動く世界に聖闘士達
「む・・・」
「どうした、二人とも?部屋から出て」
「お前こそどうした、アイオロス?何か用か?」
そんな空気の場にカミュがふと視線を向けた先にはアイオロスが来ていて疑問を向けるが、気を取り直したカノンは質問をし返す。
「いや、ディストがケテルブルクに着いたなら少し時間を取ってくれないかと言ってきたんだ」
「時間を?どうしてそんなことを?」
「話によれば故郷らしく寄るなら少し時間を取りたいとの事だ。それでついでに言うなら大佐も同郷だとも言っていた」
「何?・・・確かそのようなことは言っていたな。それにやたら大佐に絡んでもいたが・・・」
その質問にディストからの帰郷の申し出があったとアイオロスから出るのだが、ジェイドも同郷と聞きカノンは少し思い返すように呟く。
「・・・まぁいいだろう。ケテルブルクの港に着いてもそのままグランコクマへと船が出港するとは限らないだろうから、一日くらいは余裕があるだろう。その時くらいなら時間は取ってもいいと伝えてくれ」
「あぁ、分かった」
それで特に問題はないと返すカノンにアイオロスもすぐに頷く。
・・・その後アイオロスも部屋に戻り、少し時間が立ってから部屋から出てきたムウは暗示は解除したと言った。その後は暗示の解除に喜んだルークとカノン達の間で多少会話があったくらいで特に何もなく船は進み、ケテルブルクの港へと辿り着いた。
「・・・さて、ある程度予想はしていた訳だがグランコクマに向かう船は明日に出港する予定らしい。だからとりあえず今日は少し離れた所にあるケテルブルクの街の方に向かい宿を取るが、その後は自由時間にする。明日の出発までは街の中で好きにしてくれ」
「おや、随分と無用心な事をおっしゃるのですねぇ。今まで行動の自由を許さなかったと言うのに」
「このケテルブルクに謡将の息のかかった神託の盾がいないことを見越しての事だ。それに妙な事をすればすぐにこちらもその気配を察知して行動を起こす。心配はいらん」
「・・・そうですか」
・・・降りやまない雪に、一面雪化粧が施された港の中で船から降り立ったカノン達。
そこでもう口調を完璧に崩しディストの要望もあるが船が出ないことでケテルブルクに滞在すると話すカノンにジェイドが嫌味ったらしく指摘の言葉を向けるが、すぐに返ってきた否応ない力を感じさせる言葉にすぐに言葉を無くす。
「では行くぞ」
反論もないと見てすぐに出発を切り出すカノンに、微妙そうな顔を浮かべながらジェイドは他の面々と共にその後へと付いていく・・・
・・・そして港を出て少し歩いて辿り着いたケテルブルクに入り、カノンはチェックインを済ませしばらく解散との流れになった。
「・・・すげぇ・・・本当に冷気を操れるんだ・・・」
「私が得意とするのは物を破壊よりも止めることだからな・・・だが無闇に触らない方がいい。聖闘士でもない者がこの凍気に触れれば細胞が死んで、二度と再生出来なくなりかねんのでな」
「あぁ・・・」
それでルークはカノンにカミュの二人と一緒に街を見て回っていたのだが、一通り街を見終わった所で近くにあったベンチに三人で座りながら・・・カミュが小宇宙を使い手の中に凍気を留める姿に、改めて感動していた。前に何度か見ていたが譜術としてでなく、小宇宙を使い氷を扱う術を前にして。
「小宇宙って色んな事が出来るんだな・・・」
「まぁそうだが・・・色んなとは言っても当人の資質であったり、師がどのような事を教えるかにより使えるものは自ずと決まってくる。カミュにその弟子の氷河などは氷の闘法を使うが、その他の者はそれを扱えるとは限らない」
「へぇ~・・・」
しみじみとその光景に声を上げるルークにカノンからの補足が入り、また新たに知ったことに感心の声を上げる。そうなのかと心から。
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「どうした、二人とも?部屋から出て」
