世界の確かな歩みが始まる
・・・カノン達がラジエイトゲートを出た頃と同じ時、アイオロス達三人もまた各国を出ていた。
「・・・あ~あ、本当に何をしてんだかこいつら・・・」
その中でデスマスクはザオ遺跡のセフィロトに来ているのだが、本来ダアト式封呪の扉があった場所の前で頭をかいて呆れていた・・・目の前で倒れている、自分を襲った者達を前にして。
「ったく、そこまでして現実から目を背けたいもんかね?いや、預言に詠まれた栄光ある未来こそが唯一の現実だとでも思ってるんだろうが・・・どっちにしたって哀れなもんだな。自分の未来を自分で作ろうと考えれないってんだからよぉ」
そのまま哀れむと言うよりは蔑むような目で見下ろしながら言葉を放つデスマスクに、誰も返す言葉が出てくることがない。全員が全員、相当なダメージを負っている為に。
「・・・ま、これ以上時間を食うと待ち合わせに遅れちまうもんでな。後はあの世で叫ぶんだな。預言を頼りにするのが正しい道なんだってな」
そしてデスマスクは話は終わりだとばかりに指に積尸気の光を灯し、倒れている者達に指を向ける。
「積尸気冥界波!」
「「「「っ!・・・」」」」
そのままデスマスクは躊躇うことなく積尸気冥界波を放ち、魂が肉体から離れた倒れた者達は一度ビクリと反応した後に物言わぬ状態へと変わってしまった。
「んじゃな、あの世で預言によるより良い未来はどんなもんかってのを談義でもしとけよ」
そんな姿に大した感慨も見せずデスマスクはセフィロトへと歩いていく。もう彼らに関わる価値はないといった様子で・・・
・・・そして数時間後、アブソーブゲートのセフィロトの操作盤の前にカノン達は全員集まった。
「・・・すまんな、少し遅れたか?」
「気にするな、そこまで待ってはいない」
先に制御盤の前にいた三人の所に来たカノンは謝りを入れるが、カミュは気にした様子もなく返す。
「・・・他のセフィロトには誰か来たか?ロニール雪山は特に問題はなかったが・・・」
「ザレッホ火山にメジオラ高原にはいなかった。この二つに関しては入口が大分特殊だったために来る事が出来る者もいなかったんだろう」
「その代わり、シュレーの丘にタタル渓谷には何人かいた。あの二つのセフィロトは他のセフィロトと比べても位置として分かりやすく、行きやすい場にあるからな」
「ザオ遺跡にここも似たようなもんだったぜ・・・まぁこの辺りはカミュと似たような理由だろうよ」
「そうか・・・」
カノンは続けてセフィロトに来た者について聞き、その結果に何とも言い難い空気を滲ませる。
「・・・やはり心残りはあるか、この世界に?」
「・・・何年もいた世界だ、それなりにな。それに俺達が片付けてきた者達だけが全てという訳でもないだろう。そう考えると、少しな・・・」
「兄上・・・」
アイオロスがその様子に心残りがあるかと聞き、カノンは少し苦い顔で頷きルークも同じような顔に変わる。オールドラントの行く末に対する不安で。
「・・・ま、また来るかもわかんねぇし来たいと思うかもわかんねぇが来たきゃ来ればいいんじゃねぇか?ここに」
「ここに、だと?あくまでここに来れたのは俺が高めた小宇宙をムウが感じたからで、今も行き来が出来るのはシャカが地球とを繋げているからだろう?」
「ま、話半分に聞いとけよ。それに俺らしくねぇってのは承知で言うが、お前がどうしても気になるってなってここに来ることが出来るってんなら・・・縁があると思うぜ。預言なんか関係無くこの世界にもう一度来るだけの縁がな」
「縁、か・・・確かに縁があってもおかしくはないと思えるな、そう聞くと・・・」
デスマスクがそこに仕方無しに入り縁があるなら来れると言うと、カノンはその言葉が心の中に染み入ったとばかりに拳を握り微笑む。
「・・・では決まりだな。ただその前に最後だ。このアブソーブゲートを破壊するぞ。やるべき事はやり終えねばな」
「そうだな、そうしよう・・・!」
今度はカミュがアブソーブゲートの破壊をしようと切り出すと、カノンは闘志に満ちた目を浮かべパッセージリングに視線を向け小宇宙を燃やす。もう迷うことはないとばかりに・・・
next story is epilogue
