問われる神への言葉と従う者達

「ではまず僕の事実をモースにヴァン達以外にいるかということについてですが、おそらくユリアシティにいる市長以外にはその事を知る者はいないかと思われます」
「ユリアシティ?」
「大佐はご存知ないようですのでお答えしますが、外殻大地が造られる前より魔界に存在し、未だ魔界に残る大地にある街の事だとのことです。そこを知る者からはユリアシティは預言の監視者の街と言われているらしく、今までの預言を実行してきた者達もそのユリアシティの指示の元で動いてきたとの事です」
「・・・成程、その者達から指示があったからこそ今まで預言は実行されてきたと言うわけですか。そしてその存在が知られなかったのも、魔界にあったからこそという事でしょうが・・・随分と詳しい物ですね。行ったことがないというのに」
「・・・別に動く仲間より聞いた情報です、これが正しいのかどうかは導師に聞けば分かるかと思いますが・・・」
「・・・その情報は間違ってはいません。カノンさんの言った通りです」
イオンがそこから説明をするのだがジェイドがユリアシティについて疑問の声を上げ、カノンが答える。その中で言葉の不自然な点について鋭い視線を浮かべ問うジェイドにカノンは理由を言いつつ確認はイオンにと言えば、神妙に頷く。
「話を続けますが、市長が知ってる理由は被験者が預言により二年前には死ぬと詠まれた上で導師の事についてモースにヴァンより発案されたそうなんです。フォミクリー技術を使えば代わりを造れると・・・それで被験者以外に歴代導師の血を引く人物がいないことから決断したらしいんです。導師のレプリカを造る事でダアトに混乱を招かないようにと・・・ただこの事実は人々に知られてはいけないということで事実は今上げた名前の人々くらいしかいないと聞いてますし、ヴァン達も迂闊に言い触らすような事はしていないはずです」
「・・・まぁ謡将達からしても下手に秘密を知る人間が多くいては面倒な事になりかねないと考えるでしょうから、他に知っている人はいないと見てもいいでしょうね」
イオンは尚話を続けて他にはもういないと言い、ジェイドもレプリカの在り方からそうだろうと認めるように声を漏らす。
「では今度は私から質問させてもらうが、その市長だけが預言の全てを知って指示を出していると見ていいのか?」
「それは・・・正直に言えば、どうなのかは分かりません。私のレプリカの事実を知っているのは市長だけだと思いますが、市長はもう高齢ですし知識は他の人々に教えられていてもおかしくはありませんから・・・ただ比較的に年若い人には全ては知らされてはいないと思います」
「それは、何故だ?」
「それは・・・正直に言ってしまうと、何故若い人に教えていないのか私には分かりません。ただ若い人は知らないという事だけしか聞いてないので・・・」
「推測で申し訳ありませんが、恐らくは過去にそう言った事をして問題が起こったことがあるからでしょう。その推測の中で私が最も可能性が高いと見ているのは、一つ例を上げると預言なんだからさっさと滅べと預言の中身をぶちまけかねないことを平然としようとした事が過去にあったのではないかと私は見ています」
「「「・・・っ!」」」
次に公爵が他に預言の事を知る者はと聞くとイオンは微妙に即答出来ずにいたのだが、そこで入ってきたデスマスクが丁寧な口調ながらもその訳を推測・・・しかもかなりリアルに漏らすと二人だけでなくルークまでも体を揺らした。
「聞いていてあまり心地よくない物だと思いますが、洗脳さながらに人にこれが正しい者だと教育を施せば考え方を変える事は難しい物です。ですから過去に私が上げたような事ではないにしろ似たような事があったからこそ若い世代に伝えないようにした可能性が高いと思われます。預言が正しい物という考え方は施しつつもそう言った暴走であったり下手に預言の事実を口走るようなことがないように教育をして、ある程度の分別を身に付けてもらった上で事実を伝える形にする事で落ち着く形で」
「・・・成程、確かに納得出来る理由だな」
そのまま過度の教育は成長ではなく毒にすらなり得るからこそ言わなかったのだろうというデスマスクに公爵も重く頷き、納得する・・・行き過ぎたやり方はむしろ害悪になりかねないという言葉に。










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