聖闘士の手より離れた世界
「ナタリア様についてだが、こちらに関しては前歴に加えて秘密にせねばならぬことがあるためにアッシュより大人しくはしていたのだ・・・だが次第に状況に慣れていったことから、ナタリア様は次第に強気に発言をし出した。その要因の一つとしてアッシュの事を言わなければそこまで問題はないとナタリア様が考えた事にある」
「考えた事にあるとは、確信を持たれているのですか?ナタリア様がそう思っていると」
「あぁ、実際な・・・アッシュの事を秘密にせねばならぬのは分かりますが、その他でまで遠慮せねばならない道理はない・・・そう言った風に陛下に言われたのを陛下本人から私は聞いたのだ」
「成程、そう言うことでしたか」
それでナタリアが次第に勢いを取り戻していった理由の一つについてを公爵から聞き、カノンは納得するする。
「そしてもう一つ、ナタリア様が強気になられたのには理由があるのだが・・・どちらかと言えばこれが理由の大半を占めるのだが、アッシュがいることだ」
「アッシュ・・・本物の『ルーク』がいるという安心感に加え、その気質や発言に影響されたといった所ですか?」
「大方そのような物だ。半年経って不満を漏らした事により二人でいる時間という物を減らしこそしたと思ったが、どちらかが時間が空けばもう片方の側に行く・・・そう言った行動をよく見られるようになったのだ。時間のない中でも好きあうからこそ逢瀬を楽しむといった、恋人同士の蜜月を求めるようにしか見えない形でな」
「・・・そのような事はあまり望ましくないのではありませんか?本来の公務とは私心を捨てて余計な言葉を交えずに取り掛かるべき物である筈だと思うのですが・・・」
「あぁ、本来であればそうなのだが・・・それを妨げようとすればどちらか、特にアッシュの機嫌が著しく損なわれるのだ。本来であればそういったことは無理してでも止めさせるべきなのではと思ったが、普段から機嫌が悪くなれば被害を被るのは私達ではなく二人の近くにいる者達・・・だから公務を滞らせるようならどうあっても引き剥がすと言って放置しているというか、放置せざるを得ないのが現状だ。譲歩しているといった風に言いはしても、結局二人を納得させた上で我を通すのを止めさせることは出来てはいない・・・情けない話だ」
それで続けてもうひとつの理由はアッシュ当人と一緒にいようとするからと公爵は漏らすが、被害を下げる為に肝心の大元を放っておく以外にないと非力さを嘆くように目を伏せる。
「ですがお二人はそれを変えようと思っている・・・恐らくはナタリア様の事実を持って」
「・・・うむ、そうだ。一応念の為に言っておくが我々も何度も態度を改めろとは言ってはきた。少しは自重するようにと。だが二人はそれらを聞いてはすぐにやめてを繰り返してきた・・・しかし流石にもうそんなわがままを許す訳にもいかんのだ。アッシュは近い内に20になりナタリア様との結婚も視野に入れねばならぬ時期になってきているし、何より次期キムラスカ王とその后となる二人がそのようなことを平然と続ければまず間違いなく次代のキムラスカは大きく荒れてしまう・・・そのようなことは避けねばならんのだ・・・例え私がアッシュ達に恨まれるようなことになったとしても・・・!」
「そうですか・・・」
カノンはそこで最後の手であるナタリアの秘密を用いることについてを察すると、公爵は徐々に不退転の決意があると顔を上げて強く示す。その様子にカノンは少し考え込む。
「・・・公爵様、よろしければ私を陛下と会わせてはいただけませんか?」
「何?・・・それは私が申し上げれば可能だが、この問題にお前も動くというのか?」
「流石に今の状況を知って、何もしないというのはどうかと思いましたので・・・それに陛下にお耳に入れたいこともございますので・・・」
「陛下に?・・・まぁいい、お前なら陛下も会ってくれるだろう。少し待っていてくれ。話を通してこよう」
「ありがとうございます、公爵様(すまんな・・・だがこのまま見過ごすわけには流石にいかんのだ・・・キムラスカが堕ちることになりかねん事態を・・・)」
それでインゴベルトに会えないかと願うカノンに公爵はすぐにその要望に答えるべく動くのだが、礼を言う表面上と違い内心で謝っていた。ある人物に対して・・・
