世界は聖闘士達の手によって変わり出す

「・・・それらを踏まえて少し話を戻させていただくなら、アクゼリュスを魔界に降ろしてからしばらくは猶予はあるでしょう。ですので慌てて事を進める必要はないでしょうが、だからこそ慎重に事を進めるべきでもあります。人々に事実を受け入れていただくために」
「うむ・・・確かにそうだ」
カノンはその空気から改めて慎重に事態を解決すべきと言葉を発し、インゴベルトも毅然と表情を整え頷く。
「取るべき行動としては先程に申し上げた対応の続きになりますが、魔界に外殻大地についてはよろしいでしょう・・・ここからが問題となります」
「あぁ・・・第七譜石に詠まれた預言に他の外殻大地の降下にプラネットストームの停止と、様々あるがどうするべきだと思っている?」
「その前に・・・ローレライ、貴方にも協力していただきたいことがある。それらを為すためにも」
『・・・我の存在が必要というのか?』
「あぁ・・・特に第七譜石に詠まれた預言に関しては特にな」
その上でこれからが重要というカノンにピオニーが先を促すが、ローレライに話を振った事で一同の視線が集中する。
「預言が詠まれてから今に至るまで、第七譜石の存在は日の目を見ることはなかった。ただその第七譜石がホドにあったことに関しては謡将から判明はしたが、肝心の現物は持っていないということも分かっている」
『・・・それで、我に何を求めているのだ?第七譜石を改めて作る事か?』
「それが出来るのはありがたい・・・が、私が求めているものはまた別にある。それは貴方に大衆の前に出てもらい、預言の中身と預言が本来どういった狙いがあって詠まれたのかということを明かしてもらいたいのだ」
『何・・・?』
そこから第七譜石の事についてを話すカノンにローレライは欲しいのかと問うが、予想していなかった返答に怪訝な声を上げる。
「どういうことかと聞きたいようだが、私から見て第七譜石の中身をそのまま明かしたとて人々に素直に受け入れられる可能性は低いと見ている。例えこの場にいる誰が何を言っても、その中身から預言がそんな未来を指すものかと言われてな」
『っ・・・そうだろうな・・・事実、誰も信じてはくれなかった・・・』
「悲嘆にくれないでくれ、ローレライ。それは昔の環境が許さなかったし、信じなかった人がいたからだろう・・・だが今は環境が違うし、人々に事実を信じてもらうために動くのだ」
『っ・・・そうか、そうだな・・・』
その返答に事実を拒否されると予想するカノンにローレライは苦い声を漏らすが、まっすぐ自身を見据えて力強く声をかけてくる姿に気を持ち直す。
「・・・では話を戻すが、今の状況で外殻大地に障気についてを知ったなら人々も様々な事を思うだろう。その中には少なからずこの星の未来についてを不安に思う者もいるはず・・・そこでローレライ、貴方が現れて事実を告げればただ預言の中身を告げるより遥かに効果的になる」
『むぅ・・・言いたいことは分かるが、どのように明かすと言うのだ?まだ我の存在は人々に明らかになってはいないが・・・』
「それらについてはこれからの話の進みかたで変わってくるが、まずは私達を信じてくれローレライ・・・この世界を変えるという目的に嘘偽りはない」
『そこについては問題ない。そなた達なら信じるに値すると我も信じている・・・故に余程の問題でなければ我はそなた達の案に従おう』
「そう言っていただけたことに感謝する」
それでまた続けて話をしていく中で疑問が返ってきた事に信用してほしいと投げ掛けると、ローレライが無論だとばかりに返したことに礼と共にカノンは微笑を浮かべた。









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