世界は聖闘士達の手によって変わり出す

「私の見立てではそうだと思いますよ。リングの耐性を踏まえた結果としましてはね」
「っ・・・じゃあアクゼリュスは何もしなくとも魔界に堕ちると言うのか・・・?」
「何も対策を取らなければ確実にそうなるでしょうね。そしてパッセージリングは今すぐ落ちることはなくとも、時が経てば経つほどに限界が近づくでしょう。早ければ三ヶ月、遅く見ても精々二年も持てば上等と言えると思いますが・・・時間が経てば経つほどに障気は外殻大地上に上がってくるでしょうし、他のリングにも相当の負荷がかかります。もし外殻大地を保全したいと言うのであれば、まずは他のパッセージリングの事を考えてアクゼリュスを切り外さなければならないのは最重要事項となるでしょうね」
「・・・そこまでアクゼリュスはヤバいということか・・・」
ピオニーの視線と問いにディストは丁寧に答えていくのだが、アクゼリュスがどうあがいても危険だと有無を言わない形で知らされ苦い顔で視線を背ける。
「そう理解していただいたのはよろしいのですが、貴殿方は知っているのですか?パッセージリングの操作方法を?それを知っていなければどうにもなりませんが・・・」
「そうだな・・・話を進めるためにもこの場に出てきてくれ、ローレライ?」
『承知した』
「ローレライ?貴方、何をっ・・・!?・・・まさか、貴方がローレライだと言うのですか・・・!?」
『あぁ、そうだ』
「・・・っ!」
そこでディストは伺うようカノンに操作方法についてを聞くのだが、唐突にローレライを呼び出す声とルークの持つ鍵から現れたローレライに目を眩ませた後に確認を取って周りにいるヴァン共々目を疑う。いきなり伝説の存在が現れた事に。
「詳しい話はここでは省かせてもらうが、俺達はローレライと出会うことになった。そこでパッセージリングの操作方法についても知るところになった・・・ダアト式譜術を使える者にユリアの血族がいれば操作が出来るようになるとの事だが、間違いはないか?」
「え、えぇ・・・確かにそうと言えばそうですが、まさかそのようなことになるとは・・・」
「そちらとしては初めて聞くことで混乱しているだろうが、この会談はそのローレライの情報から外殻大地や障気に第七音素についてをどうするのかとの話し合いをするための物だ。現にこの場にいる方々はそれらを承知の上でこちらに来られたのだ」
「・・・成程、そう言うことでしたか・・・」
そのままカノンはその時の経緯とこの会談の意味についてを告げ、ディストも多少驚きを残しながらも納得する。
「・・・ではここに我々が通された理由は、我々にも何かをさせるためということか?」
「・・・貴殿方に同席してもらったのはあくまで事実確認の為で、謡将が思われてるユリア式封呪の解除の為ではありません」
「何?だとすればその役目は誰が請け負うと言うのだ?」
「貴方の妹がその役目を引き受けてくださいました。心配はご無用です」
「・・・そうか」
そこに今度はヴァンがカノンに質問をするのだが、意外そうな表情からティアに役割を任せるとの返事に納得の声を上げる。だがカノンはわずかに上がったように見えた口元を見て、眉をしかめる。
「謡将、貴方は何を・・・」
「その男は自分以外がパッセージリングを操作出来ぬことを隠しているのだ、カノン!」
「っ・・・一輝、お前が何故ここに・・・と言いたかったが、それを言うためのようだな・・・」
訳を聞こうとしたカノンだったが、唐突に部屋の扉を開けて指を突き付けながら事実を告げてきた一輝の姿に驚きつつも納得した。尚、他の面々はいきなり現れた一輝に面食らったような表情を浮かべて一輝を見ている。









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