取捨選択を求められる者達
「あんたがあのお姫様を取り返したいかどうかってよりも、重要なのはお姫様をどう言った風な気持ちで見るかって事だよ。何せ今のお姫様ってのは微妙極まりない立場だ。事実を本人には伝えちゃいないのは分かるが、どっちにしたって今の状況ってのはとてつもなく危うい・・・一つ間違えりゃそのお姫様って地位が終わりになったっておかしくないんだぜ?だってインゴベルト陛下はその事を知ってしまってんだしな」
「っ・・・!」
「ま、インゴベルト陛下もすぐにあのお姫様をどうこうしようなんてことは思いはしないだろうが・・・あんたもケセドニアで危機感を持っただろ?お姫様が、お姫様らしい行動をしていないって事にな」
「っ!」
デスマスクが語るナタリアの現在の状況にラルゴは静かに息を呑むが、更に続けられた自身の行動からの推測に今度はハッキリと驚き息を呑んだ。その時の気持ちは正確に読まれていたと明かさんばかりに。
「本当の親だっていうあんたの前で言うのもどうかとは思うが、あんたもある程度覚悟してるだろうから言わせてもらうぜ・・・今言ったようにお姫様の状況は微妙だ。それこそきっかけ一つでお姫様って立場が終わりになるのは容易に想像がつく。そこで迂闊な行動を取りゃそれこそそこまでだ・・・もうお姫様としての立場はその時点で永久に失われる可能性が高い」
「ちょっと待った・・・じゃあそのナタリアが王女じゃいられなくなるって、どうしたらそうなんだ?」
「そうですね・・・例として上げるなら陛下の制止を聞かずにまた王命に背く、が一番可能性が高い事になるでしょう。現在のナタリア様はその事実を知らされていませんので、また自己の判断で陛下の命より自分の判断を優先したなら事実を告げてナタリア様を沈黙させた上で王女としての権限の剥奪・・・その上でどうなるかはその後の展開次第なのでハッキリ申し上げることは出来ませんが、それ以上の事も有り得るとだけ申し上げておきます」
「・・・っ!」
その顔を見た上で話を続けていくデスマスクにルークが質問を投げ掛けるのだが、口調を丁寧に変えてもしものナタリアの末路を・・・それこそ死すら有り得ると暗に示され、そっと顔色を青くした。
「その上で言えることですが、今の状況でナタリア様がいたずらに行動する事もですがナタリア様の事実を外から明かされるような事も陛下の心の内を考えれば避けたい事柄でしょう。そうなればキムラスカの混乱を招くと共に、ナタリア様をどのように扱わねばならぬのかの決断を迫られる事になるのは明白です」
「それは・・・」
「・・・成程、お前が言いたいのは俺に妙な真似はするなということか。俺が王女の本当の父親だとバラすなとな」
「ま、平たく言えばそうだな」
「っ・・・そうなのか・・・?」
更にナタリアの立場がもたらす物についての話を進めるデスマスクにラルゴが言いたいことを察して声を上げると、なんの事もなさそうに正解と告げルークは呆然と言葉を漏らす。
「つっても俺としちゃあんたにそういった事の心配はしちゃいない。あんたは見るからに不器用そうだし、そういった自分は父親だなんて宣言をするとも思えないしな・・・むしろあんたに覚悟してもらわなきゃいけないのはお姫様自身がやっちまった場合の事だよ」
「何・・・?」
「まぁあんたも俺らの話を聞いたなら分かるだろうが、俺らは別にあのお姫様を是が非でもその座から引きずり下ろそうなんざ考えちゃいねぇ。が、勝手にヘマして転がり落ちていくような事をするお姫様をわざわざ助けようなんて気もねぇしそもそもを言えば俺らもそうだし、カノンもファブレの執事って立場の人間であのお姫様の事を強く諌める立場にいねぇ。だからあのお姫様が何かやったって・・・俺らがお姫様を助けるなんて義理もだが権利もねぇって訳だ」
「っ!」
