世界は聖闘士達の手によって変わり出す

「・・・ではカノンさん、貴方はどのように事を進めようというんですか?まだそれらについては詳しくお聞きしていないのですが・・・」
「そうでしたね・・・では話の続きにまいります」
そこにイオンが先に話された中身より未来についてを聞いてきた為、カノンも空気と顔を真剣な物へと引き締め直す。
「話としてはアクゼリュスが降下した後の対応にまで行きましたが、そこから先の事として避けられぬ事態が一つあります・・・それは他の外殻大地も魔界に降下させたなら、少なからず障気を受けねばならぬということです」
「なにっ・・・それはどういうことだ、カノン・・・!?」
「障気をどうにかするには超振動の力が必要だとはお話しましたが、現状ではタイミングを誤れば障気を中和してもまた復活する可能性もあります。障気が生まれる理由はプラネットストームが動くことにありますから、プラネットストームを止める時と障気を中和する時間に差があればそれだけ障気が復活する可能性が高まってしまいます。ですが少なくとも外殻大地を降下させるまではプラネットストームを停止させる訳にはいきません。そうしてしまえば外殻大地は全て魔界へと墜落する事になるでしょう」
「っ・・・成程・・・後々の安全の事を考えれば、障気を受ける時間は少なからず必要になるということか・・・」
そこから障気の中和のタイミングについてを切り出すと公爵が慌てて訳を聞いてくるが、カノンからの段階の説明を受け納得をする。そうせざるを得ないと感じて。
「はっ。それにアフロディーテの言葉によれば障気の効果は即効性のあるものではないとのことでしたので、一日二日程度なら人々に甚大な影響を及ぼすような問題はないかと思われますが・・・ローレライ、障気を超振動で中和とは言ったがそれが成功したならどれくらいで障気が完全に無くなる物なんだ?予想でも構わない、答えてくれ」
『それについては問題はない。障気の中和が成功したなら一気に障気は大気から消え、その瞬間から人が住んでもなんら問題もない状態になる。世界中どこに行ってもタイムラグなどなくな』
「ふむ・・・そう聞けただけでもありがたいな」
更に障気の特性について説明する中でローレライに中和のシミュレーションを願うと、すぐに障気が無くなると聞き周囲の人間の気配も同意するかのようホッとしたような声を上げる。
「・・・とのことです。障気の中和に関しては外殻大地の降下が済めば多少の時間を過ごしてもらうことを人々に伝えれば騒ぎにはなりにくいでしょう。その上でプラネットストームを停止させて再び動くことがないようにすれば、もう障気は復活することはなくなります。ただ今まで存在していたプラネットストームによる恩恵・・・特に預言が詠めなくなる事についての不平不満とその対策に関しましては、我々は関与するような事ではありません・・・そこから先は皆様方が行われる事になります。以降は我々も元にいた場所に戻ることになりますので」
「うむ・・・流石にこれからもずっとそなた達に頼るというのはみっともないからな」
「それに帰ると言っている奴を無理に引き止める訳にもな・・・」
「・・・それでは皆さんとは外殻大地の降下を終えた後にお別れになるんですね・・・」
「・・・そういうことになります」
それですぐに気を取り直して話を続けるが、以降の事と言われ各々の代表者がカノン達に複雑そうな目を向け当人は表情を変えずに頷く・・・いよいよ別れが近付いてきたということを改めて互いに自覚して。








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