「お前こそどうした、アイオロス?何か用か?」
そんな空気の場にカミュがふと視線を向けた先にはアイオロスが来ていて疑問を向けるが、気を取り直したカノンは質問をし返す。
「いや、ディストがケテルブルクに着いたなら少し時間を取ってくれないかと言ってきたんだ」
「時間を?どうしてそんなことを?」
「話によれば故郷らしく寄るなら少し時間を取りたいとの事だ。それでついでに言うなら大佐も同郷だとも言っていた」
「何?・・・確かそのようなことは言っていたな。それにやたら大佐に絡んでもいたが・・・」
その質問にディストからの帰郷の申し出があったとアイオロスから出るのだが、ジェイドも同郷と聞きカノンは少し思い返すように呟く。
「・・・まぁいいだろう。ケテルブルクの港に着いてもそのままグランコクマへと船が出港するとは限らないだろうから、一日くらいは余裕があるだろう。その時くらいなら時間は取ってもいいと伝えてくれ」
「あぁ、分かった」
それで特に問題はないと返すカノンにアイオロスもすぐに頷く。
・・・その後アイオロスも部屋に戻り、少し時間が立ってから部屋から出てきたムウは暗示は解除したと言った。その後は暗示の解除に喜んだルークとカノン達の間で多少会話があったくらいで特に何もなく船は進み、ケテルブルクの港へと辿り着いた。
「・・・さて、ある程度予想はしていた訳だがグランコクマに向かう船は明日に出港する予定らしい。だからとりあえず今日は少し離れた所にあるケテルブルクの街の方に向かい宿を取るが、その後は自由時間にする。明日の出発までは街の中で好きにしてくれ」
「おや、随分と無用心な事をおっしゃるのですねぇ。今まで行動の自由を許さなかったと言うのに」
「このケテルブルクに謡将の息のかかった神託の盾がいないことを見越しての事だ。それに妙な事をすればすぐにこちらもその気配を察知して行動を起こす。心配はいらん」
「・・・そうですか」
・・・降りやまない雪に、一面雪化粧が施された港の中で船から降り立ったカノン達。
そこでもう口調を完璧に崩しディストの要望もあるが船が出ないことでケテルブルクに滞在すると話すカノンにジェイドが嫌味ったらしく指摘の言葉を向けるが、すぐに返ってきた否応ない力を感じさせる言葉にすぐに言葉を無くす。
「では行くぞ」
反論もないと見てすぐに出発を切り出すカノンに、微妙そうな顔を浮かべながらジェイドは他の面々と共にその後へと付いていく・・・
・・・そして港を出て少し歩いて辿り着いたケテルブルクに入り、カノンはチェックインを済ませしばらく解散との流れになった。
「・・・すげぇ・・・本当に冷気を操れるんだ・・・」
「私が得意とするのは物を破壊よりも止めることだからな・・・だが無闇に触らない方がいい。聖闘士でもない者がこの凍気に触れれば細胞が死んで、二度と再生出来なくなりかねんのでな」
「あぁ・・・」
それでルークはカノンにカミュの二人と一緒に街を見て回っていたのだが、一通り街を見終わった所で近くにあったベンチに三人で座りながら・・・カミュが小宇宙を使い手の中に凍気を留める姿に、改めて感動していた。前に何度か見ていたが譜術としてでなく、小宇宙を使い氷を扱う術を前にして。
「小宇宙って色んな事が出来るんだな・・・」
「まぁそうだが・・・色んなとは言っても当人の資質であったり、師がどのような事を教えるかにより使えるものは自ずと決まってくる。カミュにその弟子の氷河などは氷の闘法を使うが、その他の者はそれを扱えるとは限らない」
「へぇ~・・・」
しみじみとその光景に声を上げるルークにカノンからの補足が入り、また新たに知ったことに感心の声を上げる。そうなのかと心から。
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