神と神と崇められる存在

「・・・じゃ、じゃあ・・・外殻大地を魔界に降ろした上で、プラネットストームを止めて障気をどうにかするしか、滅びをどうにかする手段はないんですかぁ・・・?」
「だ、だがそうすれば外殻大地は魔界に墜ちて今目の前にある液状化した大地に飲み込まれることになるのでは・・・?」
その中で何とかアニスが震えながら確認を取る声に、トリトハイムは魔界についての危険性を口にする。
『その解決法については見当はついています。ですがそれを確信に変えるには他ならぬローレライの協力が不可欠になります』
「っ・・・な、何故ローレライの協力が不可欠なのですか・・・?」
『この星に第七音素を残すためにです』
「は・・・?」
アテナはそれも見越した上と答えるが、第七音素を残す為という意味深な言葉にトリトハイムはまた意味が分からずに声を上げる。
『先程第七音素は星の記憶と言いましたが、同時にこの星の中で多様な用途に使われるよう純粋なエネルギーと見てもいい物でもあります。ですが第七音素という資源には限りがありますし、障気になってしまえば元に戻りようがありません。そしてそれが続くようであれば星自体のエネルギーとしての役割も担ってきた生命力が失われてしまい、星が死ぬことになるでしょう』
「っ!・・・星を死なせない為にもローレライの協力が必要、だというわけですか・・・第七音素の集合体だというローレライにどうにかしてもらうためにも・・・」
そこにアテナは第七音素が星のエネルギーでもあることを口にし、イオンも緊迫したようにローレライの協力が必要な理由を自身なりに感じる。
『そうなります。障気をどうにかしつつ第七音素をこれ以上浪費させるような事をさせないためには、彼の存在の協力が必要となります』
「ですが、障気をどう解決するというのですか?現状ではとても・・・」
『少し待ってください・・・見つけました』
「えっ・・・見付けたって、まさか・・・っ!?」
アテナがその声に答えるが、肝心の答えが聞きたいとばかりにトリトハイムは口を挟んでくる。だが途中で言葉を遮られまさかとトリトハイム達が視線をアテナに向けると、手に持っていたニケを液状化した大地へと光と共に向ける姿に目を大きく開かせた。
『・・・さぁ、来てください・・・ローレライ!』
‘カッ’
「うっ・・・!」
そしてアテナが気を込めた声を上げた時、アテナ達の周辺が光に満ち聖闘士組以外が眩さに目を眩ませた。






『・・・まさかこのような形で再び地上に出ることになろうとはな・・・』






「っ・・・っ!?・・・・・・あ、あれがまさか・・・ローレライ、だというのか・・・!?」
・・・そして目が眩む中で辺りに響いた声に市長はピクリと反応し、何とか目を見えるようにと何度もまばたかせる。それで何とか回復した目で見えた光の球らしき物を見て、その存在をローレライかと信じられないと言ったように呆然と声を上げる。
『・・・感謝する、異世界の神よ。まさかこのような形で地核より出られるとは思っていなかった』
「っ、神・・・!?」
だがそのローレライと思わしき存在からアテナに対して神と言った言葉が出たことに、今度はアテナの方にその視線を向ける。
『その事についてでしたらあちらに行って話をしましょう。あちらにも話を聞いていただかなくてはいけませんし、直接話をした方がいいでしょうからね』
『承知した』
「・・・どういうことなんだ、一体・・・!?」
だが直接話をするべくこちらにローレライと戻りだすアテナ達に空気を察して質問出来なかった市長は漏らす、混乱覚めやらぬという気持ちをその声に込めて。







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