取捨選択を求められる者達
『おい・・・まさか世界自体が滅びるなんて事が詠まれてるなんて思ってなかったよな・・・』
『あぁ・・・確かにそこまでとは思っていなかったが、ある意味これは正しい事だと私は思う』
『正しい?どういう意味だ、カミュ?』
その中でデスマスクが小宇宙の通信で話を向けるとカミュが納得を示す声を上げたことに、カノンが訳を問う。
『前に話に出ていただろう。預言は星の記憶を形にして詠めるようにした物だと。そして星も一つ視点を変えれば生命と見て取ることが出来、寿命という物も存在すると見れる。そう言った観点で星に未来があるのなら、当然・・・星という存在にも永遠など有り得ない。終焉はむしろ訪れて必然の物だと言えると私は見ている』
『成程・・・第七譜石はこの星が終わるという星の記憶を詠んだ物だと言うことなのか。その終焉が訪れるという時を詠んだ物と』
『あぁ・・・そして人々は第七音素を使うことが星の命を削る物であると知らず、預言には無上の人類の繁栄が詠まれてると信じるからこそまた預言を詠もうと躍起になる・・・悪循環もいいところだ。恐らく障気もハッキリしたわけではないが、星の命の危機に面して出てきた代物ではないかと私は見ている。第七音素を使い続けたことによって星から何かの警鐘という形でな』
『警鐘、か・・・星に無理をさせてまで得る繁栄は滅びに繋がる、と示す為の物だったのかもしれないな・・・だが昔のオールドラントの人々はそのようなことに考えを至らせることが出来ず、今に至るという事か・・・』
カミュはその問いに自分の推測を交えた上での考えを述べていき、カノンとアイオロスが共に重く声を上げる・・・預言を詠む事、第七音素の事、障気の事と様々思う所が出てきてしまってるだけに。
『・・・そして星の終焉って結末を知っちまったのがこのオッサンって訳ね』
重く空気が感じられる三人の会話に、デスマスクはあえて空気を壊すようそっとヴァンの事を呟く。
「信じられませぬか、陛下?ですがこれは事実なのですよ。そして私がアッシュを保護しようと決めたもう一つの理由でもあるのです」
「もう一つの理由だと・・・?」
「端的に言えば私は預言なき世界へと変える事でアッシュの存在を生かすことにより、預言を覆したことへの皮肉を込めようと思ったのですよ。預言などという物の為に滅びるくらいならいっそ我々がその世界を滅ぼし、新たな世界を造ってやろうという皮肉をね」
「・・・っ!」
ヴァンはそのまま楽しげでいて見下すような笑みを浮かべ盛大に自身の本心を明かし、インゴベルトはまるで得体の知れない物を見るかのようその姿に汗を浮かべ眼を剥いていた。
「んで、その結果が放言ばっか言っちまうバカ野郎の完成たぁちょっと穴がありすぎじゃねぇか?その計画も、アッシュに対するあんたの見通しもよ」
「っ・・・それを言われてしまうと痛いな・・・」
だがすぐにデスマスクの呆れ混じりの指摘に、インゴベルトの凹む姿にいい気分になっていたヴァンもすぐに苦い顔へと逆戻りになる。
「ま、大体聞きたいことは聞けた。謡将が本当の事を言ってるかどうかってことの真偽は今すぐには確かめは出来ねぇが、少なくとも嘘だってロクに事実を確かめもせず切り捨てんのは流石に無責任だなこれは・・・本当に戦争になって謡将の言う通りになったらそれこそ取り返しがつかないだろうな。世界が滅んじまったんなら文字通り、誰も取り返しをつけることを考えることすら出来ないんだしよ」
「「・・・っ!」」
そんな反応はさておきとデスマスクが口調を戻さず独り言を呟くように漏らした言葉に、インゴベルトだけでなく公爵も息を呑む。自分の言うことを無視してしまえばそれこそ取り返しのつかない事態になった時、どうなるものか・・・デスマスクからそう言われてるような物だと感じ取った為に。
