まとまりを見せる全体、反感を浮かべる個
「そうなれば流れとしてはルークもキムラスカとの別れは確実になるとは思うが・・・改めて聞くが、いいのか?もうバチカル、いやキムラスカに戻れないとなっても」
「・・・戻れないっつーか、戻らない方がいいのは今までの事から分かるからな・・・今更戻るなんて言ったって、アッシュやナタリアが邪魔だって言うのは目に見えてるし・・・それにアッシュと二人でいたいかって言われる前から決めてたから別に後悔はねーよ。キムラスカに戻れない事にはさ」
「・・・そうか」
その中でカミュはルークに改めてキムラスカへの心残りについて聞くのだが、考えを確かに述べつつも迷う様子の見えない答えに満足そうに微笑む。
「ま、心配すんな。お前にはカノンが付いてっから環境に慣れさえすりゃどうにでもなるだろ」
「そうだ、それに俺達もいる。遠慮なく頼ってくれ、その方が俺達としても嬉しい」
「デスマスク・・・アイオロス・・・それにカミュもありがとう、三人とも・・・」
デスマスクとアイオロスもそんな様子を見てニュアンスの違う笑みを見せながら言葉をかく、ルークは恥ずかしそうにしながらも礼を言った。その自分を思ってくれる事がすぐに分かる優しさを理解しながら・・・
・・・聖闘士組が各々の時間を過ごした。そしてキムラスカとマルクト、両側の船は一路ダアトへと向かい出港した。
「・・・む、この小宇宙は・・・」
「まずはカノン達がこちらに来るのう。となればそう時間もかからずマルクト側も来そうじゃな」
「えぇ。ではアイオリア、導師の元に報告に行ってきてください。そろそろ到着すると」
「はっ」
・・・ダアトの港にて、聖衣を外したアイオリアと童虎の二人を共に待っていたアテナ。
二人の声を受けアテナは指示を出し、アイオリアは一応周りの目を気にして目に見える程度に速度を抑え走り去っていく。
・・・そして一時間もしない内に、キムラスカの船がダアトの港へとその身を着けた。
「・・・お待ちしていました、陛下」
「うむ、わざわざ出迎えてもらってすまない」
船から降りてきたインゴベルト達を前に、両隣にアニスとアテナで後ろにアイオリアと童虎とトリトハイムに幾人かの兵士を着けたイオンが挨拶を交わす。と、イオンはインゴベルトの後ろの方に視線を向けると複雑そうに表情を歪めかける。
「・・・モースも連れてきたのですか?」
「うむ・・・そろそろ戻した方がいいのではと打診されたのでな・・・」
「そうですか・・・話には聞いていましたが、相当に弱っていますね・・・」
その視線の先にいたのは両側に兵士をつけ肩を支えられながら歩く虚ろな表情のモースで、インゴベルトの少し気まずそうな答えにまたイオンも複雑さを表情に一層刻み込む。
「・・・と、とりあえず大詠師はこちらで引き受けますので皆様は大聖堂に向かわれてください。まだマルクトの方々は到着していませんので、そちらでお待ちを・・・先導の兵に案内させますので」
「うむ・・・ではカノン達は好きにしてもよい。我々は先に向かう」
「はっ、そうさせていただきます」
「うむ、ではな」
場の空気にトリトハイムが気まずげながらも前に出て話を進め、インゴベルトはカノンと会話を交わした後に公爵に幾人かの兵と共に先導の兵に付いていく。その中でモースの身柄は体を支えていた兵士により、残った神託の盾兵士に身を預けられその兵士二人も後に付いていく。
「・・・ご苦労様でした、三人とも」
「いえ、気になさらないでくださいアテナ」
それで場に残ったカノン達に微笑を浮かべ労いの言葉をかけるが、カノンを筆頭に三人とも膝だちになり首を横に振る・・・一点の迷いなく動くその様子は、まさしく忠誠を誓う騎士のような姿であった。
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「・・・戻れないっつーか、戻らない方がいいのは今までの事から分かるからな・・・今更戻るなんて言ったって、アッシュやナタリアが邪魔だって言うのは目に見えてるし・・・それにアッシュと二人でいたいかって言われる前から決めてたから別に後悔はねーよ。キムラスカに戻れない事にはさ」
「・・・そうか」
その中でカミュはルークに改めてキムラスカへの心残りについて聞くのだが、考えを確かに述べつつも迷う様子の見えない答えに満足そうに微笑む。
「ま、心配すんな。お前にはカノンが付いてっから環境に慣れさえすりゃどうにでもなるだろ」
「そうだ、それに俺達もいる。遠慮なく頼ってくれ、その方が俺達としても嬉しい」
「デスマスク・・・アイオロス・・・それにカミュもありがとう、三人とも・・・」
デスマスクとアイオロスもそんな様子を見てニュアンスの違う笑みを見せながら言葉をかく、ルークは恥ずかしそうにしながらも礼を言った。その自分を思ってくれる事がすぐに分かる優しさを理解しながら・・・
・・・聖闘士組が各々の時間を過ごした。そしてキムラスカとマルクト、両側の船は一路ダアトへと向かい出港した。
「・・・む、この小宇宙は・・・」
「まずはカノン達がこちらに来るのう。となればそう時間もかからずマルクト側も来そうじゃな」
「えぇ。ではアイオリア、導師の元に報告に行ってきてください。そろそろ到着すると」
「はっ」
・・・ダアトの港にて、聖衣を外したアイオリアと童虎の二人を共に待っていたアテナ。
二人の声を受けアテナは指示を出し、アイオリアは一応周りの目を気にして目に見える程度に速度を抑え走り去っていく。
・・・そして一時間もしない内に、キムラスカの船がダアトの港へとその身を着けた。
「・・・お待ちしていました、陛下」
「うむ、わざわざ出迎えてもらってすまない」
船から降りてきたインゴベルト達を前に、両隣にアニスとアテナで後ろにアイオリアと童虎とトリトハイムに幾人かの兵士を着けたイオンが挨拶を交わす。と、イオンはインゴベルトの後ろの方に視線を向けると複雑そうに表情を歪めかける。
「・・・モースも連れてきたのですか?」
「うむ・・・そろそろ戻した方がいいのではと打診されたのでな・・・」
「そうですか・・・話には聞いていましたが、相当に弱っていますね・・・」
その視線の先にいたのは両側に兵士をつけ肩を支えられながら歩く虚ろな表情のモースで、インゴベルトの少し気まずそうな答えにまたイオンも複雑さを表情に一層刻み込む。
「・・・と、とりあえず大詠師はこちらで引き受けますので皆様は大聖堂に向かわれてください。まだマルクトの方々は到着していませんので、そちらでお待ちを・・・先導の兵に案内させますので」
「うむ・・・ではカノン達は好きにしてもよい。我々は先に向かう」
「はっ、そうさせていただきます」
「うむ、ではな」
場の空気にトリトハイムが気まずげながらも前に出て話を進め、インゴベルトはカノンと会話を交わした後に公爵に幾人かの兵と共に先導の兵に付いていく。その中でモースの身柄は体を支えていた兵士により、残った神託の盾兵士に身を預けられその兵士二人も後に付いていく。
「・・・ご苦労様でした、三人とも」
「いえ、気になさらないでくださいアテナ」
それで場に残ったカノン達に微笑を浮かべ労いの言葉をかけるが、カノンを筆頭に三人とも膝だちになり首を横に振る・・・一点の迷いなく動くその様子は、まさしく忠誠を誓う騎士のような姿であった。
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