神と神と崇められる存在

「で、では・・・それがうまくいけば、もう障気に怯えることはなくなると言うのですか・・・?」
「貴方が何を考えているかはおおよその予想がつきます。障気をどうにかすれば安全になり危険を気にすることなく、預言を詠み続けられる・・・とでもお思いなのでしょう」
「っ・・・!」
今度はそこに市長が希望を見つけたように恐る恐ると確認の声を向けるが、アテナが即刻でその浅はかな目論見を見抜く推測を述べた事にたまらず身を引く。
「生憎ですがそれは無理です。超震動で障気を消したとしても大元であるプラネットストームをどうにかしなければいずれ第七音素はまた障気を産み出すでしょうが、何より・・・預言に詠まれた未来はその第七譜石に詠まれた時までの未来までの分しか詠めないでしょうからね」
「なっ!?何故そんな・・・!」
『第七譜石に詠まれた未来・・・それがこの星の終焉までの過程を詠んだ物だと言うのは先程も聞いただろう。そこから逸脱するには預言通りにしないように動くことが重要だが、あくまで預言は終わりに至るまでの大まかな道筋を記した物・・・そこから先の事は最初から詠めるはずもないし、ましてやその運命が変わったから新たな預言が生まれるはずもない。そなたの望むような繁栄の為の道筋が記された預言はな』
「!?・・・そ、そんな・・・」
アテナがそう告げた理由についてを延べ市長は信じたくないと声を上げるが、ローレライがだめ押しとばかりに預言に頼れる未来はないと告げられ・・・愕然として、膝から地面に崩れ落ちた。
「・・・顔を上げてください、市長」
「・・・な、なんで・・・預言は世界の繁栄の為に存在してきたはずなのに、どうして・・・」
「・・・預言が繁栄をもたらすというのは違います。平和をもたらすのは生きた者自身です」
「え・・・?」
アテナは市長に近付き声をかけるが未だ預言を信じたいと壊れたように漏らす声に、そうではないと静かながら強く告げる。
「この世界の昔の教団の方々が起こしてきた行動は真に繁栄を願っての行動だったのでしょう。それがいかな結果を生んだとしてもです・・・そういった仮定についてはここでは置いておきます。ですが平和をもたらすのに必要なのは預言という言葉ではなく、繁栄を願う心なのではありませんか?」
「で、ですが・・・預言が無くて、どうやって行動していいか・・・」
「預言が無いから分からない・・・こうは考えられませんか?預言が無いからこそ、自由な繁栄の為に動くことが出来ると」
「え・・・預言が無いから・・・?」
呆然としながらも見上げる視線にアテナはゆっくり説くように話を進めていき、逆転の発想を述べると市長はピンと来てないようでそのまま首を傾げる。
「今までに貴方は考えたことはありませんか?預言に詠まれた中身に関係無く、犠牲となる事を詠まれた人々も含め全ての人々が無事平穏に暮らせる事についてを」
「それは・・・預言に詠まれているのだから、それは当然の事と・・・」
「ですがその考えに従えば、貴殿方も死ななければならないことと同じ意味になります。預言が貴方が死ぬことを詠んだなら当然のことだと、そうなることと同じになります」
「で、ですが・・・私はそのようなこと・・・」
「えぇ、認めたくないというのは先程の会話でお聞きしました。だからこそ預言に従わず、自由に考え犠牲の出ない繁栄があってもいいのではないか・・・私はそう言っているのです」
「・・・あ・・・!」
またアテナは静かに問い掛けていき市長は困惑しながらも、自身の中の都合のいい考えを消せない様を隠せずボロボロとこぼす。だがそれを追究することなく優しく要点を告げた時に市長はハッとした、言いたいことを理解し。











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