まとまりを見せる全体、反感を浮かべる個

「そこから先はもう私はキムラスカに関わることは無くなると思われますので陛下に公爵様を始めとした皆様がどのようにお二方と接するかになるかと思いますが、まだいくつか申し上げるならばお二方のいない時に屋敷や城で仕える人々にどのように接するかを教えることを徹底するべきかと思われます」
「うむ、それは確かにやらねばならぬことではあるな・・・妙な事をされて機嫌を損ねられてもまた面倒になるだけだ」
「更にまた、公務を行うのであればファブレ邸ではなく城にて行うことは必須となるでしょう。ファブレ邸で行うとなればナタリア様を始めに何人かが必要な物などの運搬の為に城とを行き来することが必要になるでしょうから、余計な人員を裂くのを避ける為にも『ルーク様』が城に向かう方が手間もかかりません」
「・・・ううむ、それは仕方ないか・・・公務を行うならどちらかに固定せねば面倒になるだろうからな・・・」
そしてカノンは以降は関わらないだろうと前置きをした上で最後に言えることをと言っていくのだが、公務は城でとのくだりにインゴベルトは苦い顔を浮かべながらも納得する。察するに自分に近い所にアッシュ達を置きたくはないのだろう・・・問題を起こしそうな二人を。
「そして・・・これが一番重要になるかと思われますが、ナタリア様の事実はそれこそお二方を最後に止める為の手段・・・もしお二方の状況の改善が完全に無理だと断じた時に初めて明かすべきで、そしてそれらを元に・・・お二方の行動の抑制に勤めるべきだと思われます。キムラスカの為にも」
「・・・最後の手段か・・・出来ればそのような事はしたくないものだな。これからの事を考えると・・・」
更にこれが最後とナタリアの事実を用いるタイミングについてを真剣にカノンは申し上げ、インゴベルトはこれまで以上に真剣でいて暗い面持ちで視線を背ける。
「・・・私から申し上げる事は以上となります」
「・・・うむ、ご苦労だったカノン。後はこちらでどうするべきかを協議する。お前達は宿でゆっくりとしていてくれ。マルクトとのやり取りが一段落したならこちらから連絡する」
「はっ、では我らは失礼します」
カノンは言うことは終わったと告げ公爵が退出を言い渡したことで、頭を下げた後に三人揃って退出をしていく。






『さて、あの二人はカノンの言ったようにするだろうかな?』
『少なくとも無視できるような中身ではないとくらいは思っただろう。対策を求めてくるくらいには追い詰められているからな』
それで城の中の通路を歩く中でアフロディーテとミロは小宇宙の通信で会話をする。周りに聞こえないように配慮して。
『ちなみにカノンはあの二人はどうなると思う?陛下達が取るだろう行動を予想した上で』
『・・・二人が大人しくする可能性はまず低いだろう。おそらく陛下達は俺の言った事を参考にして動いて屋敷や城の人達も動くだろうが、当人達が控え目な表現で言うことを聞くとも思えんがかといってキツい言葉を使えば噛み付いてくるのは目に見えている。その辺りは陛下達がどのようにアッシュ達と接するかにかかってくるだろうが、そこからは陛下達の手腕もだが、親子としての対話をすることが重要だ・・・後は俺がやることじゃない』
『・・・確かにそれから先はもうカノンがやるべき事ではないな』
更にアフロディーテがカノンにどうなるかと問いを向けると答えを返しながらも公爵達がやることと言い、ミロも納得する。















・・・そのような形でカノン達がバチカルでやるべき事を済ませた中、グランコクマに向かったルーク達に場面は変わる。









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