まとまりを見せる全体、反感を浮かべる個

「・・・成程。色々とぶっ飛んだ部分こそあるが、とりあえずはこの問題について世界が一丸になって向かい合わねばならない事だという事は承知した」
・・・距離もあり、カノン達から遅れる事数日。グランコクマに来たルーク達はピオニーの私室にピオニー自身の意向で来て事の経緯を説明をした。
足元にブウサギが何匹かいて皇帝の私室というには雑然としている光景とうって違い、ピオニーはその話の中身を至って重く受け止めていた。
「・・・とりあえず、だ。今頃はバチカルに向かったカノン達もインゴベルト陛下に報告を終え、こちらに連絡を取ろうとしている事だろう。臣下への説明も含めそう言ったことはこちらがやるからお前達は部屋を用意するからゆっくり休むといい。おそらく会談をすることはまず間違いないだろうからその時が来るまでな」
「はっ、お心遣いありがたく承ります」
そしてその後の対応についてを述べるピオニーに、主な説明をしたアイオロスを始めとしてルーク達は綺麗な礼を取る。












・・・そしてジェイドを除いたルーク達は宮殿の中の客室に通された。



「・・・失礼するぜ」
「・・・ピオニー陛下・・・何故こちらに・・・」
「・・・私情が混じっている事は自覚しているが、ジェイドの事について聞きに来た」
「・・・そうですか」
それでまったりとした時間を過ごしていた所にピオニーが何の予告なく入室してきたが、対応するアイオロスはさして驚く事もなく冷静でいて真剣に返す。覚悟をしていると言った重い表情を前に。
「それでどうだった?出来ればお前達四人、個々の意見を頼む」
「・・・率直な事を申し上げるなら、無条件に信用することは難しいと思っています。基本として大佐は一歩身を引いた立ち位置にいて気になることには発言はしていましたが、私は何処と無く刺々しさを感じていました」
「・・・私も同じような印象を受けました。それらの発言であったりは我々やキムラスカ、それにダアトに対してのアドバンテージを僅かでも握らんとしてのものではないかという物ではないかと」
「・・・二人聞いただけでこの評価かよ・・・」
ピオニーはそのままジェイドについてを四人全員に答えるよう願うが、アイオロスにカミュと率直に述べる姿に頭をかく。
「・・・俺も正直、ジェイドの事を信じるのはとても・・・」
「・・・こちらも同じ、とだけ言っておきます」
「・・・お前達二人もそうか・・・だがデスマスク、その言い方は出来ればやめてくれ。お前達の考えが同じものだと言うのは理解はしたが、今は客観的な答えが欲しいんだ」
「・・・わかりました、お答えします」
続いてルークにデスマスクの順で答えたことにピオニーはまた表情を苦くするが、デスマスクが実質的なノーコメントにしようとしたことを突き仕方無くながらも話させる流れにする。
「・・・言葉を選ばずに言うなら、アイオロス達と同じく信用はありません。ですがバカとハサミは使いようという言葉があるよう、別の使い道・・・配置場所さえ間違えなければ、まだやりようはあるかと思います」
「配置場所、だと?」
それでデスマスクは思っている事を答えるのだが、予想してなかった言葉が出てきた事にピオニーは眉を寄せる。配置場所という単語に。
「それを話す前にお聞きしますが、陛下が大佐の事について聞いてきたのは陛下だけでなく話をした臣下の間でもどのように処分を下すのかを悩んでいるからなのではありませんか?」
「っ・・・鋭いな、確かにその通りだ。確かにお前達の話を聞いて俺も私心を捨て、臣下にジェイドのことについてを話したのだが・・・色々難しい部分があるんだ・・・」
だがデスマスクが前置きをして問いを向けてきたことにピオニーは表情を苦くする、ジェイドの処分について。










8/20ページ
スキ