聖闘士の手より離れた世界
「・・・それで、どのように裁決を下したのですか?導師は」
「はい・・・そのような状態の為にアリエッタの件はまず置いておいて、ディストの方を先に裁く事にしました。と言っても彼に関しては命だけはせめてと言っていましたから、もし命を助けるにしてもフォミクリー技術の研究は音素の関係でもう出来ないししたら厳重な処罰を与えることと、ヴァンのような野望の為に動いたなら討伐されることを覚悟してもらう事になると言ったらすぐに頷きました」
「それは・・・余程命が惜しかったのでしょうね。それですぐに決断とは・・・」
「はい・・・ですがそのなりふり構わぬ姿勢は却って放っておくと危険なのではとトリトハイム達と話し合って出てきたので、最終的な処分としては神託の盾の地位を剥奪の上でダアト監視の元、新たな技術開発の為の研究職についてもらうことにしました・・・そのままヴァン達と同じようにというように出来ない訳でもありませんでしたが、今言った条件を伝えたらすぐに頷いたのでそうすることになったんです。勿論ディストがもしものことをしたならすぐに処罰を与えることになりますので、そうならないことを願うばかりです」
「成程、そういうことですか」
カミュは話の続きと具体的な処分についてを聞くと、イオンはまずはディストの事をと処分とその経緯についてを詳しく説明して最後に願うように漏らした声にカミュは納得する。
「ただ、そうやってディストの処分を明らかにしたからこそなのですが・・・アリエッタについてどうするかというのが再燃したんです。どうするのかと・・・」
「あぁ、まだ残ってたな・・・アリエッタの事が」
「それでも少し時間が空いたので一概に泣き続ける事は無くなったのですが、精神的に弱っていることに変わりはなく・・・八方塞がりではないかと思われ始めた時、アニスから言われたんです。いっそ全てを明かした方がいいのではないか、と」
「へ?どうしてそう言ったんだ、アニス?」
「・・・アリエッタの状況って、結局何も知らなかったから起きた事だって思ったからだよ。被験者の事も謡将のやろうとしていた事も、アリエッタに知らせない方がいいだろうってそこから遠ざけて・・・でもそれって結局アリエッタを傷付けないようにしたのに、結果としてアリエッタを一人悲しませて傷付けてしまったんだから、いっそ全部話した方がまだアリエッタも納得するんじゃないかって思ったんだ・・・」
「・・・ちょっと難しいっちゃ難しいけど、アニスの言うことも間違っちゃいないな・・・秘密秘密ってずっと隠してばっかりじゃアリエッタもどうしようもなかったのは目に見えてたろうしな・・・」
そこからイオンは今度はアリエッタの事を言うのだが、アニスが話題に出てきたことにルークが当人に話を聞くがそう思ったという理由を悲痛そうに語られ確かにと頷く。苦しむくらいならいっそという想いと、そうしてはいけないのではとの葛藤が見えた決断は分からないでもないと。
「それで話したんですか、アリエッタに事実を?」
「はい・・・と言ってももうヴァン達の処分を終えた後でしたから、ディストにヴァン達の所業についてを証言する役として立ち会ってもらいました・・・その最中は色々と問題がありましたが、一応説明を終えました。ただ全て聞き終えた後に再びアリエッタは泣き崩れましたが、数日が経って再び彼女の元を訪れた時は弱った様子でこそはありましたが話を聞いていくと事実を受け入れてたと見受けられる様子でした」
「・・・つまり、アニスの言うよう言った方が正解だったと?」
「はい。彼女自身辛く苦しい中でようやく真実が出てきたことが辛くて信じたくない事だと同時に、やっと正解が出てきたことにどこか安堵を覚えたんだそうです。それで僕達の話から被験者の事やヴァン達の事実を受け入れざるを得なくなって、辛いのがなくなった訳ではないけど少しは気が楽になったというように言っていました。ずっと分からないままで居続けるよりはよかったと・・・」
「そうですか・・・」
カミュがそこから先の事を促すようにどうなったかを投げ掛けると、紆余曲折を経て何とかアリエッタの気持ちを落ち着かせることに成功した実感を滲ませるイオンの様子にしみじみとした声を漏らす。その時の苦労が垣間見える程だった為に。
