変遷は聖闘士の引き起こす猛威

・・・そのようにインゴベルトが得体の知れない恐怖を感じている中、モースは幻魔拳を受け幻を見ていた。



「・・・何だ?貴様今何をした?鳳凰幻魔拳だと?全く何も起きないではないか」
「フッ・・・」
「・・・もういいわ!これ以上貴様らに付き合うような時間はない!さぁ陛下!こやつらを捕らえるよう兵士を呼び、命をお下しください!」
「う・・・むぅ、わかった・・・」
鳳凰幻魔拳を受けはしたが、全く効果が見えはしない。モースは嘲笑うような笑みを浮かべ一輝もただ意味深に笑みを浮かべるが、それで瞬時に怒りに表情を変えインゴベルトに捕縛をするように言い、やむを得ず頷く。












・・・そしてその後モースはカノン達が捕らえられる姿を見た後に再びルーク達をアクゼリュスに送るのを見届けた後、アクゼリュスが消滅したとの情報を受け早速とインゴベルトに戦争を仕掛けるように進言した。

それからはすぐさまキムラスカとマルクトは即刻に開戦し、戦況が芳しくないとなったならまた配下に戻ったヴァン達に命令を下し神託の盾を戦場に派遣してキムラスカに有利な状況にさせるようにしていき・・・時間こそかかったが、キムラスカがマルクトを滅ぼすという結果へと辿り着いた。



「ウワーハハハッ!ようやくマルクトが滅びたぞ!これで預言による繁栄が訪れる!最高だ!最高の気分だ!」
・・・ダアトの中の大詠師の部屋、そこでモースは一人高らかに笑っていた。預言を達成出来た事実に気分を高揚させながら。
‘コンコン’
「大詠師、よろしいでしょうか?」
「んっ・・・な、なんだヴァンよ・・・いきなり来るとは・・・」
そんな時に控え目なノックの後に入室してきたヴァンに少し気恥ずかしげになりながら悪態を持って誤魔化しで返す。
「では早速ですが用件をお伝えします・・・第七譜石が見付かりました。その中身から見て先の戦争が詠まれた譜石の続きと見て間違いありません」
「なにっ!?それは真か!?」
しかしその用件を聞いた瞬間モースは喜色を浮かべた、第七譜石との言葉に。
「はい、こちらに持ってまいりました」
「お、おぉ・・・これが第七譜石・・・」
「この中身は既に導師により詠まれていますので、その中身を詠み上げさせていただきますがよろしいですか?」
「あぁ、すぐに頼む!」
更にヴァンが手元から譜石を取り出すと目を輝かせそれを凝視し、中身を知りたいかを聞くと心底嬉しそうに即刻頷く。



「・・・これがマルクトの最後なり。そしてダアトの大詠師が今までの罪業を明らかにして罰を受けながら命を失うことにより、オールドラントは二度と終わらぬ繁栄を迎える事になる」



「・・・は?」
・・・だがいざ詠まれたその中身にモースはただ呆然と声を上げた、繁栄はともかく自分が死ぬという信じられない言葉を耳にし。
「・・・ヴ、ヴァン・・・貴様それは本気で言っているのか・・・?」
「勿論本気です。そして中身としてもこれが本物であると導師のお墨付きをいただけました」
「う、嘘をつくな!わ、私が死ぬだと!?私は預言を達成する事に従事してきたのだぞ!なのに何故私が死なねばならんのだ!?」
「往生際が悪いですよ大詠師。貴方の目的は預言の達成なのでしょう?ならばそれに従っていただきましょうか」
「・・・ぐっ!?き、貴様何をする!?離せ!離さんか!どこに行くというのだ!?」
すぐに信じられないと呆然と声を上げるモースに嘘ではないとヴァンが返すと、自分がそんなことを詠まれる訳がないと叫び出す。しかしヴァンは全く耳を貸すことなくモースの腕を取って捻り上げて拘束し、移動していく・・・










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