神と神と崇められる存在

『・・・我も何かをしたいのだ。事態の解決の為に。それに我も未来をどうにか出来ないかと考えていた・・・頼む、我にも協力をさせてくれ。この星をどうにかするためにも・・・』
「・・・成程、そういうことなら協力を受け入れよう」
『すまない・・・だが流石にこのままの姿で我が付いていけば余計な目が向けられるだろう。だから同行の為に我はこれに宿ってそなた達に付いていく、受け取ってくれルーク』
「ん?・・・なんだ、これ・・・?」
ローレライは切実な気持ちを込めて願うように話をしていき、カノンもその気持ちをすぐに受け入れる。その答えに礼を述べつつもローレライは自身の体から剣程の大きさの鍵のような形状の物を浮かしながらルークに手渡す。
『それはローレライの鍵と呼ばれるものだ』
「っ・・・それが、ローレライの鍵・・・?」
「・・・初めて聞く単語だが、その鍵とやらはなんなんじゃカノン?」
「一般的に伝えられた話によればユリアがローレライの力を借りて作った物でありローレライの力を使える物ということですが、ローレライ同様その存在をハッキリと確認出来ない眉唾物の代物と見られていた物です。ただそれをローレライ自身が持っていたとは・・・」
ルークがそれを確認するように見る中でローレライが口にした鍵との答えにダアト陣の動揺が広がるが、初めて聞く言葉に童虎がカノンに問いかけると少なからず自身も驚いていると言ったように説明する。
『ユリアが我に託したのだ。下手な輩の手に鍵が渡ればより事態が悪い方向に行きかねないとな。だが今の状況で我の姿を隠す方法はその鍵に宿る以外にないし、何よりそなたらに対しての我からの信頼の証とも言える。その鍵を邪な目的に利用せず、うまく使ってくれる・・・そう思っているというな』
「うわ・・・そういうこと聞くと、なんか重いなこれ・・・」
「それが重いと思うのなら大丈夫だ。心がなかったり自分だけの正義に酔いしれる者が力を手に入れたなら、ためらいなくそれを使うだろう。重要なのはそれを制御する事もだが、どう想うかだ。それにローレライもルークなら大丈夫だと思ったからこそ鍵を渡したのだろう」
「・・・うん、分かるんだけどやっぱりな・・・」
ローレライは自身が鍵を持つ経緯についてを説明するが、その重さに鍵を見ながらルークは複雑そうな顔を浮かべる。カノンはそんな様子にそんなお前だからこそと言うのだが、言うことを理解はしてもやはりルークにはまだ重いのだろう。その気持ちは。
『・・・では我はその鍵につこう』
「あっ・・・と、本当に中に消えちまったな」
話が終わったのを見てローレライは鍵に近付き吸いとられるようその中に入っていき、ルークはまた確認するように鍵をじっと眺める。
「・・・まぁローレライについてはいいでしょう。ですがこれからどうしますか?ここを出て両国に向かうとは言いましたが、キムラスカかマルクト・・・どちらから向かいますか?」
「そうだな・・・」
「・・・俺としてはここで二手に分かれた方がいいと思う」
「アイオロス・・・」
ジェイドもそこでこれからの事についてを口にしてカノンが考える素振りを見せる中、アイオロスが発案をしてきた事に視線を向ける。
「今の状況としては戦争になるような可能性が低くなったこともあり、どちらかに急行しなければならないような事もないだろう。今は落ち着いているが、だからこそ二手に分かれて説明をしに行っても俺は問題はないと思う。その方が早く済むだろうし、手間も省けるだろうからな」
「・・・そうですね、確かに今なら二手に分かれた方がいいでしょう」
「・・・決まりだな」
アイオロスはそう思った理由を簡潔に話していき、その中身にジェイドも納得してカノンもそうすると決定させる。二手に分かれると。











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