動く世界に聖闘士達

「・・・続けるが、俺が何故ジェイドの報告を鵜呑みに出来なかったのは二人の『ルーク』についてなんだが・・・あいつは隙を見てレプリカのルーク・・・つまり今お前達といる方のルークを始末することも視野に入れるように言ってきたことからだ」
「「!!」」
「・・・それは・・・本当なのですか・・・?」
そしてピオニーが意を決して口にしたジェイドの発言にアイオロスとデスマスクは目を見開き、カノンは愕然としかけながらも確認を取る。
「あぁ、間違いない。ジェイドの言い分としてはお前達の力と共にレプリカルークの事を利用されたなら混乱が起きかねないと言っていたが、あいつがフォミクリー技術に関していい気持ちを抱いてない事に加えてお前達に対する悪印象ばかりしかない話を聞いて流石に鵜呑みに出来ないと思ったんだ・・・特にあいつにとってはフォミクリー技術は思い出したくない過去だから、それが形になっているレプリカルークを葬り去ろうとしてるんじゃないかとな」
「・・・思い出したくない過去・・・その為に俺達をおとしめるばかりか、ルークの命までもを奪わんと考えていたというのか・・・!」
頷くピオニーはジェイドの考えを述べていくのだが、その考えがルークを害する物な為にカノンは怒りを滲ませながらうつむく。
「・・・あいつを擁護するような事を言われてもそちらの気分は晴れんだろうが、あくまでそうする方がいいといったニュアンスであっただけでそうするようにと言った訳じゃないぞ」
「・・・フォローをされてる所ですみませんが、陛下は何故大佐を庇われるのでしょうか?・・・我々と大佐の間の不和は先程も申し上げましたし、陛下自身もその理についてはどちらにあるかは今の発言よりどう思われているかは察することが出来ます・・・それでも尚彼を庇う理由とは一体なんなのでしょうか?今ここに私達を呼びこの話をしたのは私達に事実を知らせる以上に、彼に対しての何かこだわりのような物を感じたのですが・・・いかがですか?」
「っ・・・こだわり、か・・・予想以上に聡い物だな、お前達は・・・」
ピオニーはその姿にフォローではないとフォローを複雑そうに言うのだがアイオロスが鋭くその発言についての疑問を上げると、息を詰まらせどこか諦めたように笑みを浮かべる。
「・・・こだわりというのは間違ってはいない。あいつは俺にとって数少ない幼馴染みだからな」
「幼馴染みと言うのはかつてケテルブルクにいた時の私塾での関係からですね?」
「何故、それを?」
「このグランコクマに来る前にケテルブルクに寄った際、街の代表者であるネフリーという女性に会った上で街の人々に話を聞きました。そこで貴方達が幼馴染みだということも」
「ネフリーに・・・元気だったか?」
「えぇ。そしてディストも大佐に彼女と同様、その私塾の生徒だったと聞きました。その上でケテルブルクに行った時に彼女と三人でいた時に大佐とディストは何もなかったのですが、二人でいた時は何か言い争いをしていたようでした」
「そうなのか・・・」
それで自分達の関係を話し出すのだが既にその事実を知った上で話をするアイオロスにまた複雑そうに目をピオニーは伏せる。
「・・・そこまで知っているなら話は早いが、俺がジェイドに対してこだわりのようなものを持っているという理由はその幼馴染みという間柄があるからでもあるがビリム先生が亡くなったと共にその後・・・ジェイドがフォミクリー技術を以てネビリム先生を甦らせようとしたことが最も大きな理由と言えるだろう」
「死者の・・・蘇生・・・!?」
そのまま当時の事とその理由について話すピオニーだが、アイオロスはその発言に驚愕を浮かべる。まさかの言葉が出たことに。








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