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「はい・・・そのような状態の為にアリエッタの件はまず置いておいて、ディストの方を先に裁く事にしました。と言っても彼に関しては命だけはせめてと言っていましたから、もし命を助けるにしてもフォミクリー技術の研究は音素の関係でもう出来ないししたら厳重な処罰を与えることと、ヴァンのような野望の為に動いたなら討伐されることを覚悟してもらう事になると言ったらすぐに頷きました」
「それは・・・余程命が惜しかったのでしょうね。それですぐに決断とは・・・」
「はい・・・ですがそのなりふり構わぬ姿勢は却って放っておくと危険なのではとトリトハイム達と話し合って出てきたので、最終的な処分としては神託の盾の地位を剥奪の上でダアト監視の元、新たな技術開発の為の研究職についてもらうことにしました・・・そのままヴァン達と同じようにというように出来ない訳でもありませんでしたが、今言った条件を伝えたらすぐに頷いたのでそうすることになったんです。勿論ディストがもしものことをしたならすぐに処罰を与えることになりますので、そうならないことを願うばかりです」
「成程、そういうことですか」
カミュは話の続きと具体的な処分についてを聞くと、イオンはまずはディストの事をと処分とその経緯についてを詳しく説明して最後に願うように漏らした声にカミュは納得する。
「ただ、そうやってディストの処分を明らかにしたからこそなのですが・・・アリエッタについてどうするかというのが再燃したんです。どうするのかと・・・」
「あぁ、まだ残ってたな・・・アリエッタの事が」
「それでも少し時間が空いたので一概に泣き続ける事は無くなったのですが、精神的に弱っていることに変わりはなく・・・八方塞がりではないかと思われ始めた時、アニスから言われたんです。いっそ全てを明かした方がいいのではないか、と」
「へ?どうしてそう言ったんだ、アニス?」
「・・・アリエッタの状況って、結局何も知らなかったから起きた事だって思ったからだよ。被験者の事も謡将のやろうとしていた事も、アリエッタに知らせない方がいいだろうってそこから遠ざけて・・・でもそれって結局アリエッタを傷付けないようにしたのに、結果としてアリエッタを一人悲しませて傷付けてしまったんだから、いっそ全部話した方がまだアリエッタも納得するんじゃないかって思ったんだ・・・」
「・・・ちょっと難しいっちゃ難しいけど、アニスの言うことも間違っちゃいないな・・・秘密秘密ってずっと隠してばっかりじゃアリエッタもどうしようもなかったのは目に見えてたろうしな・・・」
そこからイオンは今度はアリエッタの事を言うのだが、アニスが話題に出てきたことにルークが当人に話を聞くがそう思ったという理由を悲痛そうに語られ確かにと頷く。苦しむくらいならいっそという想いと、そうしてはいけないのではとの葛藤が見えた決断は分からないでもないと。
「それで話したんですか、アリエッタに事実を?」
「はい・・・と言ってももうヴァン達の処分を終えた後でしたから、ディストにヴァン達の所業についてを証言する役として立ち会ってもらいました・・・その最中は色々と問題がありましたが、一応説明を終えました。ただ全て聞き終えた後に再びアリエッタは泣き崩れましたが、数日が経って再び彼女の元を訪れた時は弱った様子でこそはありましたが話を聞いていくと事実を受け入れてたと見受けられる様子でした」
「・・・つまり、アニスの言うよう言った方が正解だったと?」
「はい。彼女自身辛く苦しい中でようやく真実が出てきたことが辛くて信じたくない事だと同時に、やっと正解が出てきたことにどこか安堵を覚えたんだそうです。それで僕達の話から被験者の事やヴァン達の事実を受け入れざるを得なくなって、辛いのがなくなった訳ではないけど少しは気が楽になったというように言っていました。ずっと分からないままで居続けるよりはよかったと・・・」
「そうですか・・・」
カミュがそこから先の事を促すようにどうなったかを投げ掛けると、紆余曲折を経て何とかアリエッタの気持ちを落ち着かせることに成功した実感を滲ませるイオンの様子にしみじみとした声を漏らす。その時の苦労が垣間見える程だった為に。
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