問われる神への言葉と従う者達

・・・それでカノン達は港の近くにあるアラミス湧水洞にまで来た。



「ここがユリアシティへの入口・・・?」
「正確にはこの奥に行けばあります。そして一番奥には譜陣があるのですが、合言葉と言った類いの物を言わなければ作動することはありません」
「成程、港から近い割にその存在が人々に明らかにならなかったのはそう言った理由ですか。この中には魔物もいるでしょうから、わざわざ一般の人がここに立ち寄るような理由もないのでしょう」
その入口を見てルークが何気に漏らした声にイオンが更に入口は奥と答え、カノンも今まで知られなかった理由について納得する。
『・・・嫌な予感がすんな・・・もし一輝がもうユリアシティに行ってるんなら、あいつどうやって行ったんだ・・・?』
『・・・あいつの事だから直接ユリアシティに行った、ということも有り得そうだな・・・かつて処女宮に前の宮を通ることなく直接行ったという前歴があるからな・・・』
『そうでなくともダアト内にいるであろうユリアシティの事を知っている人間の心を読んだくらいの事をしたんだろうね・・・彼は意外な程に隠密的に動くからね。戦いの時の目立つ姿とは真逆に』
そんな中で小宇宙の通信によりデスマスクにミロにアフロディーテの三人が一輝のことについて話をする、しばらく姿を見ていない何をしでかすかわからない男について。
『・・・どちらにしてもこの先に進めば分かることだろう。一輝はユリアシティに行くと言っていたから、行けば何か変わったことがあるかもしくは当人が出てくると思うが・・・』
『アイオロスの言う通りでしょう。あれでいて一輝は義理堅いと言うか、事を放っておくような事はしませんから我々がユリアシティに行くまでは待機しているかどこからともなく現れるでしょう』
『・・・神出鬼没なのは出来りゃ勘弁してほしいんだがな』
アイオロスがその一輝についての予測を立ててカミュも推測を告げるのだが、デスマスクがどこか引き気味に声を漏らす。一輝の現れかたは黄金から見ても異質で意外な物でしかないために。
「・・・では参りましょう。まだユリアシティの住民が行動を起こしてはいないとは言え、早目に行動しないに越したことはありませんから」
「えぇ、そうですね。では行きましょう」
『・・・なぁ、カノン。お前、俺達の話で危機感を抱いたのか?』
『・・・言うな』
カノンはそんな会話に加わることなく話を進めイオンも頷き一同は先に進み出すのだが、ミロからの追及に一言で返す・・・やはりカノンも一輝の行動がどうなのかが分からないことに不安があったようだ。









・・・それで湧水洞の中を進み譜陣の前に来たカノン達。
『・・・ここに乗って合言葉を言えば別の場所まで飛ぶ、か・・・なぁ、無理をすりゃ一般人にも見つけられたり小型ジェット使えば普通に行けるような聖域にも似たようなセキュリティをつけるべきなんじゃねぇのか?こういった入口を作って外から簡単に入れもしないし、見られもしないような形にしてよ』
『・・・デスマスクの言うことには一理あるが、海界のように人目に触れないような状況には出来ないだろう。何せ聖域は昔からあの場にあるのだからな』
『分かってんよ。ただなんとなく言いたくなっただけだ』
その譜陣を前にしてデスマスクが聖域のセキュリティについて漏らすのだが、カミュからの返答に言ってみただけとすぐに返す・・・聖域のセキュリティが意外とザルな事は聖闘士の間では実は暗黙の了解の部分が大きいと言うのを分かってて、デスマスクはその事を漏らしたのである。
「ではこちらにお乗りください。ユリアシティまで向かいます」
そんなやり取りがあったことなど知るはずもないイオンはカノン達を譜陣に乗るように誘導し、一同は譜陣に乗っていく。











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