世界の確かな歩みが始まる

『シャカ、二人に繋いでくれ』
『うむ、カノンを含めてもうやっている。存分に語りかけたまえ』
そのままシャカに通信で呼び掛ければ問題ないとすぐに返事が返ってくる。
『どうだ、二人とも?そちらの様子は?』
『こちらは問題ない、特に騒ぎもなかった』
『こっちも問題ねぇぜ』
『そうか・・・ではカノン、頼むぞ』
『あぁ、こちらが片付けばすぐに障気の中和に入ろう』
『は?片付けばってことは、もしかして誰か来たってのか?』
『・・・あまりそうであって欲しくないと思っていたがな』
アイオロスがそのまま二人に話しかけるように問い掛け何もないと返してきた事に今度はカノンに問いを向けると、意味深な声にデスマスクが誰か来た事を察すると暗い声を上げる。
『あまり数は多くはないが、明確にプラネットストームを止めさせないと言いながら襲い掛かってきた。おそらく人々の様子を見て慌てて集まるだけ集まり、こちらに来たのだろう』
『そうか・・・』
『・・・とりあえず少ししたら障気の消滅及び、プラネットストームの停止をすると伝えてくれ三人とも。後、どこかのセフィロトに行ったなら誰かがいる可能性についても考慮しておいてくれ』
『了解した・・・では我々はその旨を伝えることとしよう』
『あぁ、では・・・アブソーブゲートで』
それで経緯を話した上で詳しく話をする事を避けるかのようサッと通信を切るカノンに、カミュが同調してアイオロスがまとめるよう会話を切る・・・一同がオールドラントで最後に集まる場所はアブソーブゲート。プラネットストームが帰結する場で締めようと決めていた為に。
「・・・お待たせしました。しばし待っていただければ、障気の消滅とプラネットストームの停止が済むとの声が届きました。ですので少しの時間、お待ちください」
‘‘‘‘・・・’’’’
アイオロスはそこでゆっくり目を開き待つことを願う声を上げ、人々は沈黙する。その瞬間が来ることを待つために。









「・・・終わったな」
「ぐ・・・が・・・」
・・・所変わり、ラジエイトゲートのある大地に接地している船の前。そこに倒れた人の山の上に無造作に人を投げるカノンの姿があった。
カノンは淡々とその人山を見下ろすが、今投げられた人は腹を押さえながら息も絶え絶えに苦悶の表情を浮かべているというあまりにも対照的な姿だった。
「・・・恨むのなら恨んでくれても構わん。これからの世界にお前達のような考えに行動を取れるような者は危険だからな。危険は排除させてもらう・・・では、さらばだ」
‘ドン!’
「「「「・・・」」」」
そんな姿にカノンはゆっくりと手を上げながら口上を述べていき、別れを口にした瞬間異次元空間が上げた手から広がるよう人の山と船を包み・・・叫び声を上げさせることもなく異次元空間を閉じた、初めからその場には何もなかったかのような形で。
「・・・終わったの、兄上?」
「あぁ、終わった。少なくともここに来たプラネットストームの継続を求める者達の処置はな」
「・・・話には聞いてたけど、ここまでする必要があったのかって思うな・・・あの人達が危険だって言うのは承知はしてるけどさ・・・」
『いや、カノンがこうしたのは間違ってはいない・・・今カノンが異次元に飛ばしたのはこの世界の行く末についてを聞いて障気の事を身を持って体感した上で、そんなこと知ったことではないと断じた。言ってしまえばその心根は都合のいい預言以外を信じようとしないモースのような人物達ばかりだった・・・あぁすることが最善だったのだ。下手に生かしておいたり逃がすような事があれば後の禍根になりかねなかっただろうからな』
「そうか・・・」
そこに奥の方からルークが現れ苦い表情を浮かべる姿にローレライが仕方無いことと口にし、複雑そうに噛み締める。現状ではそうするしかないとの見方をせざるを得ないと。









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