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『あぁ・・・確かにそこまでとは思っていなかったが、ある意味これは正しい事だと私は思う』
『正しい?どういう意味だ、カミュ?』
その中でデスマスクが小宇宙の通信で話を向けるとカミュが納得を示す声を上げたことに、カノンが訳を問う。
『前に話に出ていただろう。預言は星の記憶を形にして詠めるようにした物だと。そして星も一つ視点を変えれば生命と見て取ることが出来、寿命という物も存在すると見れる。そう言った観点で星に未来があるのなら、当然・・・星という存在にも永遠など有り得ない。終焉はむしろ訪れて必然の物だと言えると私は見ている』
『成程・・・第七譜石はこの星が終わるという星の記憶を詠んだ物だと言うことなのか。その終焉が訪れるという時を詠んだ物と』
『あぁ・・・そして人々は第七音素を使うことが星の命を削る物であると知らず、預言には無上の人類の繁栄が詠まれてると信じるからこそまた預言を詠もうと躍起になる・・・悪循環もいいところだ。恐らく障気もハッキリしたわけではないが、星の命の危機に面して出てきた代物ではないかと私は見ている。第七音素を使い続けたことによって星から何かの警鐘という形でな』
『警鐘、か・・・星に無理をさせてまで得る繁栄は滅びに繋がる、と示す為の物だったのかもしれないな・・・だが昔のオールドラントの人々はそのようなことに考えを至らせることが出来ず、今に至るという事か・・・』
カミュはその問いに自分の推測を交えた上での考えを述べていき、カノンとアイオロスが共に重く声を上げる・・・預言を詠む事、第七音素の事、障気の事と様々思う所が出てきてしまってるだけに。
『・・・そして星の終焉って結末を知っちまったのがこのオッサンって訳ね』
重く空気が感じられる三人の会話に、デスマスクはあえて空気を壊すようそっとヴァンの事を呟く。
「信じられませぬか、陛下?ですがこれは事実なのですよ。そして私がアッシュを保護しようと決めたもう一つの理由でもあるのです」
「もう一つの理由だと・・・?」
「端的に言えば私は預言なき世界へと変える事でアッシュの存在を生かすことにより、預言を覆したことへの皮肉を込めようと思ったのですよ。預言などという物の為に滅びるくらいならいっそ我々がその世界を滅ぼし、新たな世界を造ってやろうという皮肉をね」
「・・・っ!」
ヴァンはそのまま楽しげでいて見下すような笑みを浮かべ盛大に自身の本心を明かし、インゴベルトはまるで得体の知れない物を見るかのようその姿に汗を浮かべ眼を剥いていた。
「んで、その結果が放言ばっか言っちまうバカ野郎の完成たぁちょっと穴がありすぎじゃねぇか?その計画も、アッシュに対するあんたの見通しもよ」
「っ・・・それを言われてしまうと痛いな・・・」
だがすぐにデスマスクの呆れ混じりの指摘に、インゴベルトの凹む姿にいい気分になっていたヴァンもすぐに苦い顔へと逆戻りになる。
「ま、大体聞きたいことは聞けた。謡将が本当の事を言ってるかどうかってことの真偽は今すぐには確かめは出来ねぇが、少なくとも嘘だってロクに事実を確かめもせず切り捨てんのは流石に無責任だなこれは・・・本当に戦争になって謡将の言う通りになったらそれこそ取り返しがつかないだろうな。世界が滅んじまったんなら文字通り、誰も取り返しをつけることを考えることすら出来ないんだしよ」
「「・・・っ!」」
そんな反応はさておきとデスマスクが口調を戻さず独り言を呟くように漏らした言葉に、インゴベルトだけでなく公爵も息を呑む。自分の言うことを無視してしまえばそれこそ取り返しのつかない事態になった時、どうなるものか・・・デスマスクからそう言われてるような物だと感じ取った為に。
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