世界の確かな歩みが始まる

‘ズゥンッ’
「っ・・・と、ようやく外殻大地が魔界に降下しきったか?」
『あぁ、間違いない。この揺れはな・・・そして外に出れば障気溢れる空間になっているだろう』
「そうか・・・なら早速私達も各地に向かおう。この世界の行く末を決めるのは三日後とは言え早目に向かうに限る」
「そうだな・・・では俺達はもう出発する。連絡はすぐにシャカから行くとは思うが、その時はすぐにプラネットストームを」
「分かっている、後は頼むぞ」
「あぁ、じゃあ行こう」
それで外殻大地から唐突に小規模に揺れて安定する感覚を受けたことにデスマスクが反応し、順々に会話をしていきアイオロスの言葉を最後にし三人は外へと向かい出す。
「・・・さて、この三日の間だがこちらに人が来ることはまずないだろうことから実戦的な訓練をする。遠慮なくかかってこい」
「はい、兄上!」
そして二人きりになった所で視線を鋭く甘さを無くして声をかけるカノンに、ルークも気合いを込めて構えながら返す・・・これから三日間、カノンに攻撃を当てることも出来ずボコボコにされることを知らないままに・・・


















・・・そして場は変わり、ダアトに向かったアイオロスは再びイオンとアニスの二人と顔を合わせていた。



「・・・こうやって窓の外を眺めていると、本当に魔界に外殻大地は降りてしまったんですね・・・」
「降りてそう時間は経っていませんが、ダアトの様子はいかがですか?」
「今のところはそう大きな問題は起きてはいませんよね、アニス?」
「はい、街の様子を見てきたんですが街の人達はざわざわと話をしていたくらいで特に騒ぎにまでなってませんでした。むしろ障気の中にいるってことを自覚して早くプラネットストームを止めた方がいいんじゃないかって声まで出てきてるくらいです」
「そうですか・・・やはり障気の事が身近になったからなんでしょうね。まだ被害が目に見える形で出ていない事もあって、先伸ばしにしてもこうなったら怖いという気持ちもあるんでしょうし・・・」
「おそらくそうだと思われます」
導師の私室にて障気が濃く色に現れている窓の外を眺めながら三人は会話を交わす、今のダアトの人々の状況についてを。
「ただ・・・今この状況だからこそ思うんですが、人々が預言に関係無くこうやって目の前の危機に対して向かい合う事こそが本来は正しい世界の在り方なんですね・・・」
「はい、そうです。ただ本来の預言に詠まれた中身はこの星の最期とも言える中身・・・本当でしたら預言の中身を発表した時点で人々に正しく理解してもらい、プラネットストームも外殻大地も停止して預言の中身に沿わない未来をユリアもローレライも望んでいた。今に至るまでに出た犠牲・・・それらも出ないようにと願われる形で」
「・・・そう思うと、これからの時代の為にも僕達がそんな世界にするために動かないといけないんですね・・・」
「導師ならやれます・・・私はそう信じています」
「・・・フフ・・・ありがとうございます、アイオロスさん」
そこでふと表情を重くして預言についてを改めて掘り返すイオンにアイオロスは答えていくのだが、未来を不安に思うその様子に笑顔を見せて自信を持つよう言うと次第に安心を得たような笑顔に変わったイオンに礼を言われた。未来の為に動く、そう強い決意を伴わせた笑顔で。


















・・・アイオロス達の間でだけこのような会話が行われたが、デスマスクとカミュ達も各々の目的地に着いた後は三日の間をゆっくりと過ごした。
そして三日が経ち、オールドラントに生きる全住民が選択を強いられる場が各地で設けられた。










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