問われる神への言葉と従う者達

「少し、アニスについて話があってきたのですが・・・」
「彼女がこちらに付いてくるとは予測していなかった・・・と言った所ですか?」
「っ・・・はい、その通りです・・・」
それでイオンは本題をと切り出すが、すぐにカノンから答えを予測した声がかかってきた事に息を呑んだ後にうなだれるようになりながら肯定する。
「用意をしようと部屋に戻った時に彼女が自分も行きたいと言い出して、それで引かなかったので連れていく事になったんですが・・・どうしようかと思って・・・」
「・・・彼女にダアトの闇とも言える部分を見せることに加え、自身の事実を明らかにする事に恐れを感じておられるのですね?」
「っ・・・はい・・・」
そのまま話を続けるイオンだが、またその心中を読んだように確認を取ってくるカノンにビクッと反応し頷く。
「そう言うことなら確かに導師の悩みは分かりますが・・・さて、どうしたものか・・・」
「・・・導師、ちなみにお聞きしますがファブレの屋敷内でルークが記憶を取り戻したと言った話をお聞きしましたか?または本人とお会いしましたか?」
「え?・・・それはありませんでした。一応僕達は皆さんの言われていたことを考えて人前に出来るだけ出ないようにとしていましたから部屋に出来るだけいるようにしていたんですが、何か以前とは明らかに違うみたいなことは僕達の事をもてなしてくれていた人達から聞いたんですけど・・・一体どういうことなんですか?」
「あ~・・・イオンは会ってないのか・・・」
カノンはそこで首をひねり考え込むように声を漏らすのだが、そこでアイオロスから向けられた問いにイオンは顔を上げ屋敷にいた時の事を話しルークは頭をかきながら納得する。
「・・・カノン、話してもいいな?」
「・・・この事に関しては導師にも知っておいてもらった方がいいだろうからな。別にいいぞ」
「えっ?一体何が・・・?」
アイオロスはそこでカノンに真剣に確認を取るが、その様子にイオンは訳も分からずポカンとなる。












・・・だがアイオロスから語られるルークとアッシュの事実について、イオンは絶句せざるを得なかった。まさかフォミクリーがそんな形で使われているとは思っていなかった為もあるが、現在ファブレにいる『ルーク』がアッシュが戻ったからこその物であると知った為に。



「・・・ということになります」
「・・・そう、だったんですね・・・それで今ルークがここにいるのは、アッシュがファブレに戻ったからだと・・・」
「そういうことになるけど気にすんなよ。別に後悔はしてねぇしな。一応ちゃんとした形で決着はつけたし俺としちゃむしろ満足してるから・・・まぁアッシュがどうなのかってのは、さっきのイオンが何か言ってた感じだとどうとも言えない感じはあんな・・・」
「それは・・・何も言えないですね・・・」
そして全て話し終わったアイオロスにイオンはルークを見ながら複雑そうに漏らすが、気にしてないと言った後にアッシュの事で眉を寄せる姿にフォロー出来ずに目を伏せる。
「・・・でもなんでそれを今僕に言ったんですか?公爵の前で言わなかったことを、何故・・・」
「導師ならこの事を言わないと思った上で考えたのです・・・貴方にアニスに真実を伝えるべきか否か、その事を決断をしていただくために」
「っ、アニスに・・・!?」
しかし本題を聞いてないとイオンはアイオロスに話をした訳を問うのだが、真剣に自分を見ながら話をするべきと切り出され唖然とした表情になった。







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