神と神と崇められる存在

「・・・では私からも一つお聞かせいただけるでしょうか?」
『何だ?』
今度はカノンが今まで黙っていた状況から質問の許可を願い、ローレライは受け答える。
「貴方とユリアの考えは分かりました・・・今までに貴方が地核から出てこなかったのは故意ではないのでしょう。先程アテナにこのような形で出る事を想定していないみたいに言われたのですから。そこでお聞きしますが、貴方はどのようにして地核から出るつもりだったのでしょうか?ニュアンスからして貴方が自力で出られると言った風には思えないのですが・・・」
『・・・その事についてだが、我はルークかアッシュ・・・どちらかに超振動を地核にまで届かせるように使わせるつもりだった』
「え・・・?」
カノンから口にされた疑問、それは地核からの脱出方法についてなのだがローレライが言葉にした超振動との答えに名を出されたルークはどういうことかと分からずにキョトンとする。
『ルークにおそらくアッシュもそうだろうが、覚えがあるはずだ。自身の頭に強い痛みが時折走った事が何度かあることを』
「っ・・・もしかしてあれって、お前がやったことだってのか・・・!?」
『あぁ、そうだ。あれは我と同位体であるそなたとアッシュにしか出来ないことだが、我は地核でプラネットストームの影響を受けている状況では思った通りにそなた達に接触する事が出来ず、頭痛と途切れ途切れの声くらいしか届ける事が出来なかった・・・というわけだ』
「あれは・・・お前だったのか・・・」
それでローレライは既に行動に起こしていたことを頭痛について併せながら説明し、ルークはどうとも言えないような複雑な表情になる。
「・・・何故超振動でなければならなかったのでしょうか?」
『プラネットストームに落ちた我が自力で地上に出られる手段が他になかったからだ。下手に我自身で超振動を使おうにもプラネットストームの中では上手く力が制御出来ず、最悪超振動が発動しないばかりか我の身が四散してしまう可能性もあったのでな・・・だからこそ外から地核にまで威力を正確に届かせられる超振動でなければならなかったのだが、それを為したのが・・・そちらの神だ』
「・・・アテナはローレライの居場所について検討がついていたのですか?」
「はい、おおよそそうだろうと思っていました」
カノンはルークには触れずに話を進めローレライが超振動でなければならなかった理由を答えるのだが、アテナの事を告げた事でアテナに視線が集中する。
「と言っても初めから確信していた訳ではありません。それが確信に変わったのは先程障気になりきれてない第七音素を感じ、第七音素を通じてローレライの存在を知った時です。その第七音素より、ローレライが地核にいると」
「す、少しお待ちを・・・あ、貴女は何故そのような事が出来たのですか・・・?ローレライを探す事もそうですが、超振動でなければ出来ないはずの事を・・・」
そのままアテナは何事もないと言ったように行った事について言うが、そのオールドラントの人間からすれば有り得ない行動に市長が改めてどういうことかと問い掛ける。
『それは先程も言ったが、この方が神だからだ』
「っ・・・神だ神だと何度も言うが、ならば何故この世界に神はいないのだ!?その言い方では貴方も神ではないのだろう!?」
『神、か・・・』
「ではお聞きしますが、貴方の思う神とはどのような存在なのでしょうか?」
「えっ・・・?」
ローレライがまた神と答えるが何度も告げられた答えに市長は激昂して神の意味を問い声を上げる中、アテナより向けられた神についての問いに戸惑い止まる。











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