取捨選択を求められる者達
「・・・色々思うところはあるでしょうが、次にまいりましょう。ラルゴの次にディストが来ることになっていますので、そろそろカミュが連れてくる手筈になっています」
「そう、か・・・その前に一応聞くけど、アッシュにはラルゴの事は言わない方がやっぱりいいんだよな・・・?」
「そうなります。確かにアッシュも知りたがってはいますが、ラルゴはその事を言われることを望んでいないことに加え彼が事実を知ったらどのような反応を起こすか予想がつきにくくなります。ただ何を思ってかアッシュがその事実を周りに明かすような事があれば、その時はキムラスカが相当な混乱に包まれるのは容易に想像がつきます。ですので彼にその事を申し上げるのはおやめください」
「やっぱりそうなるのか・・・」
そして話を次に進めるようにしようとするカノンにルークはアッシュに話をしないのかと聞くが、それはやめるようにと告げられ力なく納得する。
「・・・そろそろディストが参ります。気を取り直しください」
「・・・あぁ、わかった・・・」
‘ガチャッ’
「連れてきたぞ、カノン」
「あぁ、済まないカミュ」
そんな姿にあえて触れず話を進めていくカノン達の元に、ディストを伴ってきたカミュが入室してきた。そっと挨拶を交わす両者だが、カノンはすぐに視線をディストに向ける。
「さて、お前にここに来てもらった訳についてだが何か分かるか?」
「い、いえ・・・な、何故でしょうか・・・?」
「なら言うが、何故お前がレプリカ技術を用いて謡将に協力しているのかを聞くためだ・・・このような言い方はどうかとは思うが、お前にはこれまでの旅の間で謡将や神託の盾に対する忠誠を感じれるような事はなかった。その事にお前は何のために謡将達に協力しているのかと聞こうと思ったのだ」
「あ、あぁ・・・そういうことですか・・・」
カノンが空気を引き締めまずはと問い掛けるがまだ怯えを見せながらディストは首を横に振り、その訳を言うとホッと安心したように声を漏らす。
「まぁその訳に関しては簡単ですよ。彼が私の事を聞いて接触してきて研究の場と研究費を提供する代わりに、私の研究したレプリカ技術を彼に提供する事を条件に私は神託の盾に入ったのですよ」
「成程・・・交換条件と言うわけか。だからお前は謡将に対し、忠誠を誓うような気にはならなかったということか」
「そうなりますね。ですがそれはヴァンも私も互いに了承済の事です。一応人前では人目を気にして態度は上下を意識したものにしていましたが、私もヴァンも互いに姿勢を重要視などしていませんでしたので多分二人きりの時などだったら彼も何も言わなかったでしょうね」
「・・・利害関係による結び付きでしかなかったから、か?」
「そうですね。現に私がヴァンに忠誠を誓っていなかったことなど彼も承知の事だったと思いますから、後にその事を聞けばいいと思いますよ」
そしてディストはつらつらと語っていく、自分は別にヴァンに忠誠を誓っていた訳ではないという熱の無さを。その姿に話をしているカノンだけでなくルークにカミュの視線にも冷静さとは違う、冷ややかさが宿っていく。
「そうか・・・ならその事については後で本人にでも聞こう。それで次の質問に行くが、お前はこれからどうするつもりだ?」
「どうするつもり、とは?」
「俺達は一応という形になるが、お前達の身元を引き受けている。アクゼリュスを消滅させようとした一味として、非公式な形としてもだ。それを公表するかどうか、はたまたどのような形で公表するかにしてもお前達の処遇というのはいずれ決めねばならない・・・その時にお前はどうするか、と聞いているんだ」
「っ・・・そういうことですか・・・」
カノンはそのまま話を続けるのだがその中身にディストは冷や汗を浮かべる、その判断次第では自分の立場に命が危ういと感じた為に。
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「そう、か・・・その前に一応聞くけど、アッシュにはラルゴの事は言わない方がやっぱりいいんだよな・・・?」
「そうなります。確かにアッシュも知りたがってはいますが、ラルゴはその事を言われることを望んでいないことに加え彼が事実を知ったらどのような反応を起こすか予想がつきにくくなります。ただ何を思ってかアッシュがその事実を周りに明かすような事があれば、その時はキムラスカが相当な混乱に包まれるのは容易に想像がつきます。ですので彼にその事を申し上げるのはおやめください」
「やっぱりそうなるのか・・・」
そして話を次に進めるようにしようとするカノンにルークはアッシュに話をしないのかと聞くが、それはやめるようにと告げられ力なく納得する。
「・・・そろそろディストが参ります。気を取り直しください」
「・・・あぁ、わかった・・・」
‘ガチャッ’
「連れてきたぞ、カノン」
「あぁ、済まないカミュ」
そんな姿にあえて触れず話を進めていくカノン達の元に、ディストを伴ってきたカミュが入室してきた。そっと挨拶を交わす両者だが、カノンはすぐに視線をディストに向ける。
「さて、お前にここに来てもらった訳についてだが何か分かるか?」
「い、いえ・・・な、何故でしょうか・・・?」
「なら言うが、何故お前がレプリカ技術を用いて謡将に協力しているのかを聞くためだ・・・このような言い方はどうかとは思うが、お前にはこれまでの旅の間で謡将や神託の盾に対する忠誠を感じれるような事はなかった。その事にお前は何のために謡将達に協力しているのかと聞こうと思ったのだ」
「あ、あぁ・・・そういうことですか・・・」
カノンが空気を引き締めまずはと問い掛けるがまだ怯えを見せながらディストは首を横に振り、その訳を言うとホッと安心したように声を漏らす。
「まぁその訳に関しては簡単ですよ。彼が私の事を聞いて接触してきて研究の場と研究費を提供する代わりに、私の研究したレプリカ技術を彼に提供する事を条件に私は神託の盾に入ったのですよ」
「成程・・・交換条件と言うわけか。だからお前は謡将に対し、忠誠を誓うような気にはならなかったということか」
「そうなりますね。ですがそれはヴァンも私も互いに了承済の事です。一応人前では人目を気にして態度は上下を意識したものにしていましたが、私もヴァンも互いに姿勢を重要視などしていませんでしたので多分二人きりの時などだったら彼も何も言わなかったでしょうね」
「・・・利害関係による結び付きでしかなかったから、か?」
「そうですね。現に私がヴァンに忠誠を誓っていなかったことなど彼も承知の事だったと思いますから、後にその事を聞けばいいと思いますよ」
そしてディストはつらつらと語っていく、自分は別にヴァンに忠誠を誓っていた訳ではないという熱の無さを。その姿に話をしているカノンだけでなくルークにカミュの視線にも冷静さとは違う、冷ややかさが宿っていく。
「そうか・・・ならその事については後で本人にでも聞こう。それで次の質問に行くが、お前はこれからどうするつもりだ?」
「どうするつもり、とは?」
「俺達は一応という形になるが、お前達の身元を引き受けている。アクゼリュスを消滅させようとした一味として、非公式な形としてもだ。それを公表するかどうか、はたまたどのような形で公表するかにしてもお前達の処遇というのはいずれ決めねばならない・・・その時にお前はどうするか、と聞いているんだ」
「っ・・・そういうことですか・・・」
カノンはそのまま話を続けるのだがその中身にディストは冷や汗を浮かべる、その判断次第では自分の立場に命が危ういと感じた為に。
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