変遷は聖闘士の引き起こす猛威
『・・・さて、後は大佐だがどうしたものか・・・連れていくにも置いていくにもそうするだけの強い理由が無いな・・・』
『あぁ・・・あえて大佐にしてもらうことがないのがな・・・』
・・・時間は六神将からの同行者を決めてもらった時にまで戻り、カノンとアイオロスは苦い声を小宇宙での通信の中で上げる。バチカルに行っても何もジェイドにしてもらうことがなく、かといって連れていかないと言うのも何とも言いようがない事の為に。
『いいんじゃねぇか、連れていきゃ?』
『デスマスク?どうしてそう思うんだ?』
そんな中でデスマスクがまさかの連れていくとの発言にカミュは意外そうに訳を問う。明らかに気乗りするわけがない筆頭の人物からの声に。
『ま、別に大した理由じゃねぇよ。連れていくのも連れていかねぇのもそんなに差がねぇってんなら、連れていきゃいいだろって事だ。それにどうせあの嫌味大佐の事だから、連れてかなきゃ連れてかないで好き勝手言うと思うぜ・・・例えば俺らが勝手にやったことだとか、こっちを蔑ろにして事を進めただとか・・・ルークの事を含めた一連の流れを余計な奴にバラすとかな』
『・・・成程、今までの事を考えればそう言ったことを言う可能性は否定は出来んか・・・特に今の状況がそのまま世界に回ってしまえば預言とはまた違う混迷も起きかねんだろうな・・・』
デスマスクはそう思う理由を話すのだが明らかに最後の理由が本命と言わんばかりに間を空けて述べ、カミュもその可能性に危険性を感じると認める。
『ま、いくら大佐殿でもそっくりそのまんま明かしちまえばまずいくらいは分かるだろうが、向こうの裁量に全部任せるなんてさせたらまずい事態になる可能性が高いと思うぜ?こっちにはムウ達がいるがマルクトは向こうにとってのホームグラウンドだし、軍人ってんなら状況の報告もしなきゃなんねぇ。監視をしてもらうにも無理はどうしたって出てくるだろ』
『それを考えればこちらに同行してもらった方が当たり障りなく事を進められる、か・・・もしもの事を考えれば念には念を入れた方がいいな・・・』
『・・・分かった。大佐にも付いてきてもらうように言おう』
更に誤魔化すにも誤魔化しきれない状況は訪れかねないと言われた事にアイオロスも重く納得し、カノンも無視は出来ないとデスマスクの声に賛同した。
・・・という訳でジェイドの同行は決定したのである。今のジェイドの立場からしてみれば立ち振舞いを間違えなければマルクトの状況を優位に出来ると、そう考える事も有り得るとデスマスクは思ったのだ。
そして今マルクトに独断専行をされれば更に余計な事態になりかねない。例えばその情報を持ってキムラスカとダアトの両者に脅しをかけて働きかけたり、両者の仲違いを起こすよう陰謀を巡らせたりと戦争かあるいはそれ以上に事態の解決には面倒な状況を起こしたりと・・・故にカノン達はその芽を潰すため、ジェイドを連れてきたのだ。
無論ジェイドも自分が付いてくる理由はあるのかと首を傾げていたが、そこはマルクトの代表として付いて来てほしいとカノンが言ったことで渋々という様子で同行することに同意した。
・・・そんな訳でカノン達は同行する事になった面々と共に旅をする事となった。とはいえ流石に暗示により超振動を使わされたルークをヴァンの近くに置くわけにはいかないと、カノンはルークと共に最前列を歩いてアイオロスとデスマスクは少々間を空けて付いていき、ヴァン達はその後に付いていき最後尾にはカミュといった陣形で進んでいった。これも全てルークの安全の為である。
・・・そのような形で先を進むカノン達だが、マルクト領内を進んでいることもあり特に邪魔が入ることもない。故に数日経つ時には時折来る魔物以外に妨害もなく、ローテルロー橋までカノン達は辿り着いた。