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「考えた事にあるとは、確信を持たれているのですか?ナタリア様がそう思っていると」
「あぁ、実際な・・・アッシュの事を秘密にせねばならぬのは分かりますが、その他でまで遠慮せねばならない道理はない・・・そう言った風に陛下に言われたのを陛下本人から私は聞いたのだ」
「成程、そう言うことでしたか」
それでナタリアが次第に勢いを取り戻していった理由の一つについてを公爵から聞き、カノンは納得するする。
「そしてもう一つ、ナタリア様が強気になられたのには理由があるのだが・・・どちらかと言えばこれが理由の大半を占めるのだが、アッシュがいることだ」
「アッシュ・・・本物の『ルーク』がいるという安心感に加え、その気質や発言に影響されたといった所ですか?」
「大方そのような物だ。半年経って不満を漏らした事により二人でいる時間という物を減らしこそしたと思ったが、どちらかが時間が空けばもう片方の側に行く・・・そう言った行動をよく見られるようになったのだ。時間のない中でも好きあうからこそ逢瀬を楽しむといった、恋人同士の蜜月を求めるようにしか見えない形でな」
「・・・そのような事はあまり望ましくないのではありませんか?本来の公務とは私心を捨てて余計な言葉を交えずに取り掛かるべき物である筈だと思うのですが・・・」
「あぁ、本来であればそうなのだが・・・それを妨げようとすればどちらか、特にアッシュの機嫌が著しく損なわれるのだ。本来であればそういったことは無理してでも止めさせるべきなのではと思ったが、普段から機嫌が悪くなれば被害を被るのは私達ではなく二人の近くにいる者達・・・だから公務を滞らせるようならどうあっても引き剥がすと言って放置しているというか、放置せざるを得ないのが現状だ。譲歩しているといった風に言いはしても、結局二人を納得させた上で我を通すのを止めさせることは出来てはいない・・・情けない話だ」
それで続けてもうひとつの理由はアッシュ当人と一緒にいようとするからと公爵は漏らすが、被害を下げる為に肝心の大元を放っておく以外にないと非力さを嘆くように目を伏せる。
「ですがお二人はそれを変えようと思っている・・・恐らくはナタリア様の事実を持って」
「・・・うむ、そうだ。一応念の為に言っておくが我々も何度も態度を改めろとは言ってはきた。少しは自重するようにと。だが二人はそれらを聞いてはすぐにやめてを繰り返してきた・・・しかし流石にもうそんなわがままを許す訳にもいかんのだ。アッシュは近い内に20になりナタリア様との結婚も視野に入れねばならぬ時期になってきているし、何より次期キムラスカ王とその后となる二人がそのようなことを平然と続ければまず間違いなく次代のキムラスカは大きく荒れてしまう・・・そのようなことは避けねばならんのだ・・・例え私がアッシュ達に恨まれるようなことになったとしても・・・!」
「そうですか・・・」
カノンはそこで最後の手であるナタリアの秘密を用いることについてを察すると、公爵は徐々に不退転の決意があると顔を上げて強く示す。その様子にカノンは少し考え込む。
「・・・公爵様、よろしければ私を陛下と会わせてはいただけませんか?」
「何?・・・それは私が申し上げれば可能だが、この問題にお前も動くというのか?」
「流石に今の状況を知って、何もしないというのはどうかと思いましたので・・・それに陛下にお耳に入れたいこともございますので・・・」
「陛下に?・・・まぁいい、お前なら陛下も会ってくれるだろう。少し待っていてくれ。話を通してこよう」
「ありがとうございます、公爵様(すまんな・・・だがこのまま見過ごすわけには流石にいかんのだ・・・キムラスカが堕ちることになりかねん事態を・・・)」
それでインゴベルトに会えないかと願うカノンに公爵はすぐにその要望に答えるべく動くのだが、礼を言う表面上と違い内心で謝っていた。ある人物に対して・・・
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