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「・・・あ~あ、本当に何をしてんだかこいつら・・・」
その中でデスマスクはザオ遺跡のセフィロトに来ているのだが、本来ダアト式封呪の扉があった場所の前で頭をかいて呆れていた・・・目の前で倒れている、自分を襲った者達を前にして。
「ったく、そこまでして現実から目を背けたいもんかね?いや、預言に詠まれた栄光ある未来こそが唯一の現実だとでも思ってるんだろうが・・・どっちにしたって哀れなもんだな。自分の未来を自分で作ろうと考えれないってんだからよぉ」
そのまま哀れむと言うよりは蔑むような目で見下ろしながら言葉を放つデスマスクに、誰も返す言葉が出てくることがない。全員が全員、相当なダメージを負っている為に。
「・・・ま、これ以上時間を食うと待ち合わせに遅れちまうもんでな。後はあの世で叫ぶんだな。預言を頼りにするのが正しい道なんだってな」
そしてデスマスクは話は終わりだとばかりに指に積尸気の光を灯し、倒れている者達に指を向ける。
「積尸気冥界波!」
「「「「っ!・・・」」」」
そのままデスマスクは躊躇うことなく積尸気冥界波を放ち、魂が肉体から離れた倒れた者達は一度ビクリと反応した後に物言わぬ状態へと変わってしまった。
「んじゃな、あの世で預言によるより良い未来はどんなもんかってのを談義でもしとけよ」
そんな姿に大した感慨も見せずデスマスクはセフィロトへと歩いていく。もう彼らに関わる価値はないといった様子で・・・
・・・そして数時間後、アブソーブゲートのセフィロトの操作盤の前にカノン達は全員集まった。
「・・・すまんな、少し遅れたか?」
「気にするな、そこまで待ってはいない」
先に制御盤の前にいた三人の所に来たカノンは謝りを入れるが、カミュは気にした様子もなく返す。
「・・・他のセフィロトには誰か来たか?ロニール雪山は特に問題はなかったが・・・」
「ザレッホ火山にメジオラ高原にはいなかった。この二つに関しては入口が大分特殊だったために来る事が出来る者もいなかったんだろう」
「その代わり、シュレーの丘にタタル渓谷には何人かいた。あの二つのセフィロトは他のセフィロトと比べても位置として分かりやすく、行きやすい場にあるからな」
「ザオ遺跡にここも似たようなもんだったぜ・・・まぁこの辺りはカミュと似たような理由だろうよ」
「そうか・・・」
カノンは続けてセフィロトに来た者について聞き、その結果に何とも言い難い空気を滲ませる。
「・・・やはり心残りはあるか、この世界に?」
「・・・何年もいた世界だ、それなりにな。それに俺達が片付けてきた者達だけが全てという訳でもないだろう。そう考えると、少しな・・・」
「兄上・・・」
アイオロスがその様子に心残りがあるかと聞き、カノンは少し苦い顔で頷きルークも同じような顔に変わる。オールドラントの行く末に対する不安で。
「・・・ま、また来るかもわかんねぇし来たいと思うかもわかんねぇが来たきゃ来ればいいんじゃねぇか?ここに」
「ここに、だと?あくまでここに来れたのは俺が高めた小宇宙をムウが感じたからで、今も行き来が出来るのはシャカが地球とを繋げているからだろう?」
「ま、話半分に聞いとけよ。それに俺らしくねぇってのは承知で言うが、お前がどうしても気になるってなってここに来ることが出来るってんなら・・・縁があると思うぜ。預言なんか関係無くこの世界にもう一度来るだけの縁がな」
「縁、か・・・確かに縁があってもおかしくはないと思えるな、そう聞くと・・・」
デスマスクがそこに仕方無しに入り縁があるなら来れると言うと、カノンはその言葉が心の中に染み入ったとばかりに拳を握り微笑む。
「・・・では決まりだな。ただその前に最後だ。このアブソーブゲートを破壊するぞ。やるべき事はやり終えねばな」
「そうだな、そうしよう・・・!」
今度はカミュがアブソーブゲートの破壊をしようと切り出すと、カノンは闘志に満ちた目を浮かべパッセージリングに視線を向け小宇宙を燃やす。もう迷うことはないとばかりに・・・
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