問われる神への言葉と従う者達
「この事をどうするかは導師の心積もり一つで決まります。我々にはその意志を強制することは出来ません。彼女の事を想い黙るのも思いやりと言えるでしょう・・・彼女に更なる秘密を抱えてもらうことは酷と言えますから。ですが秘密を話したなら導師が彼女の心の荷を軽くすることも出来るでしょう。他ならぬ貴方が彼女の重荷になっている物を共に背負う事で」
「っ・・・僕が、アニスの重荷を・・・」
「・・・後は貴方が決めることです、導師。そして自分なりの最善を考えてください。どうすることが一番なのかと。ダアトに着くまでまだ時間はあるのですから」
「・・・はい、わかりました。すみません、ありがとうございました。僕は少し考えてみようかと思いますので失礼します」
そして決心を促すよう厳しく、だがそれでいて見守るような優しい笑顔を見せるアイオロスにイオンはどこかすっきりした表情を浮かべて頭を下げた後に部屋を出ていく。
「・・・流石だねぇ、アイオロス。あんな風にしてあの坊やの悩みを解決してやるなんてよ」
「買い被り過ぎだ、デスマスク。導師がどうするかはまだ決まってはいない」
「ですがあの坊やの様子を見る限りではあのお嬢ちゃんに事実を打ち明けるのはほぼ確実と見ていいでしょう。あの坊やは人が困っているのを放っておけない節が強いのは見て分かるし、何より憑き物が落ちたようなあの顔を見るとまず間違いないだろうね」
「とは言ってもすぐに結論が出ることはないだろう。その話をするとしたならケセドニアからダアトに向かう船の中と言った所だろうな・・・」
イオンがいなくなって早速とデスマスクが茶化すようにニヤニヤする中でアイオロスは対応し、アフロディーテもその話に加わって成功と確信する様子に苦笑気味に答える。実は自分もそう思っていると認めた上で、時間は必要だろうと。
・・・そんな風にイオンの来訪を受けた後にカノン達を乗せた船はケセドニアへと到着した。
「・・・すみません、後で船に乗った時に時間をください」
「・・・はい、分かりました」
そこでダアトに向かう船へと乗り換えるように動くカノン達だが、そこでそっとイオンがカノンに近付いてそっと声をかけてきたことに同じくそっと頷いた。
・・・そしてカノン達はすぐにダアトへと向かう乗り換え、後は着くのを待つのみとなった。
「・・・すみません、お待たせしました」
「いえ、気になさらないでください・・・ちなみに大佐には気付かれていませんね?」
「はい・・・ジェイドは僕達の方には注意を向けてないので大丈夫だと思います」
「あの・・・イオン様、一体どうしたんですか・・・?」
・・・そして船の一室でイオンが二人を引き連れて来た状態で真剣に会話を交わすのだが、ミロと違いアニスはどういうことかと不安げに声を漏らす。
「・・・アニス、今から僕達は貴女からしてみて信じられないだろう事を話します。ですがこれは紛れもない事実です、心して聞いてください・・・いいですね?」
「は、はい・・・」
イオンはそんなアニスに顔を向け注意をするのだが、あまりにも真剣な様子にたまらず圧されながら頷く。
・・・そして語られていく今までの旅の経緯に、その中でも重要なルークとイオンの事実にアニスは愕然とする以外になかった。まさかの事実の連続に。
「・・・と言うわけです。今の話は作ったものでもなければ嘘なんかでもありません、それはカノンさん達が証明してくれます」
「・・・そ、んな・・・ミ、ミロさんはその事は知っていたんですか・・・!?」
「あぁ。ただ君達にずっと付いていたから、大筋くらいといった所だがな。だからこそ俺は導師に君達一家の安全のために護衛についていたんだ。大詠師を始めとした者達の手が及んでも君達を守れるようにと」
「・・・っ!」
すぐにイオンは今の話は嘘ではないと強調するのだが、アニスはミロに揺れる表情を見せながら確認を取る。だがすぐさま真剣にミロに肯定を返され、アニスは否応なしに理解したようにハッとイオンを見た。たちの悪い冗談を言っているのではないと気付き。
