「クリムゾン・・・」
「すみません、陛下・・・ですが今となっては考えざるを得なかったのです。もし今の屋敷にいるアッシュではなく、ルークがいたならこうまで我々が思い悩む事はナタリア様以外にはなかったのではないかと・・・」
「・・・そこを言われると痛いな・・・」
インゴベルトもその様子について名を呼ぶが、その訳を弱った声で返す姿に人の事は言えぬと視線を下に向ける・・・今も尚、いや今だからこそ子どもの教育に向き合わねばならない状況に陥っていることを互いに自覚していると感じ。
「・・・お二方の苦心は分かりました。ですが今更ルークがファブレに戻るとなれば多大な問題が発生するでしょう。それこそ今名前が出ましたお二方が筆頭となる形で」
「っ・・・間違いなくそうなるだろうな・・・」
カノンはそんな二人にルークを戻すことの不利についてを釘を刺し、公爵も分かっていると力なく首を力なく横に振る・・・アッシュとナタリアがルークをキムラスカが受け入れるとなっても、二人はどうあっても拒否をするだろうということを。
「・・・とにかく、ダアトに向かう船にはお前達も乗せよう。それで明日になったら港に来てくれ、お前達も船に乗れるよう言っておく。今日はもう下がっていい」
「はっ、失礼します」
インゴベルトはそんな空気を終わらせようとその後の流れを口にして退出するように言い、カノン達は頭を下げた後に部屋を退出していく。



『・・・これでルークの事を諦めると思うかい？』
『後は少し押し込めば、というところだろう。そしてそれが出来るのはルーク自身で、その機会ももうすぐ訪れる・・・』
『・・・ダアトで会う時、か』
それで城を出て宿に戻る道の中でアフロディーテからの通信にカノンは答え、ミロも察する。ダアトでキムラスカとルークとの縁切りの決着が着くと。


















・・・そんな一方、当のルークのいるグランコクマに場は移る。



「・・・ダアトでの会談についてはこのようになります。ついては皆様にも来ていただきたいとの事ですが・・・付いてきていただけますか？」
「無論です」
あてがわれた部屋の中、フリングスからの話と確認にアイオロスは笑顔で頷き返す。
「後、陛下から個人的にだそうですが・・・カーティス大佐はもうそちらには付けないし、会談にも連れていかないとの事です」
「・・・そうですか。分かりました、ありがとうございます」
「いえ・・・では私はこれで」
その後フリングスが少し表情を暗くしジェイドの事を告げ、アイオロスの礼を受けて部屋を出ていく。
「・・・あんなことを言い出したってことは、少なくともあの眼鏡になんか処置を施したってのは間違いねぇようだな」
「そうだろうな。でなければわざわざフリングス少将を介してとは言えそういったことを報告はしないはずだ」
それでルーク達のみになった場でデスマスクが口元を歪めながらジェイドの事を口にし、カミュもまた真顔でだろうと返す。
「ま、どっちにせよもうあの大佐殿と顔を合わせる機会はねぇだろ。これからの旅じゃな」
「そうだな。それに外殻大地にプラネットストーム、そして預言・・・これらの問題について解決すればもう俺達も役目御免となる。もう会うことはほぼないと見ていいだろうな」
更にもう会わないと予測するデスマスクにアイオロスもまた同意する、地球に戻るからと。








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