世界の確かな歩みが始まる
『・・・このオールドラントにいたかつての神は、神を望む者達により産み出された神なのだ』
「神を望む者?」
『そう、それが概念だけの神といった理由になる・・・かつてプラネットストームが建造されるまではオールドラントには目立った神というか、信仰の対象となる神の存在の名前は多数上がりはしても誰が一番有名だとかと言った風に定着することはなかった・・・共通してあったのは、ただ神という存在を求める気持ちだ。救いであったり神を利用しようとしたりなどと様々あるが、その存在を求める形でな』
「・・・そしてそれがいつしか神という存在を形成し、力ないながらも確かに神という存在になったという訳か」
『そうだ・・・神がいかな形で生まれるのかは我も良くは分からぬし、アテナのような神の形もあるのだろう。だが確実な事はそのような形で神は生まれたということなのだが、ユリアが預言を詠んだ事から信仰の対象は名もなき神にではなく、ユリアに我へと移り変わってしまったのだ・・・不特定ながらも集まっていた信仰が一気に失われていったことにより、信仰によって成り立っていた存在までもを消し去る程にな』
「!!・・・じゃあ神が死んだのは、人が殺したような物なのか・・・!?」
『ある意味そうだとも言えるが、神という存在を生んだのもまた人でもある・・・人に依って生まれて死ぬようなモノが例え概念のみとは言え神と呼べるのか、今でも我には分からんのだ・・・その答えがな・・・』
「「「「・・・」」」」
・・・神という存在に対し、今に至るまで様々考えてきたのだろう。自分自身が神のようなモノと見られるような存在になり、その神がいなくなってしまったと苦悩し続ける程に長い時間を。
ローレライはオールドラントの神についてを詳しく話していくのだが、ルークの衝撃を受けたような声に様々な想いが滲んでしまいカノン達もつられて沈黙する。当人にしか分からない感情を否定出来ない為に。
『・・・済まぬな、少し話が重くなってしまった』
「あ、いや・・・それは俺が質問したからでローレライは悪くねぇよ・・・」
『いや、少し我自身感傷的になっていたことは否定出来ん・・・話を戻そう』
ローレライもすぐにその空気に気付き謝りの言葉を入れルークも気まずそうに返すが、気にする必要はないといったように言いつつ話を進める。
『パッセージリングに関しては改めて言うが問題はない。元々人が造り出した物故、絶対の強度を誇る訳ではない。だから十分にカノン達で壊すことは可能だ・・・そしてそうやってパッセージリングの破壊を終えた後、我は音譜帯に昇るという訳だ』
「・・・そしてローレライの後に俺達もカノン、そしてルークと共にこの世界を後にすることになる」
「っ・・・とうとうその時が来るって事か・・・」
そのまま以降の流れを話していくローレライにアイオロスも自身らも帰ることを口にし、名前を呼ばれたルークはそっと息を呑む。いよいよクライマックスに来ているという事実を前にして。
「とは言えミロ達が役目を終えて戻ってくるまでは俺達は待機だ。まだ時間が準備に必要な事にはかわりないんだからな」
「あっ・・・うん、兄上・・・」
しかしカノンからの注意にすぐにルークは考えを直す、まだ終わりではないと。
・・・さて、そんなカノン達がゆっくりする一方でミロ達はキムラスカ領内にあるシェリダンという街に来ていた。
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「神を望む者?」
『そう、それが概念だけの神といった理由になる・・・かつてプラネットストームが建造されるまではオールドラントには目立った神というか、信仰の対象となる神の存在の名前は多数上がりはしても誰が一番有名だとかと言った風に定着することはなかった・・・共通してあったのは、ただ神という存在を求める気持ちだ。救いであったり神を利用しようとしたりなどと様々あるが、その存在を求める形でな』
「・・・そしてそれがいつしか神という存在を形成し、力ないながらも確かに神という存在になったという訳か」
『そうだ・・・神がいかな形で生まれるのかは我も良くは分からぬし、アテナのような神の形もあるのだろう。だが確実な事はそのような形で神は生まれたということなのだが、ユリアが預言を詠んだ事から信仰の対象は名もなき神にではなく、ユリアに我へと移り変わってしまったのだ・・・不特定ながらも集まっていた信仰が一気に失われていったことにより、信仰によって成り立っていた存在までもを消し去る程にな』
「!!・・・じゃあ神が死んだのは、人が殺したような物なのか・・・!?」
『ある意味そうだとも言えるが、神という存在を生んだのもまた人でもある・・・人に依って生まれて死ぬようなモノが例え概念のみとは言え神と呼べるのか、今でも我には分からんのだ・・・その答えがな・・・』
「「「「・・・」」」」
・・・神という存在に対し、今に至るまで様々考えてきたのだろう。自分自身が神のようなモノと見られるような存在になり、その神がいなくなってしまったと苦悩し続ける程に長い時間を。
ローレライはオールドラントの神についてを詳しく話していくのだが、ルークの衝撃を受けたような声に様々な想いが滲んでしまいカノン達もつられて沈黙する。当人にしか分からない感情を否定出来ない為に。
『・・・済まぬな、少し話が重くなってしまった』
「あ、いや・・・それは俺が質問したからでローレライは悪くねぇよ・・・」
『いや、少し我自身感傷的になっていたことは否定出来ん・・・話を戻そう』
ローレライもすぐにその空気に気付き謝りの言葉を入れルークも気まずそうに返すが、気にする必要はないといったように言いつつ話を進める。
『パッセージリングに関しては改めて言うが問題はない。元々人が造り出した物故、絶対の強度を誇る訳ではない。だから十分にカノン達で壊すことは可能だ・・・そしてそうやってパッセージリングの破壊を終えた後、我は音譜帯に昇るという訳だ』
「・・・そしてローレライの後に俺達もカノン、そしてルークと共にこの世界を後にすることになる」
「っ・・・とうとうその時が来るって事か・・・」
そのまま以降の流れを話していくローレライにアイオロスも自身らも帰ることを口にし、名前を呼ばれたルークはそっと息を呑む。いよいよクライマックスに来ているという事実を前にして。
「とは言えミロ達が役目を終えて戻ってくるまでは俺達は待機だ。まだ時間が準備に必要な事にはかわりないんだからな」
「あっ・・・うん、兄上・・・」
しかしカノンからの注意にすぐにルークは考えを直す、まだ終わりではないと。
・・・さて、そんなカノン達がゆっくりする一方でミロ達はキムラスカ領内にあるシェリダンという街に来ていた。
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