デスマスクはそのルークには構わず話を続けていくのだが、その中身を受けて愕然と目を見開いた。デスマスク達はナタリアが何かなっても助けるつもりと共に、権利がないとの事に。
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「っ・・・!」
「ま、インゴベルト陛下もすぐにあのお姫様をどうこうしようなんてことは思いはしないだろうが・・・あんたもケセドニアで危機感を持っただろ?お姫様が、お姫様らしい行動をしていないって事にな」
「っ!」
デスマスクが語るナタリアの現在の状況にラルゴは静かに息を呑むが、更に続けられた自身の行動からの推測に今度はハッキリと驚き息を呑んだ。その時の気持ちは正確に読まれていたと明かさんばかりに。
「本当の親だっていうあんたの前で言うのもどうかとは思うが、あんたもある程度覚悟してるだろうから言わせてもらうぜ・・・今言ったようにお姫様の状況は微妙だ。それこそきっかけ一つでお姫様って立場が終わりになるのは容易に想像がつく。そこで迂闊な行動を取りゃそれこそそこまでだ・・・もうお姫様としての立場はその時点で永久に失われる可能性が高い」
「ちょっと待った・・・じゃあそのナタリアが王女じゃいられなくなるって、どうしたらそうなんだ?」
「そうですね・・・例として上げるなら陛下の制止を聞かずにまた王命に背く、が一番可能性が高い事になるでしょう。現在のナタリア様はその事実を知らされていませんので、また自己の判断で陛下の命より自分の判断を優先したなら事実を告げてナタリア様を沈黙させた上で王女としての権限の剥奪・・・その上でどうなるかはその後の展開次第なのでハッキリ申し上げることは出来ませんが、それ以上の事も有り得るとだけ申し上げておきます」
「・・・っ!」
その顔を見た上で話を続けていくデスマスクにルークが質問を投げ掛けるのだが、口調を丁寧に変えてもしものナタリアの末路を・・・それこそ死すら有り得ると暗に示され、そっと顔色を青くした。
「その上で言えることですが、今の状況でナタリア様がいたずらに行動する事もですがナタリア様の事実を外から明かされるような事も陛下の心の内を考えれば避けたい事柄でしょう。そうなればキムラスカの混乱を招くと共に、ナタリア様をどのように扱わねばならぬのかの決断を迫られる事になるのは明白です」
「それは・・・」
「・・・成程、お前が言いたいのは俺に妙な真似はするなということか。俺が王女の本当の父親だとバラすなとな」
「ま、平たく言えばそうだな」
「っ・・・そうなのか・・・?」
更にナタリアの立場がもたらす物についての話を進めるデスマスクにラルゴが言いたいことを察して声を上げると、なんの事もなさそうに正解と告げルークは呆然と言葉を漏らす。
「つっても俺としちゃあんたにそういった事の心配はしちゃいない。あんたは見るからに不器用そうだし、そういった自分は父親だなんて宣言をするとも思えないしな・・・むしろあんたに覚悟してもらわなきゃいけないのはお姫様自身がやっちまった場合の事だよ」
「何・・・?」
「まぁあんたも俺らの話を聞いたなら分かるだろうが、俺らは別にあのお姫様を是が非でもその座から引きずり下ろそうなんざ考えちゃいねぇ。が、勝手にヘマして転がり落ちていくような事をするお姫様をわざわざ助けようなんて気もねぇしそもそもを言えば俺らもそうだし、カノンもファブレの執事って立場の人間であのお姫様の事を強く諌める立場にいねぇ。だからあのお姫様が何かやったって・・・俺らがお姫様を助けるなんて義理もだが権利もねぇって訳だ」
「っ!」
デスマスクはそのルークには構わず話を続けていくのだが、その中身を受けて愕然と目を見開いた。デスマスク達はナタリアが何かなっても助けるつもりと共に、権利がないとの事に。
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