神と神と崇められる存在

・・・ユリアシティに突然来訪し、ローレライを呼び出すと言い出したアテナ。そこから時間は少し過ぎる・・・









「・・・本当にローレライを呼び出せるのか・・・?」
「アテナがおっしゃるには時間をかければ出来るとのことだが・・・こればかりは待つしかないな」
・・・場所は変わり、かつてユリアシティの港として使用されていた役割の場所。
そこの先端でアイオリアと童虎とアフロディーテ(聖衣装着済み)の三人に囲まれながら両手を大きく広げそっと目を閉じながら小宇宙を燃やすアテナの姿に、遠巻きで様子を伺っている一同の中でルークが上げる声にカノンが答える。



・・・さて、何故今このような状況になっているのかを説明するとアテナ達が場に現れた後の会話にある。そこでアテナからの宣言の後に市長やイオン達が気を取り直した上で、矢継ぎ早に質問を開始した。

その質問の中身は主に本当にローレライを呼び出せるのか、そもそも誰なのか、カノン達とどういう関係にあるのか?・・・だ。

この質問に対しアテナは出来る、別の世界からカノン達を手助けするために来たということ、カノンの主でアイオリア達はその仲間であることが告げられた。

とは言っても流石にそう言われたからはいそうですか、などと納得出来る程イオン達も単純ではない。故にいくつか証拠を見せたわけだが・・・



「・・・でも、あんな力を見せられた後だとなんか嘘だって言いにくい気持ちになりますよね・・・イオン様・・・」
「分かりますよアニス・・・」
その会話にアニスとイオンも加わるが、少しひきつった笑いを浮かべていた・・・まぁそれもそうだろう。アテナが指し示した証拠とは小宇宙を扱えないものにでもはっきり可視化出来る上に強大だとわかる小宇宙を見せることだったのだから。
更にカノン達も同様に小宇宙を燃やした上に、カノンに至っては異次元を自ら開いて見せたのだ・・・そんな光景を見せられたらどう少なく見積もっても強大な力を持っているとの認識になるのは当然、アニス達の反応もまた当然と言えた。
「・・・しかし別世界から来た、ですか・・・これで少なからずは納得出来ました。貴殿方の理に合わない桁外れな強さの理由が」
「少なからずは、ねぇ・・・その言い方だとまだ何か引っ掛かってるみたいな言い方だなぁ、大佐殿?」
更にジェイドも口を挟んでくるが、明らかに含みを入れた口調にデスマスクが首を傾げながら何かと問い掛ける。
「いえ、ただ思っただけですよ・・・折角貴殿方が隠してきた事をあちらの主が無駄にしてきたことはどうなのか、とね。貴殿方の力についてはタルタロスの神託の盾を排除した時から私は知っていましたが、詳しく貴殿方の事情にまでは言ってはくれませんでしたからね」
「・・・成程、トゲのある言い方だこいつは」
そんな中でジェイドからまるでアテナを空気の読めない輩だと言っているような言い方に、デスマスクはおどけるように肩を竦める。カノン達からすれば否定をしようがない事実とも言えるが、それを素直に肯定してしまえば主という立場であるアテナを自ら侮辱する事に繋がる・・・そう言った状況の有利を利用してここぞとばかりの反撃を試みるジェイドのいやらしいやり方にだ。
『確かに私はカノンの考えを無視したような事をしたのでしょうね』
「っ!・・・なんだ、辺りに声が響いて・・・」
『落ち着いてください。私が力を使ってそちらと会話を出来るようにしただけですから』
「・・・こんなことも出来ると言うのですか、貴女は・・・」
しかしその場にアテナの声が響き聖闘士以外の面々がジェイドも含めて驚き辺りを見渡すが、振り向いてもいないのに会話を成立させるその力に唖然としたようその背中に視線を向ける。






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