取捨選択を求められる者達
「・・・話を戻すが私は部屋に戻っていいのか?」
「あぁすまない、部屋に戻っていいぞ」
「いや、ちょっとまだ聞きたいことがあるんだけど・・・なんで四人はまだ謡将の本音を聞こうとしないんだ?謁見の間で叔父上にも言ってたけど、聞こうと思えば今のうちに呼び出せば本音は聞けるんじゃないのか?」
一輝の流れに微妙な空気が流れる中でカミュがそこに役目御免と退出する事を切り出しカノンも頷くのだが、ふと出てきたルークの疑問の声に二人ともそちらへ視線を向ける。
「その点につきましては状況的に謡将の本音を聞き出せるような状態で無かったことは否定出来ません。本来でしたらアクゼリュスの地で全てを聞き出そうと思っていましたが、ルーク様にかけられたあの暗示による暴走・・・あの件で聞きそびれてしまったことで」
「っ!・・・あの時、か・・・」
その疑問にカノンは答えを返すのだが少し苦く顔を歪める姿に、ルークもつられて苦さを浮かべる。ルークが操られる場面はあまり思い出しても気持ちよくない為に。
「それにカノンが言うようあそこで聞きそびれてしまったこともありますが、一輝がその後に登場して各々の心の内を覗いたと取れる発言が出てきた事により後に一輝に聞く事へと話が進みました。ですが一輝はその後にアクゼリュスより姿を消し、先の謁見の間からまた姿を消しました。ですので一輝に話を聞くことは出来ないということに加え、夜になれば話をするという時にまた話をと言うのは二度手間ではないかとの事もあり謡将には話を聞かないのです」
「あ~、そういうことだったのか・・・」
その話を引き継ぐカミュの冷静な説明にルークも納得したようで頭を触る。
「・・・あっ、でも謡将がそこまでしようとした理由ってなんなんだろうな・・・そんな預言をぶち壊そうとまでするって・・・」
「・・・夜になれば直接お聞き出来るでしょうが、預言により死にかける程の目にあったくらいは想像が出来ます。もしくはそれ以上の何かということも有り得ますが、預言の被害者であるラルゴ達を迎え入れている以上はそれくらいは有り得るかと」
「だよな・・・」
そこでふとヴァンの動機について予想を聞くルークにカノンも真剣に予想を述べ、その答えに複雑そうに頭をかく。
「・・・一つ疑問に思ったのですが、よろしいですか?」
「なんだ、カミュ?」
「ルーク様はファブレに来てから謡将と交流をしていたのは聞いたのですが、謡将に対してどのような印象を感じておられるのですか?今までの様子と今のルーク様の様子を伺っていたところ、どのような印象をお持ちなのかどうとも判断がつきにくいのですが・・・」
「・・・ん~、謡将の印象ね~・・・」
カミュがそんな姿に自身が感じた疑問をルークに向けると、視線を斜め上に向けながら考え込む。
「・・・まぁ一言で言うとよく来る剣を教えに来るおっさんって感じだったな。んでカノン除いたら俺にガイに次いで気安く接してくる人ってくらいで、別にそこまで悪い印象はなかったかなぁ・・・」
「・・・それまでは言っては何ですが、大した印象はなかったということですか」
「まぁそうだな・・・ただアクゼリュスの事があってから謡将は俺にそんなことさせようとしてたんだって、そこから前よっか謡将の事を考えるようになったんだよ」
「だからこその今の謡将への興味、と言うわけですね?」
「そうなるな」
「成程、ありがとうございます」
それで顔の位置を戻しヴァンについての印象は変動していったと語るルークに、カミュは納得して頭を下げる。
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「あぁすまない、部屋に戻っていいぞ」
「いや、ちょっとまだ聞きたいことがあるんだけど・・・なんで四人はまだ謡将の本音を聞こうとしないんだ?謁見の間で叔父上にも言ってたけど、聞こうと思えば今のうちに呼び出せば本音は聞けるんじゃないのか?」
一輝の流れに微妙な空気が流れる中でカミュがそこに役目御免と退出する事を切り出しカノンも頷くのだが、ふと出てきたルークの疑問の声に二人ともそちらへ視線を向ける。
「その点につきましては状況的に謡将の本音を聞き出せるような状態で無かったことは否定出来ません。本来でしたらアクゼリュスの地で全てを聞き出そうと思っていましたが、ルーク様にかけられたあの暗示による暴走・・・あの件で聞きそびれてしまったことで」
「っ!・・・あの時、か・・・」
その疑問にカノンは答えを返すのだが少し苦く顔を歪める姿に、ルークもつられて苦さを浮かべる。ルークが操られる場面はあまり思い出しても気持ちよくない為に。
「それにカノンが言うようあそこで聞きそびれてしまったこともありますが、一輝がその後に登場して各々の心の内を覗いたと取れる発言が出てきた事により後に一輝に聞く事へと話が進みました。ですが一輝はその後にアクゼリュスより姿を消し、先の謁見の間からまた姿を消しました。ですので一輝に話を聞くことは出来ないということに加え、夜になれば話をするという時にまた話をと言うのは二度手間ではないかとの事もあり謡将には話を聞かないのです」
「あ~、そういうことだったのか・・・」
その話を引き継ぐカミュの冷静な説明にルークも納得したようで頭を触る。
「・・・あっ、でも謡将がそこまでしようとした理由ってなんなんだろうな・・・そんな預言をぶち壊そうとまでするって・・・」
「・・・夜になれば直接お聞き出来るでしょうが、預言により死にかける程の目にあったくらいは想像が出来ます。もしくはそれ以上の何かということも有り得ますが、預言の被害者であるラルゴ達を迎え入れている以上はそれくらいは有り得るかと」
「だよな・・・」
そこでふとヴァンの動機について予想を聞くルークにカノンも真剣に予想を述べ、その答えに複雑そうに頭をかく。
「・・・一つ疑問に思ったのですが、よろしいですか?」
「なんだ、カミュ?」
「ルーク様はファブレに来てから謡将と交流をしていたのは聞いたのですが、謡将に対してどのような印象を感じておられるのですか?今までの様子と今のルーク様の様子を伺っていたところ、どのような印象をお持ちなのかどうとも判断がつきにくいのですが・・・」
「・・・ん~、謡将の印象ね~・・・」
カミュがそんな姿に自身が感じた疑問をルークに向けると、視線を斜め上に向けながら考え込む。
「・・・まぁ一言で言うとよく来る剣を教えに来るおっさんって感じだったな。んでカノン除いたら俺にガイに次いで気安く接してくる人ってくらいで、別にそこまで悪い印象はなかったかなぁ・・・」
「・・・それまでは言っては何ですが、大した印象はなかったということですか」
「まぁそうだな・・・ただアクゼリュスの事があってから謡将は俺にそんなことさせようとしてたんだって、そこから前よっか謡将の事を考えるようになったんだよ」
「だからこその今の謡将への興味、と言うわけですね?」
「そうなるな」
「成程、ありがとうございます」
それで顔の位置を戻しヴァンについての印象は変動していったと語るルークに、カミュは納得して頭を下げる。
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