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「っ・・・僕が、アニスの重荷を・・・」
「・・・後は貴方が決めることです、導師。そして自分なりの最善を考えてください。どうすることが一番なのかと。ダアトに着くまでまだ時間はあるのですから」
「・・・はい、わかりました。すみません、ありがとうございました。僕は少し考えてみようかと思いますので失礼します」
そして決心を促すよう厳しく、だがそれでいて見守るような優しい笑顔を見せるアイオロスにイオンはどこかすっきりした表情を浮かべて頭を下げた後に部屋を出ていく。
「・・・流石だねぇ、アイオロス。あんな風にしてあの坊やの悩みを解決してやるなんてよ」
「買い被り過ぎだ、デスマスク。導師がどうするかはまだ決まってはいない」
「ですがあの坊やの様子を見る限りではあのお嬢ちゃんに事実を打ち明けるのはほぼ確実と見ていいでしょう。あの坊やは人が困っているのを放っておけない節が強いのは見て分かるし、何より憑き物が落ちたようなあの顔を見るとまず間違いないだろうね」
「とは言ってもすぐに結論が出ることはないだろう。その話をするとしたならケセドニアからダアトに向かう船の中と言った所だろうな・・・」
イオンがいなくなって早速とデスマスクが茶化すようにニヤニヤする中でアイオロスは対応し、アフロディーテもその話に加わって成功と確信する様子に苦笑気味に答える。実は自分もそう思っていると認めた上で、時間は必要だろうと。
・・・そんな風にイオンの来訪を受けた後にカノン達を乗せた船はケセドニアへと到着した。
「・・・すみません、後で船に乗った時に時間をください」
「・・・はい、分かりました」
そこでダアトに向かう船へと乗り換えるように動くカノン達だが、そこでそっとイオンがカノンに近付いてそっと声をかけてきたことに同じくそっと頷いた。
・・・そしてカノン達はすぐにダアトへと向かう乗り換え、後は着くのを待つのみとなった。
「・・・すみません、お待たせしました」
「いえ、気になさらないでください・・・ちなみに大佐には気付かれていませんね?」
「はい・・・ジェイドは僕達の方には注意を向けてないので大丈夫だと思います」
「あの・・・イオン様、一体どうしたんですか・・・?」
・・・そして船の一室でイオンが二人を引き連れて来た状態で真剣に会話を交わすのだが、ミロと違いアニスはどういうことかと不安げに声を漏らす。
「・・・アニス、今から僕達は貴女からしてみて信じられないだろう事を話します。ですがこれは紛れもない事実です、心して聞いてください・・・いいですね?」
「は、はい・・・」
イオンはそんなアニスに顔を向け注意をするのだが、あまりにも真剣な様子にたまらず圧されながら頷く。
・・・そして語られていく今までの旅の経緯に、その中でも重要なルークとイオンの事実にアニスは愕然とする以外になかった。まさかの事実の連続に。
「・・・と言うわけです。今の話は作ったものでもなければ嘘なんかでもありません、それはカノンさん達が証明してくれます」
「・・・そ、んな・・・ミ、ミロさんはその事は知っていたんですか・・・!?」
「あぁ。ただ君達にずっと付いていたから、大筋くらいといった所だがな。だからこそ俺は導師に君達一家の安全のために護衛についていたんだ。大詠師を始めとした者達の手が及んでも君達を守れるようにと」
「・・・っ!」
すぐにイオンは今の話は嘘ではないと強調するのだが、アニスはミロに揺れる表情を見せながら確認を取る。だがすぐさま真剣にミロに肯定を返され、アニスは否応なしに理解したようにハッとイオンを見た。たちの悪い冗談を言っているのではないと気付き。
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