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『あぁ・・・あえて大佐にしてもらうことがないのがな・・・』
・・・時間は六神将からの同行者を決めてもらった時にまで戻り、カノンとアイオロスは苦い声を小宇宙での通信の中で上げる。バチカルに行っても何もジェイドにしてもらうことがなく、かといって連れていかないと言うのも何とも言いようがない事の為に。
『いいんじゃねぇか、連れていきゃ?』
『デスマスク?どうしてそう思うんだ?』
そんな中でデスマスクがまさかの連れていくとの発言にカミュは意外そうに訳を問う。明らかに気乗りするわけがない筆頭の人物からの声に。
『ま、別に大した理由じゃねぇよ。連れていくのも連れていかねぇのもそんなに差がねぇってんなら、連れていきゃいいだろって事だ。それにどうせあの嫌味大佐の事だから、連れてかなきゃ連れてかないで好き勝手言うと思うぜ・・・例えば俺らが勝手にやったことだとか、こっちを蔑ろにして事を進めただとか・・・ルークの事を含めた一連の流れを余計な奴にバラすとかな』
『・・・成程、今までの事を考えればそう言ったことを言う可能性は否定は出来んか・・・特に今の状況がそのまま世界に回ってしまえば預言とはまた違う混迷も起きかねんだろうな・・・』
デスマスクはそう思う理由を話すのだが明らかに最後の理由が本命と言わんばかりに間を空けて述べ、カミュもその可能性に危険性を感じると認める。
『ま、いくら大佐殿でもそっくりそのまんま明かしちまえばまずいくらいは分かるだろうが、向こうの裁量に全部任せるなんてさせたらまずい事態になる可能性が高いと思うぜ?こっちにはムウ達がいるがマルクトは向こうにとってのホームグラウンドだし、軍人ってんなら状況の報告もしなきゃなんねぇ。監視をしてもらうにも無理はどうしたって出てくるだろ』
『それを考えればこちらに同行してもらった方が当たり障りなく事を進められる、か・・・もしもの事を考えれば念には念を入れた方がいいな・・・』
『・・・分かった。大佐にも付いてきてもらうように言おう』
更に誤魔化すにも誤魔化しきれない状況は訪れかねないと言われた事にアイオロスも重く納得し、カノンも無視は出来ないとデスマスクの声に賛同した。
・・・という訳でジェイドの同行は決定したのである。今のジェイドの立場からしてみれば立ち振舞いを間違えなければマルクトの状況を優位に出来ると、そう考える事も有り得るとデスマスクは思ったのだ。
そして今マルクトに独断専行をされれば更に余計な事態になりかねない。例えばその情報を持ってキムラスカとダアトの両者に脅しをかけて働きかけたり、両者の仲違いを起こすよう陰謀を巡らせたりと戦争かあるいはそれ以上に事態の解決には面倒な状況を起こしたりと・・・故にカノン達はその芽を潰すため、ジェイドを連れてきたのだ。
無論ジェイドも自分が付いてくる理由はあるのかと首を傾げていたが、そこはマルクトの代表として付いて来てほしいとカノンが言ったことで渋々という様子で同行することに同意した。
・・・そんな訳でカノン達は同行する事になった面々と共に旅をする事となった。とはいえ流石に暗示により超振動を使わされたルークをヴァンの近くに置くわけにはいかないと、カノンはルークと共に最前列を歩いてアイオロスとデスマスクは少々間を空けて付いていき、ヴァン達はその後に付いていき最後尾にはカミュといった陣形で進んでいった。これも全てルークの安全の為である。
・・・そのような形で先を進むカノン達だが、マルクト領内を進んでいることもあり特に邪魔が入ることもない。故に数日経つ時には時折来る魔物以外に妨害もなく、ローテルロー橋までカノン達は辿り着いた。
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