世界の確かな歩みが始まる

「ですがだからこそ皆様には選択をしていただかなくてはなりません・・・今言いましたよう、外殻大地が長く持たない以上は魔界に再び土地を降ろさない事にはどうしようもありません。そして障気をどうにかするにしてもプラネットストームを停止させなければ、再び障気は復活しかねません・・・ただそれでも今言った事を信じられず、預言やプラネットストームを失う事を拒否する人がいる可能性もあります」
‘‘‘‘っ・・・’’’’
更に選択と言いつつも確信に触れずに嫌がる人物の事をアイオロスが上げると、人々は周囲と顔を見合わせながらザワザワとしだす。そんな人物がいるのか、と言った感じに。
「・・・そのような方々に動かれてしまわれたなら、このような言い方は失礼になるかとは思いますがこれよりの世界の行く末を悪い意味で大きく左右しかねません。それも先にローレライより詠まれた第七譜石の預言とはまた違う、世界が滅びかねない程の戦争を起こす引き金を引く形で」
‘‘‘‘っ!’’’’
「ですので我々は導師を始めとした各国の首脳の方々と話し合った上で、機会を設けることにしました・・・外殻大地を魔界に降ろした後もう一度このような場を設置し、皆様方にプラネットストームを止めるか否か・・・その選択を求める機会を」
‘‘‘‘!?’’’’
・・・アイオロスから二重の衝撃が人々を襲った。
構わずといったように戦争になり得る可能性を提示された上で選択の場をと言うアイオロスに、人々は何故といったよう今までの中で一番に騒ぎ出す。
「・・・皆様が騒がれる理由も分かります。何故こんな重大なことを自分達に意見を求めるのか、と。ですが今言ったようにデメリットがあっても構わない、もしくはそんな話など信じない・・・今はこのような場の為に皆様からの反対といった声も考えも出てこないかもしれませんが、冷静になった時にそのような方が出ないとも限りません。その上で申し上げますが、もしプラネットストームを止めて二度と音素に頼らないと決定したならローレライは音譜帯に昇ると共に、二度とプラネットストームに外殻大地を稼働させないために各セフィロトを破壊します」
‘‘‘‘!’’’’
そんな騒ぎにアイオロスは制止をかけるのだがそれでもまた続いた宣言に、また人々は驚愕した。
「この事に関してはローレライが音譜帯に昇ると共に、我々から力を取り除くからこその処置です。ラジエイトゲートなどを始めとした各セフィロトの操作に関しては専門知識が無ければ出来ませんが、言い換えれば専門知識があれば再び再稼働出来ないこともないということです・・・ただしそうなった時にローレライが音譜帯に登った後では、もう地上に戻ることは出来ません。ローレライ自身の話によれば他の音素の同位体が地上に現れない理由は音譜帯の一部になっているからであり、そういった役目を負うことになるから・・・との事だが、そうだなローレライ?」
『そうだ。本来なら我もその役割を担わなければならなかったのだが、地核に二千年近く・・・こうやってようやく地上に出ることが出来たからこそ預言のようにしないためにもと協力しているが、我がこれ以上不必要に地上に介入することは望ましい事ではないと考えている。音譜帯で役目を果たす事もあるが、我がいるならいつでも障気は消せる・・・そういった保険の為に都合よく利用されるつもりもないし、そういったことを繰り返せば我自身力を使いすぎて消滅するとの事にもなりかねないからな』
‘‘‘‘っ・・・!’’’’
何度目になるかわからない程の追加の説明をするアイオロスだが話を振られたローレライが真剣でいて自身の死すら有り得ると漏らしたことに、人々はたまらず息を止めた。自分達の都合を繰り返せばローレライが死ぬ・・・そういった衝撃の推測に。








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