないといったような様子で返す。どうやらアテナもただ言ってみただけのようであった。
「・・・おや、サガじゃないか。双児宮に帰るのかい?」
「そうだが・・・シュラも一緒か」
「ああ、少しアフロディーテに話があってな」
そして双魚宮に降りてきたサガの前に現れたのは、宮の主であるアフロディーテにシュラであった。
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