取捨選択を求められる者達
「なぁアッシュよ・・・お前さんがこれまでどんな生き方をしてきたのかなんざ想像しか出来ねぇが、ルーク様と入れ替わりにダアトに行ってからの七年って時間がそんなに短くねぇ時間だってのはお前にだって分かるだろ?」
「・・・何が言いてぇ、テメェは・・・?」
「単純な事だ。テメェが七年生きてたのと同様、ルーク様や公爵に陛下だったり色んな人達も同じ分の時間を生きてきたんだ。なのにそいつを全く考えもしねぇで二人を排除して、自分がそこに戻りゃそれで万事解決なんて風に考えてた事に二人は驚かれてたんだぜ?その浅はかさにな」
「っ!?」
デスマスクがそこでアッシュに馬鹿にするような笑いを浮かべつつ視線を向ける姿にアッシュは怒りを滲ませるが、時の流れに二人の戸惑いの理由を告げられ衝撃を受けたように驚愕してたたらを踏んだ。
「ま、それ以外にもルーク様ばかりかカノンをあっさりと明らかに見捨てる事を躊躇いなく嬉々として切り出したことが理由にあるがな。特に先にルーク様がお前に対して最大限に気を使った決意を告げたってのに、全く迷った素振りも無かったってのはなぁ・・・流石にあんな風に言われちまったらいくら俺でも考えちまうぜ。例え感情に理屈が相手を受け入れないっつったって、多少の遠慮くらいはしようかどうかくらいはな」
「なっ・・・あれはこの屑が俺に遠慮するなと言ったからだろうが!」
「言ったろ?あんな風な言われ方されたら少しは考えちまうってな・・・まぁルーク様からしてみりゃ確かなお前の偽りない本音を聞きたいからあれでよかったのかもしれねぇが、端から見りゃどう見たってお前が悪者以外の何物でもなかったってのは一目瞭然だったぜ。あっさりと歩みよりを見せる人間を切り捨てたその姿はな。その気になりゃもうちょい言い方もあったし陛下達の心証もそこまで下がらなかっただろうに、なんであんな言い方しか出来なかったんだお前?」
「っ・・・!」
・・・元々の主義思考からして敵対する者に対して容赦などする事はないデスマスクだが、流石に嫌いだと断じた者を前にしても場の空気を無視した発言が出来る程に顔の面が厚い訳ではない。むしろ空気を呼んだ上で自分の意志を極端に批難されないよう、当たり障りない言葉に包んで伝えるくらいには考えを及ぼせる人物だ。
ルーク達への容赦の無さについていかにあからさま過ぎるくらいに分かりやすく悪者になったのか、それをサディストとしての笑み全開で突き付けるデスマスクにアッシュの顔が一気に怒りに染まる。
「うるせぇっ!!俺は悪くねぇっ!!悪いのは全部そこの劣化レプリカだろうが!!」
「「「「っ・・・」」」」
・・・そして次に口にされた怒りの反論は再び、いや先程以上に場を凍り付かせた。今までイキイキとアッシュを攻撃していたデスマスクもいきなりのその声に、ポカンとした表情を浮かべた。が、空気の読めるデスマスクは場の人間の中で一番にその表情を引き締めヴァンに視線を向ける。
「・・・おい、謡将。あんたこいつに一体どんな教育施しやがった?」
「・・・正直に言うなら私はただルークに対する憎しみを煽ってやれば神託の盾に逃げ出すことなく留まると思っただけだが、ここまで視野の狭い人間になるとまでは私にも予想出来ていなかった・・・」
「おいテメェ、無視「黙ってなクソガキ、今はテメェの番じゃねぇんだよ」・・・!」
そのままヴァンに問い掛けを静かに向け自身も苦々しそうに語る姿にアッシュは痺れを切らすが、デスマスクが一瞥して放った殺気混じりの視線と言葉に一気に冷や汗を大量に額に浮かべ押し黙った。
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「・・・何が言いてぇ、テメェは・・・?」
「単純な事だ。テメェが七年生きてたのと同様、ルーク様や公爵に陛下だったり色んな人達も同じ分の時間を生きてきたんだ。なのにそいつを全く考えもしねぇで二人を排除して、自分がそこに戻りゃそれで万事解決なんて風に考えてた事に二人は驚かれてたんだぜ?その浅はかさにな」
「っ!?」
デスマスクがそこでアッシュに馬鹿にするような笑いを浮かべつつ視線を向ける姿にアッシュは怒りを滲ませるが、時の流れに二人の戸惑いの理由を告げられ衝撃を受けたように驚愕してたたらを踏んだ。
「ま、それ以外にもルーク様ばかりかカノンをあっさりと明らかに見捨てる事を躊躇いなく嬉々として切り出したことが理由にあるがな。特に先にルーク様がお前に対して最大限に気を使った決意を告げたってのに、全く迷った素振りも無かったってのはなぁ・・・流石にあんな風に言われちまったらいくら俺でも考えちまうぜ。例え感情に理屈が相手を受け入れないっつったって、多少の遠慮くらいはしようかどうかくらいはな」
「なっ・・・あれはこの屑が俺に遠慮するなと言ったからだろうが!」
「言ったろ?あんな風な言われ方されたら少しは考えちまうってな・・・まぁルーク様からしてみりゃ確かなお前の偽りない本音を聞きたいからあれでよかったのかもしれねぇが、端から見りゃどう見たってお前が悪者以外の何物でもなかったってのは一目瞭然だったぜ。あっさりと歩みよりを見せる人間を切り捨てたその姿はな。その気になりゃもうちょい言い方もあったし陛下達の心証もそこまで下がらなかっただろうに、なんであんな言い方しか出来なかったんだお前?」
「っ・・・!」
・・・元々の主義思考からして敵対する者に対して容赦などする事はないデスマスクだが、流石に嫌いだと断じた者を前にしても場の空気を無視した発言が出来る程に顔の面が厚い訳ではない。むしろ空気を呼んだ上で自分の意志を極端に批難されないよう、当たり障りない言葉に包んで伝えるくらいには考えを及ぼせる人物だ。
ルーク達への容赦の無さについていかにあからさま過ぎるくらいに分かりやすく悪者になったのか、それをサディストとしての笑み全開で突き付けるデスマスクにアッシュの顔が一気に怒りに染まる。
「うるせぇっ!!俺は悪くねぇっ!!悪いのは全部そこの劣化レプリカだろうが!!」
「「「「っ・・・」」」」
・・・そして次に口にされた怒りの反論は再び、いや先程以上に場を凍り付かせた。今までイキイキとアッシュを攻撃していたデスマスクもいきなりのその声に、ポカンとした表情を浮かべた。が、空気の読めるデスマスクは場の人間の中で一番にその表情を引き締めヴァンに視線を向ける。
「・・・おい、謡将。あんたこいつに一体どんな教育施しやがった?」
「・・・正直に言うなら私はただルークに対する憎しみを煽ってやれば神託の盾に逃げ出すことなく留まると思っただけだが、ここまで視野の狭い人間になるとまでは私にも予想出来ていなかった・・・」
「おいテメェ、無視「黙ってなクソガキ、今はテメェの番じゃねぇんだよ」・・・!」
そのままヴァンに問い掛けを静かに向け自身も苦々しそうに語る姿にアッシュは痺れを切らすが、デスマスクが一瞥して放った殺気混じりの視線と言葉に一気に冷や汗を大量に額に浮かべ押し黙った。
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