神と神と崇められる存在

『その解決策に関しては既に答えは出ている。結論を言うなら外殻大地を魔界に降下させ、超震動で障気を中和した後にプラネットストームを停止すればいい。それで二度とプラネットストームを稼働させないようにすれば、障気はもう地上に出てくる事もなくなるだろう』
「・・・なんか、随分と簡単に言ってくれるけど・・・それでめでたしめでたし、なんてことにならなそうな雰囲気すげぇ感じんな・・・」
『確かにそうだ。そうするなら過程だけでも各地のセフィロトを周り、外殻大地を降ろす為の準備をせねばならない。だがセフィロトを回り準備をするにしてもその入口にはダアト式譜術を使わねば開かぬ扉による封印が施してある上、ユリアの血族がいなければパッセージリングの操作をするための起動すらも出来ない・・・外殻大地だけでもそうなのだが、更に難しいことがある。それはいかに人々の反感を抑えるかどうかということだ』
「人々の、反感・・・?」
ローレライはその質問に答えるがルークはその言葉にすんなりいきそうにないと感じると言い、その考えは間違ってないとその訳について言う。
『昔の話になるが、我々が何故障気をどうにか出来ることを知っていたのにそれを解決出来なかったのか・・・それはそのダアト式譜術を始めとして、預言が詠めなくなる上に第七音素が使えなくなる環境というものを人々が拒否したからだ』
「えっ・・・なんで拒否したんだよ・・・理由を言えば・・・」
『理由を言っても信じてもらえなかったのだ。嘘をつくなだとか預言を独り占めにするのかとか言われたことに加え、第七音素を使った各技術をいきなり失うような事態になるのは嫌だとな・・・その為に下手な人物が入れないようにと施したダアト式封呪の扉のせいで、皮肉にもダアトの初代の導師でありユリアの弟子でもあったフランシスの協力を得られずに開けられることなく終わったのだ』
「っ・・・フランシスまでも、協力を拒否したのですか・・・?」
ルークの疑問についてローレライは昔の事を話していくのだが、ダアト式封呪についてのくだりでイオンを始めとして開祖のフランシスの行動を信じられないとばかりに目を見開く。ダアトに所属する人間として、そんな事情があったなどというのはあまり信じたくないのだろう。
『そうだ。それほどに人々の心と生活には預言と第七音素が入り込み、失ってはいけないものと認識されていた。ある意味では当然の事と言えただろうが、もうそれでは世界は終わってしまう・・・だからこそ困難でもやり遂げねばならぬのだ』
「・・・世界の為に、ですか・・・そうするためになら僕は協力を惜しむつもりはありません。シンクもダアト式譜術を使えるとは思いますが、被験者と比べて遜色のないダアト式譜術を使えるのはもう僕しかいませんし彼が協力をしてくれるかどうか分かりませんから」
『そうか・・・導師がそう言ってくれるのはありがたい』
「だがそれなら問題となるのはユリアの血族という点だが・・・あの二人の内どちらに協力を願うか、だな・・・」
「あの二人のって、ヴァンにティアの事ですか?」
「はい、そうです」
そこに触れず話を進めるローレライにイオンは気を取り直し新たに決意を示すが、カノンが口にした言葉に首を傾げる。
「封印がどのような物かは我々は分かりませんが、ユリアの血族がいなければならない封印だというなら血を用いるなりなんなりの認証システムがあると見ています。そういった面で見ると、どちらかに協力を願わねば封印は解けないと思いますが・・・」
「あ・・・確かヴァンはグランコクマの牢にいて、ティアはダアトの牢にいるのでしたね・・・」
カノンは頷いてから説明をするのだがどこか気まずげになる様子に、イオンもハッとなる。今二人は場所は違えど共に牢にいるという事実に。










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