聖闘士の手より離れた世界
「しかし、あそこまでそなたの予想通りに事が進むとは思わなかった・・・本来であればわしやクリムゾンがそなた程二人の事を読んで、行動をするべきだったのにな・・・」
「・・・言葉を選ばずに申し上げるのでしたら、確かにそのようにするべきだったのでしょう。ですが事がここまで進んでしまったことに加え、最終的な判断を下すための決断を陛下に公爵様はされました。最後に陛下達が出来ることはどのような行動をあの二人が取るかと、その結果に対しての処断を私心を交えず下せるか・・・そこに尽きるでしょう」
「・・・わかっておる。そうでもなければそなたがナタリアの本当の父親の事を話してくれた意味が損なわれるし、何よりもうクリムゾンもだがわしも後に引く気はないのだ・・・!」
しかしすぐに自身のいたらなさに表情を暗くするインゴベルトにカノンが答えれば、すぐに表情を新たにして決意を固める。
「張り切っていただけるのは何よりですが、準備は大丈夫なのですか?」
「うむ、それは問題ない。貴族達に対してはすぐに話を通せば問題はないであろうし、主な仕込みに関しては既に済んでいる。後は数日様子を見てそれで判断するまでだが・・・そなたは二人と最後まで顔を合わせるつもりはないのだな?改めて確認するが・・・」
「それについて改めて言わせていただきますが、止めておいた方がいいでしょう。もしあのお二人にとって良くない方に話が進んだならお二人は私の干渉があったからと怒り、不等だと騒ぎ立てることでしょう。自らの責任と思うことはなく・・・ですから私はこちらの部屋に潜んでいたように、陰からその様子を見るだけに留めておきます」
「そうか・・・やはりそうした方がいいか・・・」
そして新たに意思確認をするカノンにインゴベルトから会わないのかと反対に問い返されるが、そうしないと理由つきできっぱり言い切ると納得する・・・ちなみにカノンは物陰から出てきたが、正確には異次元空間を開いてそこに身を潜めながら会話を聞いていただけである。そうでなければ例え気配を消していたとて、180後半のカノンの体は目立ってしょうがないために。
「ではそろそろ私はこの辺りで失礼させていただきます。私のやれることはありませんので」
「うむ・・・その時になれば使いを寄越す。ゆるりと過ごすといい」
そして一通り話を終えたからと退出を切り出すカノンにインゴベルトも頷く、一先ずここでの事は終わりと。
・・・そして数日が経ち、アッシュとナタリア。この二人の行方を決める日がついに訪れた。
「・・・さて、よく集まってくれた諸君。今日はルークとナタリア、二人の事について重要な話がある。心して聞くように」
「「「「・・・」」」」
・・・会議室の中、上座に座るインゴベルトとその側に控えて立つ公爵。そんな二人に注目するようズラリと両側に並んだ席に座る貴族達に、インゴベルト達から最も遠い真向かいにアッシュ達は座っている。
そんな中で厳粛な空気を滲ませたインゴベルトの声が辺りに響き、一同の緊張感が高まる。
「ではまず最初に伝えなければならん事だが、ルークももう今年で成人を迎えることとなる。そしてナタリアももうよい歳・・・簡潔に言うなら遅くとも今年中には二人を結婚させるべきだと考えているが、異があるものはおるか?」
「「「「・・・」」」」
「・・・おらぬ、と見ていいようだな」
「「っ・・・!」」
それで早速と二人の結婚についてを切り出し反対はあるかと投げ掛けるが、誰も意見なしと反応しない様子にアッシュとナタリアは共に顔を見合わせ一度頷きあう。これで認められたのだと感じて嬉しそうに。
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「・・・言葉を選ばずに申し上げるのでしたら、確かにそのようにするべきだったのでしょう。ですが事がここまで進んでしまったことに加え、最終的な判断を下すための決断を陛下に公爵様はされました。最後に陛下達が出来ることはどのような行動をあの二人が取るかと、その結果に対しての処断を私心を交えず下せるか・・・そこに尽きるでしょう」
「・・・わかっておる。そうでもなければそなたがナタリアの本当の父親の事を話してくれた意味が損なわれるし、何よりもうクリムゾンもだがわしも後に引く気はないのだ・・・!」
しかしすぐに自身のいたらなさに表情を暗くするインゴベルトにカノンが答えれば、すぐに表情を新たにして決意を固める。
「張り切っていただけるのは何よりですが、準備は大丈夫なのですか?」
「うむ、それは問題ない。貴族達に対してはすぐに話を通せば問題はないであろうし、主な仕込みに関しては既に済んでいる。後は数日様子を見てそれで判断するまでだが・・・そなたは二人と最後まで顔を合わせるつもりはないのだな?改めて確認するが・・・」
「それについて改めて言わせていただきますが、止めておいた方がいいでしょう。もしあのお二人にとって良くない方に話が進んだならお二人は私の干渉があったからと怒り、不等だと騒ぎ立てることでしょう。自らの責任と思うことはなく・・・ですから私はこちらの部屋に潜んでいたように、陰からその様子を見るだけに留めておきます」
「そうか・・・やはりそうした方がいいか・・・」
そして新たに意思確認をするカノンにインゴベルトから会わないのかと反対に問い返されるが、そうしないと理由つきできっぱり言い切ると納得する・・・ちなみにカノンは物陰から出てきたが、正確には異次元空間を開いてそこに身を潜めながら会話を聞いていただけである。そうでなければ例え気配を消していたとて、180後半のカノンの体は目立ってしょうがないために。
「ではそろそろ私はこの辺りで失礼させていただきます。私のやれることはありませんので」
「うむ・・・その時になれば使いを寄越す。ゆるりと過ごすといい」
そして一通り話を終えたからと退出を切り出すカノンにインゴベルトも頷く、一先ずここでの事は終わりと。
・・・そして数日が経ち、アッシュとナタリア。この二人の行方を決める日がついに訪れた。
「・・・さて、よく集まってくれた諸君。今日はルークとナタリア、二人の事について重要な話がある。心して聞くように」
「「「「・・・」」」」
・・・会議室の中、上座に座るインゴベルトとその側に控えて立つ公爵。そんな二人に注目するようズラリと両側に並んだ席に座る貴族達に、インゴベルト達から最も遠い真向かいにアッシュ達は座っている。
そんな中で厳粛な空気を滲ませたインゴベルトの声が辺りに響き、一同の緊張感が高まる。
「ではまず最初に伝えなければならん事だが、ルークももう今年で成人を迎えることとなる。そしてナタリアももうよい歳・・・簡潔に言うなら遅くとも今年中には二人を結婚させるべきだと考えているが、異があるものはおるか?」
「「「「・・・」」」」
「・・・おらぬ、と見ていいようだな」
「「っ・・・!」」
それで早速と二人の結婚についてを切り出し反対はあるかと投げ掛けるが、誰も意見なしと反応しない様子にアッシュとナタリアは共に顔を見合わせ一度頷きあう。これで認められたのだと感じて嬉しそうに。
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