世界の確かな歩みが始まる

「・・・と、これで障気はどうにかなったようだが・・・ルーク、大丈夫か?」
「うん・・・ちょっとなんか脱力感が来て、足から力が抜けたくらいだから・・・」
「そうか・・・」
そして再び場は戻ってラジエイトゲートで、カノンは光が納まったのを確認した後に地面に座るルークに確認を取ると、ちょっと疲れたくらいとの言葉にそっと笑顔で返す。
「・・・ではローレライ、ここでお別れだな」
『うむ・・・プラネットストームが停止しても一応は音譜帯には行けるが、少し力の使い方で難儀するからな。まだ第七音素の影響が色濃く残っている内に我は音譜帯へと昇ろう』
「あ・・・鍵からローレライが・・・」
そのままルークの手に握られていた鍵に視線を向けローレライと会話をするカノンだが、ふわりとその手に握られていた鍵から離れていったことにルークはなんとも言いがたそうに声を漏らす。
『おそらくこの世界はもう預言に詠まれた内容のような結末を迎えることはないだろう。お前達がそうしてくれたのだからな・・・だがそうであったとしてもあくまで星は一個の生命体だ。いずれその生命を終える時は来るだろう・・・我はその時が来るまでを見守り続ける。新たな未来がどのような未来になろうともだ。そして鍵ももう役目を終えた・・・この世界に後に争乱を巻き起こさぬ為にもその鍵はそなたが持っていってくれ。ルーク・・・ではさらばだ。この世界を救ってくれた聖闘士達よ』
‘ドオォォォンッ!’
「あっ・・・行ったんだな、ローレライ・・・」
「あぁ、自らの役目を終えたと確信してな・・・」
そして最後の言葉を残しそのまま勢いよく天へと飛び立っていったローレライを見てルークとカノンは言葉を交わす、ローレライはもう地上に戻らないのだと改めて感じながら。
「・・・行くぞ、ルーク。ここの最下層で鍵を使えばプラネットストームを構築していた譜陣を止めることが出来るとローレライは言っていた。早く止めに行くぞ」
「・・・うん、兄上」
少ししんみりとした空気になっていた所でカノンが近付きながら手を差し出し、ルークはその手を取り立ち上がって下の方へと歩き出す。









・・・そしてすぐにカノンとルークの二人は最下層へと辿り着く。
「ここの中心で鍵を使えばいいと言っていたな・・・ルーク、やるんだ」
「うん・・・ローレライは中心で意識を込めればいいって言ってたな・・・」
‘カッ・・・フッ’
「っと・・・譜陣が出てきたけど、すぐに消えてなくなった・・・」
「これでプラネットストームは停止するはずだ・・・念の為にしばらく待つぞ。時間が経てば目に見えた変化が起こるはずだし、止めてすぐにセフィロトを破壊しては何か不備が起こりかねんからな」
「はい、兄上」
そのまますぐにカノンが言った言葉に従いルークは円状になっていた場の中心に立ち鍵を持って集中して目を閉じると、譜陣が足元に現れたのだがすぐに役目を終えたかのよう消えた様子に少し不安げになる。それでカノンは一応の念を取って待つと言い、ルークも反対ではない為にすぐに頷く。
『聞こえるか、三人とも?こちらはローレライが音譜帯に登るのを見届けたと共に、プラネットストームを停止させた。その事を報告すると共に、外からプラネットストームの流れが途絶えたと確認出来たならすぐに報告してくれ。すぐにセフィロトの破壊に移る』
『了解だ、すぐに報告しよう』
『了解』
『こちらも了解した』
カノンはその合間に三人に連絡を取り報告と共に連絡を願い、三人はすぐに了承と返事を返す。








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