問われる神への言葉と従う者達

・・・グランコクマから出てバチカルに行けば次はダアト。その事を話した後は思い思いに休息を取っていたカノン達。そんなカノン達の下に夜になって来訪者が現れた。



「・・・それでは大佐にはまだしばらくは我々に付いていてもらいたいと?」
「はい、陛下からはそうお伝えしろとの事です・・・」
・・・その来訪者とはフリングスなのだが、まさかの中身に改めて確認するようカノンは声を上げる。ジェイドをまだ連れていかせようとするピオニーの判断に。だがフリングスの表情も何処と無く固い物があった。
「・・・ここだけの話としてほしいのですが、陛下よりの言葉としては今カーティス大佐以外に皆さんに付いていけるだけの人物はいないからだとのことです。皆さんとカーティス大佐がどのような事を見聞きしてきたのかは私には想像が出来ませんが、国の機密に関わるような重大な事柄があることは容易に想像が出来ます。現状では大佐から人を変えてあまり情報を漏洩させないようにとの陛下の決断なのでしょう」
「・・・成程、分かりました。では陛下に了承の意をお伝えください」
「はい、では私はこれで失礼します」
フリングスはジェイドを外さない理由を難しい顔色のままで説明し、カノンが淡々としながら丁寧に了承すればすぐに頭を下げ退出していく。
「・・・大佐をこっちに引き続き俺達と一緒に行かせるってか。まぁ今の状況じゃ仕方ねぇんだろうよ。そんな国の機密に関わるような事を変に多人数に知られるのは避けたいだろうしな」
「それにレプリカ関連の事であったりダアトの暗部の事などを野心を持つような人物であったりキムラスカとの戦争を望むような人物が知れば、ろくな事にならないのは容易に想像もつく・・・そのような事態を避けるためにも大佐に引き続きとしたのだろう」
「だがフリングス少将の様子を見る限りではその決定に際して何やら一悶着あったように見えるが、大方大佐の処分について聞いた事に加えてそれを内密にしなければならないというのがあるからだろう。そしてその理由である俺達に話をする事に抵抗があったのだろうな。あの様子では」
カノンが皆の座るテーブルの方に戻るとデスマスクにカミュにアイオロスと、フリングスのその様子について考察を次々と述べる。
「・・・おそらく三人が言ったことは間違いではないだろう。そしてそう言った話が出てくるということは早ければ明日にでもキムラスカへの返答をもらえた上で送り出される事になるだろうな」
「ではそうなれば私達は明日にでも帰りましょう。別の場所で休憩している青銅達と共に」
「あぁ」
それで椅子に座りその意見に同意しつつ明日に出発だろうとカノンが言えば、ムウもその時に合わせて帰ると言い出す。
「・・・なぁ、ちなみにこれからジェイドはどうなるってカノン達は見てるんだ?」
「・・・おそらく事を大事にしないようにするのと事実を明らかに出来にくいのもあって、表立った処罰をどうするかというのは難しい所だろう。ただ大佐の事で問題と出来るとしたならタルタロスの件での責任問題があるが、それも神託の盾のせいと言い張ることも出来るし万が一国を揺るがすような事を口走られては面倒だからな・・・その点でピオニー陛下は今苦心しているところだろうが、何らかの処置が下るのは間違いないのは確定と見ている」
「そうか・・・」
ルークはそこでジェイドがどうなるかと聞くが、カノンがはっきりこうなると言い切らない様子に首をひねりながらも納得の声を上げる。現状でジェイドの処分は予想をつけにくいのだと。






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