「そう言ってくれるのならありがたいが、ルークにナタリア・・・そなたたちにも一応聞くが、それでよいな？」
「はい、それは勿論」
「構いませんわ！」
インゴベルトはそこで二人に意思確認をすれば当然とばかりに即座に頷く。
「ふむ・・・それならばよい、と言いたい所だが・・・誰ぞ、何か意見があるものはおるか？」
「え・・・？」
そしてそれで終わりとなるかと思いきやのまさかの周りへの意見を求める声に、キョトンとする。
「・・・では僭越ながら私から申し上げさせていただきますが、お二方の気性を考えられますと・・・少々言いにくい事ではありますが、このまま王座についていただくのはやはり難しいかと思われます」
「えっ・・・！？」
「っ・・・お、伯父上・・・一体これはどういうことなのですか・・・！？」
だが貴族の中からまさかの反対といった声が上がってきた事にナタリアが何故と驚き、アッシュは言っていたことと違うとばかりにインゴベルトに訳を聞いてくる。そんな姿にインゴベルトと公爵の表情が呆れに満ちた表情に変わる。
「・・・数日前、わしはそなた達を呼び出したな？その時わしはそなたらの態度が目にあまることを指摘した・・・これは間違いないな？周りの者達については気にせず答えよ」
「っ・・・それは、確かです・・・ですがあの時は・・・！」
「数日大人しくしていれば貴族達の見る目も変わる、そう言ったはずと言いたいのかもしれんが・・・それだけでいいとでも思っていたのか、そなたらは？」
「・・・えっ・・・？」
それで確認の為に向けた問いにアッシュはそうじゃないと言い出すが、先のやり取りで言ったことだけではないと言うインゴベルトに呆けた声を上げる。
「・・・そもそもだが、この数日でそなたらが大人しくしてるかどうかの判断を誰がどうやってするのかを考えてなかったのか？」
「え・・・それはこちらの皆さんの目ではないのですか・・・？」
「確かにそれもそうだ・・・だがそれなら貴族達の目がないところで何をしているのかという判別がつかぬだろう。だからわしはクリムゾンに命を下したのだ・・・この数日でそなたらの近辺にいた兵士にメイドに従者など全ての人間に、そなたらの行動についてを個人的に感じたことも併せて聞かせてもらうようにするような」
「「・・・！？」」
その姿に静かに考えはなかったのかと聞くインゴベルトにナタリアは考えてなかったとばかりに返し、ならとその答えを明かし二人を驚愕させた。貴族だけでなく周りもそうだったのだと聞かされ。
「そしてクリムゾンを始めとした何人かがこの数日でそなたらに関わった人々から話を聞いたのだが、その結果として先程のような意見が出てきた・・・というわけだ」
「なっ・・・何故ですか！？私達はそのように言われるような事はしていませんわ！」
「そうです伯父上！何故そんなことを従者達から言われねばならないのですか！？」
「・・・クリムゾン、そなたが話せ。どういった意見があったからそなたに彼らがこのような言葉が出てきたのかとな」
「ハッ、かしこまりました」
インゴベルトはその結果から判断したことと冷静に言うが、二人は不等であるとここぞとばかりに息を合わせて勢いよく反論してくる。その様子にインゴベルトは公爵にバトンタッチするよう視線と命令を向け、うやうやしく頷き一歩前に踏み出る。












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