変遷は聖闘士の引き起こす猛威
「無論これは考えられる中での最悪の可能性ですが、どうなるにせよ大幅な国交の見直しは必要かと思われます。今の時点ですらダアトの手はそのように伸びてきて影響を及ぼしているのですから、この辺りで見切りをつける事は最低限しなければならないかと」
「・・・そう、だな・・・見切りはつけねばならぬか・・・そう思えばこちらにルーク達が戻ってきて城に着いた時がその為の機会となるというわけか・・・そこでもし私が屈することになれば、キムラスカはダアトの言いなりのままに動く傀儡の存在になりかねないか・・・」
「はい。もし大詠師に屈したなら、前に言ったよう謡将にアッシュに六神将の存在を無条件に引き渡すことを命じられるのは間違いないでしょう。そうなったらそれこそダアトに何を言われようと以降は泣き寝入りするしかなくなる可能性は極めて高くなることも。それを思えばそこがダアトとの国交の見直しを計れる最後の機会になるかと思われます」
「・・・ここが正念場、と言うことか・・・!」
それで注意を述べた上で最大限にダアトへの警戒心を喚起させるようにカノンが申し上げていけば、公爵も真剣に厳めしく表情を固め決意を固める。
「・・・公爵様は大詠師と対峙する姿勢を崩すおつもりはないのですね?」
「・・・無論だ。もうここまで聞いてしまった以上、これまでのようにダアトと関わりを持つ気はない。いや、もう持てない・・・キムラスカの事を思えばな。だからこそ陛下にも事情を知っていただき、動いていただく」
「そうですか・・・」
カノンは再度念を押すようそんな公爵に確認をすれば、迷う気はないときっぱり断言する姿に納得する。と、ふと公爵は客室の方へと視線を向ける。
「後は導師についてだが・・・こちらはどうした方がいいのだろうな・・・導師がレプリカであるかもだが、導師自身の様子を見るとモースと違いこちらに危険性はないと思いはするが・・・」
「こちらに関しては迂闊に手を出すべき事とは言えません。まだ謡将にその真意の程を聞いていない事もありますが、もしその事実を考えもなしに公表したとなればキムラスカもマルクトもダアトも関係無く世界が混乱のるつぼに陥る可能性が高くなります。そしてもし本物の導師の死は預言に詠まれていて、ダアトの上層部が導師の死は都合が悪いからとその預言通りに亡くなったとせずに身代わりを立てた・・・となれば人々から猛烈な批判を受けることは間違いないでしょう。都合の悪い預言はその通りにせずにねじ曲げ自分達を欺くのだと」
「!・・・それは・・・確かに、そうなればダアトは到底人々に受け入れられる筈もなくなるだろうな・・・そして預言の取り扱いが厳しい状況にもなるのは予想がつく・・・」
「考えられるのは少しでも預言がよく詠まれていた結果から外れていたなら即刻にクレームを入れ、悪い結果ならそれを言えずに適当な事を言い茶を濁しその場を終え後で雷が落ちる・・・といった結果が予想出来ます」
そこで口にしたのは先にいるイオンの事実の是非なのだが、言うべきではないと状況のまずさも合わせて語るカノンに冷や汗を公爵は浮かべる。
「この件に関しましてはこれからの謡将達の処遇と大詠師との対峙の件が一段落してからがよろしいでしょう。その事までもを持ち出したなら大詠師は確かにうろたえこちらのペースに持ち込めはするでしょうが、大詠師が逆上した場合は事態の収集が難しくなって泥沼化する恐れがあります。頭に血が昇った者は理路整然とした言葉など聞かず、自分の言いたいことだけを言おうとするものですから」
「・・・うむ、混乱を深める可能性が高いというなら後に回した方が得策か・・・導師の件は」
だから後に回すべきと主張するカノンにならと公爵も重く頷く、下手な事態を避けるために。
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「・・・そう、だな・・・見切りはつけねばならぬか・・・そう思えばこちらにルーク達が戻ってきて城に着いた時がその為の機会となるというわけか・・・そこでもし私が屈することになれば、キムラスカはダアトの言いなりのままに動く傀儡の存在になりかねないか・・・」
「はい。もし大詠師に屈したなら、前に言ったよう謡将にアッシュに六神将の存在を無条件に引き渡すことを命じられるのは間違いないでしょう。そうなったらそれこそダアトに何を言われようと以降は泣き寝入りするしかなくなる可能性は極めて高くなることも。それを思えばそこがダアトとの国交の見直しを計れる最後の機会になるかと思われます」
「・・・ここが正念場、と言うことか・・・!」
それで注意を述べた上で最大限にダアトへの警戒心を喚起させるようにカノンが申し上げていけば、公爵も真剣に厳めしく表情を固め決意を固める。
「・・・公爵様は大詠師と対峙する姿勢を崩すおつもりはないのですね?」
「・・・無論だ。もうここまで聞いてしまった以上、これまでのようにダアトと関わりを持つ気はない。いや、もう持てない・・・キムラスカの事を思えばな。だからこそ陛下にも事情を知っていただき、動いていただく」
「そうですか・・・」
カノンは再度念を押すようそんな公爵に確認をすれば、迷う気はないときっぱり断言する姿に納得する。と、ふと公爵は客室の方へと視線を向ける。
「後は導師についてだが・・・こちらはどうした方がいいのだろうな・・・導師がレプリカであるかもだが、導師自身の様子を見るとモースと違いこちらに危険性はないと思いはするが・・・」
「こちらに関しては迂闊に手を出すべき事とは言えません。まだ謡将にその真意の程を聞いていない事もありますが、もしその事実を考えもなしに公表したとなればキムラスカもマルクトもダアトも関係無く世界が混乱のるつぼに陥る可能性が高くなります。そしてもし本物の導師の死は預言に詠まれていて、ダアトの上層部が導師の死は都合が悪いからとその預言通りに亡くなったとせずに身代わりを立てた・・・となれば人々から猛烈な批判を受けることは間違いないでしょう。都合の悪い預言はその通りにせずにねじ曲げ自分達を欺くのだと」
「!・・・それは・・・確かに、そうなればダアトは到底人々に受け入れられる筈もなくなるだろうな・・・そして預言の取り扱いが厳しい状況にもなるのは予想がつく・・・」
「考えられるのは少しでも預言がよく詠まれていた結果から外れていたなら即刻にクレームを入れ、悪い結果ならそれを言えずに適当な事を言い茶を濁しその場を終え後で雷が落ちる・・・といった結果が予想出来ます」
そこで口にしたのは先にいるイオンの事実の是非なのだが、言うべきではないと状況のまずさも合わせて語るカノンに冷や汗を公爵は浮かべる。
「この件に関しましてはこれからの謡将達の処遇と大詠師との対峙の件が一段落してからがよろしいでしょう。その事までもを持ち出したなら大詠師は確かにうろたえこちらのペースに持ち込めはするでしょうが、大詠師が逆上した場合は事態の収集が難しくなって泥沼化する恐れがあります。頭に血が昇った者は理路整然とした言葉など聞かず、自分の言いたいことだけを言おうとするものですから」
「・・・うむ、混乱を深める可能性が高いというなら後に回した方が得策か・・・導師の件は」
だから後に回すべきと主張するカノンにならと公爵も重く頷く、下手な事態を避けるために。
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