取捨選択を求められる者達
・・・カノンとルークの兄弟としての絆が深まるそんな心暖まる一幕もあったが、夜にまでやることはまだある。故に二人は少ししてから空気を一新し、自分達の元にデスマスクを呼んだ。ある男と共に。
「・・・来たか」
「・・・そいつを置いていていいのか?」
「ルーク様にもお前の事を知る権利はある。それにここでお前から知り得た事は黙ってもらうことは了承してもらっている。だがそれよりなにより・・・アッシュにお前の事を聞かれるよりはいいと思うが?」
「・・・否定出来んな。それにそういう条件ならこれ以上ごねる訳にもいかんだろう。元々事態が納まれば話すと決めていた事だからな」
・・・その男とはラルゴ。
デスマスクと共に入室してきた事に早速会話を交わし、カノンに反論出来ずに納得する。
「ならいいが・・・こちらも回りくどく言うつもりはないから単刀直入に聞こう・・・ラルゴ。お前はナタリア王女とどのような関係だ?」
「・・・・・・父だ」
「父・・・父って、えっ・・・まさか・・・!?」
「・・・お前が本当のナタリア王女の父親ということか」
「・・・そうだ」
そして真剣にカノンが切り出した問いに間は空いたもののラルゴは簡潔に答え、ルークはハッとして驚きカノンはその言葉を把握した・・・ナタリアの本当の父、その事実を。
「おいおい、なんらかの関係があるとは思っちゃいたがまさか本当の父親なのかよ・・・んじゃ神託の盾に入って謡将殿の配下になったのはんな事をしでかした預言への復讐の為って所か?」
「・・・大まかに言えばそういう所だ」
「ちょっ、ちょっと待てよ!・・・いや、ラルゴの気持ちを考えると全くわかんない話じゃないとは思う・・・でもなんでそこまでする必要があったんだよ・・・抗議をするとか、なんでそうしなかったんだ・・・?」
「・・・妻のシルヴィアが娘を奪われた事により狂い、バチカルの海に身を投じ・・・死んだからだ・・・!」
「「「!!」」」
デスマスクも軽く驚きを見せつつ会話に加わるが飛躍しすぎではとルークから出てきた質問・・・その質問に確かな怒りを滲ませながら妻の死を告げたラルゴに、三人もまた目を見張った。
「・・・その事実を俺が知ったのは傭兵としての仕事を終えバチカルに戻った時になる・・・確かに当時の俺は事実を知り、どうにかしようと動こうとした・・・しかし誰も俺に強力してくれなかった。シルヴィアと近しい者達も誰もシルヴィアの無念を晴らそうなどとはな・・・!」
「・・・それでお前は諦めたと言うわけか。ナタリア王女を自分の娘として取り戻すことに、妻の無念を正攻法で晴らすことを。そして預言を意味のないものとしようとする謡将に忠義を誓う・・・と」
「・・・そう言うことになる」
そのまま当時を思い出し自分の無念までもを含めて語るラルゴは、カノンは改めて確認を取られ少し冷静さを取り戻し頷く。
「・・・しっかしまた随分な体験してんだな、このおっさんも。この分じゃ他の奴らも程度の差はあれ似たり寄ったりな感じだと思うが、どうだカノン?」
「おそらくそうだろう。だがそれを全員に確認する時間はないし、一々全てを白状してもらうのもあまり誉められた行為とは言えん・・・必要になったらその時に、と言うのが妥当だろう」
「だな」
デスマスクがその流れに他の六神将についてもと切り出すが、カノンのあまり積極的ではない返答に納得する。この辺りはデスマスクもさして重要とは思っていないようだ。
「ま、それよっか問題があるなら・・・このおっさんがどういう風な行動を取るか、だな」
「俺が娘を取り返すかどうか・・・か?」
「いや、そうじゃねぇ」
「何?」
そしてそのまま意味深に視線を向けるデスマスクにラルゴは警戒染みた目で返すが、首を横に振られた事に目を丸くする。
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「・・・来たか」
「・・・そいつを置いていていいのか?」
「ルーク様にもお前の事を知る権利はある。それにここでお前から知り得た事は黙ってもらうことは了承してもらっている。だがそれよりなにより・・・アッシュにお前の事を聞かれるよりはいいと思うが?」
「・・・否定出来んな。それにそういう条件ならこれ以上ごねる訳にもいかんだろう。元々事態が納まれば話すと決めていた事だからな」
・・・その男とはラルゴ。
デスマスクと共に入室してきた事に早速会話を交わし、カノンに反論出来ずに納得する。
「ならいいが・・・こちらも回りくどく言うつもりはないから単刀直入に聞こう・・・ラルゴ。お前はナタリア王女とどのような関係だ?」
「・・・・・・父だ」
「父・・・父って、えっ・・・まさか・・・!?」
「・・・お前が本当のナタリア王女の父親ということか」
「・・・そうだ」
そして真剣にカノンが切り出した問いに間は空いたもののラルゴは簡潔に答え、ルークはハッとして驚きカノンはその言葉を把握した・・・ナタリアの本当の父、その事実を。
「おいおい、なんらかの関係があるとは思っちゃいたがまさか本当の父親なのかよ・・・んじゃ神託の盾に入って謡将殿の配下になったのはんな事をしでかした預言への復讐の為って所か?」
「・・・大まかに言えばそういう所だ」
「ちょっ、ちょっと待てよ!・・・いや、ラルゴの気持ちを考えると全くわかんない話じゃないとは思う・・・でもなんでそこまでする必要があったんだよ・・・抗議をするとか、なんでそうしなかったんだ・・・?」
「・・・妻のシルヴィアが娘を奪われた事により狂い、バチカルの海に身を投じ・・・死んだからだ・・・!」
「「「!!」」」
デスマスクも軽く驚きを見せつつ会話に加わるが飛躍しすぎではとルークから出てきた質問・・・その質問に確かな怒りを滲ませながら妻の死を告げたラルゴに、三人もまた目を見張った。
「・・・その事実を俺が知ったのは傭兵としての仕事を終えバチカルに戻った時になる・・・確かに当時の俺は事実を知り、どうにかしようと動こうとした・・・しかし誰も俺に強力してくれなかった。シルヴィアと近しい者達も誰もシルヴィアの無念を晴らそうなどとはな・・・!」
「・・・それでお前は諦めたと言うわけか。ナタリア王女を自分の娘として取り戻すことに、妻の無念を正攻法で晴らすことを。そして預言を意味のないものとしようとする謡将に忠義を誓う・・・と」
「・・・そう言うことになる」
そのまま当時を思い出し自分の無念までもを含めて語るラルゴは、カノンは改めて確認を取られ少し冷静さを取り戻し頷く。
「・・・しっかしまた随分な体験してんだな、このおっさんも。この分じゃ他の奴らも程度の差はあれ似たり寄ったりな感じだと思うが、どうだカノン?」
「おそらくそうだろう。だがそれを全員に確認する時間はないし、一々全てを白状してもらうのもあまり誉められた行為とは言えん・・・必要になったらその時に、と言うのが妥当だろう」
「だな」
デスマスクがその流れに他の六神将についてもと切り出すが、カノンのあまり積極的ではない返答に納得する。この辺りはデスマスクもさして重要とは思っていないようだ。
「ま、それよっか問題があるなら・・・このおっさんがどういう風な行動を取るか、だな」
「俺が娘を取り返すかどうか・・・か?」
「いや、そうじゃねぇ」
「何?」
そしてそのまま意味深に視線を向けるデスマスクにラルゴは警戒染みた目で返すが、首を横に振られた事に目を丸くする。
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