動く世界に聖闘士達
「そうだ・・・ジェイドは小さい頃から天才と呼ばれ、ケテルブルクの人々を多々驚かせてきた。だがそこでネビリム先生が事故で死んでしまい、どうにか生き返らせようとフォミクリー技術を思い付き行動に起こしたのだが・・・結果は失敗だった。そのネビリム先生のレプリカは見た目だけそっくりな別物になるという形でだ」
「・・・それで大佐はフォミクリー技術を忌避するようになり、封印をしようとしたと?」
「あぁ。だがジェイドと比べると見劣りしがちだったがディスト・・・あぁ本当の名前はサフィールと言うのだが、サフィールもジェイドと並ぶケテルブルクの天才として見られていた。そしてネビリム先生へのなつきかたで言えばサフィールが俺達の中で一番だったのだが・・・そのサフィールが未だにフォミクリー技術の事を研究していると言うことはジェイドにとって忌まわしい事なのだろう・・・だからこそ二人はケテルブルクで言い争っていたんだろう。大方フォミクリー技術の研究を止めるかどうかとネビリム先生の事を中心としてな・・・」
「・・・そしてだからこそ大佐はルークの事を見たくない対象として見ている節があり、そういったことから私情で事を動かそうとしているのではないか・・・陛下はそれを危惧されているのですね?」
「あぁ・・・そういうことだ・・・」
そしてジェイドにディストの過去と今についてを話した上で重く苦い表情で心境を推測するピオニーにアイオロスも察する。ネビリムという人物がいかにジェイド達だけでなくピオニーにネフリーにとっても重要な人間であり、その死が全員に多大な影響を与えたのかを。
『随分とまぁ壮大なスケールの話なこった。ガキの頃から俺らで言うクローン技術の確立をした上で成功させるとはな。まぁそんなもんで死者が生き返るなんて事は有り得ねぇけど、そいつをこじらせてここまで来たってのはな~』
『この皇帝もその影響はあると思うが・・・どうするんだ、カノン?』
『・・・俺の答えは一つだ』
その上で小宇宙の通信で会話をする三人なのだが、アイオロスの問いかけにカノンは口を開く。
「・・・もし私情でなかったならルークを殺すからそれを認めろと言うのでしたら聞けません」
「何・・・?」
「私情ではなく公的に必要だと判断出来たならばそうするというようにも、陛下の話し方から受け取れました・・・陛下がそのつもりで言われているかどうか真意は分かりませんが、もしそうだと言うなら私はその話に耳を貸すつもりはございません」
「・・・っ!」
ピオニーの内心は明らかになってはいないが、カノンのまっすぐで迷いのない力強い宣言は確かにピオニーを怯ませた。だがすぐにピオニーは何とか取り繕ったという気持ちが見えながらも、苦い笑みをこぼす。
「・・・まいったな、これは・・・俺がどういう答えを出そうとそれを覆す気はないよな?お前のその様子だと・・・」
「当然です。ルークは私を兄と慕い・・・私はルークを弟として守りたいと思っているのですから」
「弟として、か・・・」
その笑みのまま確認を向けるピオニーだが、柔らかい笑みながら確固たる意志を浮かべるカノンの返答の前に苦笑が諦めたような笑みへと変わる。
「・・・こんな返答を返すような奴をなんで危険なんて言ったんだよジェイド・・・俺相手にこんなまっすぐな宣戦布告の宣言が出来るような奴なんてそうそういねぇぞ・・・下手に触れない方がいいじゃねぇか・・・」
それでジェイドに対しての文句に加えてカノンに対する印象を愚痴るように漏らす。
「そこのとこは陛下の責任も少なからずあると思いますよ」
「何・・・?」
そんな様子にデスマスクが口を開く、ピオニーにも責任があると恐れる事なく。
.
「・・・それで大佐はフォミクリー技術を忌避するようになり、封印をしようとしたと?」
「あぁ。だがジェイドと比べると見劣りしがちだったがディスト・・・あぁ本当の名前はサフィールと言うのだが、サフィールもジェイドと並ぶケテルブルクの天才として見られていた。そしてネビリム先生へのなつきかたで言えばサフィールが俺達の中で一番だったのだが・・・そのサフィールが未だにフォミクリー技術の事を研究していると言うことはジェイドにとって忌まわしい事なのだろう・・・だからこそ二人はケテルブルクで言い争っていたんだろう。大方フォミクリー技術の研究を止めるかどうかとネビリム先生の事を中心としてな・・・」
「・・・そしてだからこそ大佐はルークの事を見たくない対象として見ている節があり、そういったことから私情で事を動かそうとしているのではないか・・・陛下はそれを危惧されているのですね?」
「あぁ・・・そういうことだ・・・」
そしてジェイドにディストの過去と今についてを話した上で重く苦い表情で心境を推測するピオニーにアイオロスも察する。ネビリムという人物がいかにジェイド達だけでなくピオニーにネフリーにとっても重要な人間であり、その死が全員に多大な影響を与えたのかを。
『随分とまぁ壮大なスケールの話なこった。ガキの頃から俺らで言うクローン技術の確立をした上で成功させるとはな。まぁそんなもんで死者が生き返るなんて事は有り得ねぇけど、そいつをこじらせてここまで来たってのはな~』
『この皇帝もその影響はあると思うが・・・どうするんだ、カノン?』
『・・・俺の答えは一つだ』
その上で小宇宙の通信で会話をする三人なのだが、アイオロスの問いかけにカノンは口を開く。
「・・・もし私情でなかったならルークを殺すからそれを認めろと言うのでしたら聞けません」
「何・・・?」
「私情ではなく公的に必要だと判断出来たならばそうするというようにも、陛下の話し方から受け取れました・・・陛下がそのつもりで言われているかどうか真意は分かりませんが、もしそうだと言うなら私はその話に耳を貸すつもりはございません」
「・・・っ!」
ピオニーの内心は明らかになってはいないが、カノンのまっすぐで迷いのない力強い宣言は確かにピオニーを怯ませた。だがすぐにピオニーは何とか取り繕ったという気持ちが見えながらも、苦い笑みをこぼす。
「・・・まいったな、これは・・・俺がどういう答えを出そうとそれを覆す気はないよな?お前のその様子だと・・・」
「当然です。ルークは私を兄と慕い・・・私はルークを弟として守りたいと思っているのですから」
「弟として、か・・・」
その笑みのまま確認を向けるピオニーだが、柔らかい笑みながら確固たる意志を浮かべるカノンの返答の前に苦笑が諦めたような笑みへと変わる。
「・・・こんな返答を返すような奴をなんで危険なんて言ったんだよジェイド・・・俺相手にこんなまっすぐな宣戦布告の宣言が出来るような奴なんてそうそういねぇぞ・・・下手に触れない方がいいじゃねぇか・・・」
それでジェイドに対しての文句に加えてカノンに対する印象を愚痴るように漏らす。
「そこのとこは陛下の責任も少なからずあると思いますよ」
「何・・・?」
そんな様子にデスマスクが口を開く、ピオニーにも責任があると恐れる事なく。
.