聖闘士の手より離れた世界

「・・・それで、彼女はどうなることになったのですか?」
「色々話し合った結果として・・・アリエッタはダアトを出ることを選びました」
「ダアトを出る事を許したのですか?」
「はい・・・彼女はその幼さもあって一人の状態ではヴァン達のような事を起こすことはまず考えにくいと思われた事に、ダアトにずっと居続けるよりはいいのではとなったんです。ヴァン達に何も知らないとはいえ協力していたことに関しては悔い改めているように見えましたが、やはり被験者の事がありましたし完全に心の整理をするにはここはあまりにも思い出が多すぎますから・・・ですからダアトを出ると選んだ彼女にはディストと同じような事を言った後、戻ってくるのなら地位は低くなるけれど働けるようにはすると言って見送らせていただきました」
「成程・・・ちなみにアリエッタの行き先などは見当はついていますか?」
「ダアトを出る前にママの所に戻ると言っていましたから、その言葉が正しければ今も彼女はそちらにいると思いますが・・・それを直に確かめたいと思いますから、僕達の最初の旅の目的地は彼女の所にしようと思っています。彼女が元気にしている姿を見るためにも」
「そうですか・・・そうなるように祈らせていただきます」
「ありがとうございます、カミュさん」
その上でアリエッタは最終的にどうなったかを確認するカミュにイオンはダアトを出るまでの経緯の後、彼女と前向きな再会が出来るようにしたいと考えていると笑みを浮かべる。カミュはそんな表情に微笑んで返し、イオンもまた笑顔で頭を下げた。



「・・・なぁ。アリエッタの事を聞いた後で聞くのもなんだけど、今ユリアシティってどうなってんだ?あそこって外殻大地が空に浮かぶ前から魔界にあったから、外殻大地が降りた時に一緒に潰れたって事はないよな?今更だけど」
「あ、それは大丈夫。後で話を聞いたら元々ユリアシティの上空らへんには大地は造られてなかったみたいだから、別に潰されてはなかったし・・・ただ、外殻大地が降りてからユリアシティの成り立ちって言うか元々の役目の事があったから一悶着あったんだよね・・・」
「あぁ・・・そりゃそうなるか、元々ユリアシティって確か秘密裏に預言通りに事を進めようとする人間の為の隠れ家みたいなものだったんだし・・・それも創世歴からずっと」
そんな光景にルークはアニスに近寄り小さくユリアシティについてを聞くと、当時を思い出し少し疲れたように返す姿に納得する。問題が起きるのはむしろ当然とばかりに。
「けどユリアロードが使えなくなってユリアシティと行き来が出来なくなって、早くユリアシティと合流して共同体制を取ろうって動くことがなかったらもっと面倒になってたと今となっちゃ思うんだよね~・・・地図の位置的に海のど真ん中に出てきて、余程無理矢理避けようとしない限りどっかの船に見つかるのは確実だったし事実船も何回か遠目に確認したようだしね~」
「あぁ、そこでユリアシティはどういう場所だって説明することになったんだな」
「うん・・・先にユリアシティに行った人達からの連絡で、急いでキムラスカとマルクトにユリアシティの事を知らせるようにって要望を出したんだけど、どういう場所なのか知って立ち寄った人達から妙な感じの目を向けられる事が多かったんだって・・・場所的に船じゃないとユリアシティには行けないし、各地に渡る船の中継地点としてちょうどよかったからどうしてもね・・・」
「・・・まぁ感情的に複雑だよな、そりゃ。前だったら多分そんな場所があったのかって預言保守派であるほどむしろ行きたい人間が出てきたんだろうけど、もう預言に頼れないんだしな」
「まぁそれでも徐々にそんな目もなくなっていって、今は普通の港として見られてるしね・・・そこのところは大事にならなくてよかったって後で思ったよ」
「そうだな」
ただそんな問題も一応は最小限に被害を抑えられたと言いホッとするアニスにルークも笑顔で頷く、色々あったとは言っても結果としてユリアシティの事が無事に済んで良かったと。









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