世界の流れを変え行く聖闘士達

『・・・話は以上だ。そちらで何かあるならこちらも聞くが、どうだ?』
「いや、特に・・・待て。こちらもバチカルに行き、そちらもバチカルに行くことになるのだが導師達はどのタイミングでそっちのやったことを知るんだ?それに内密にファブレ邸に行くとは言えいつまでも滞在するわけにもいかないだろう・・・その辺りはどうするんだ?」
『・・・その件に関してはバチカルでこちらがどのように大詠師と対するかで決まるが、事が終わる頃には公爵から事情が説明されているだろう。その時の状況に合わせてそちらは動いてほしいのだが、出来れば導師に導師として相応しい行動を取ってもらうように働き掛けてくれ・・・向こうも大詠師の事を知ればどう思うのかというのはある程度予想はつくがな』
「・・・あぁ、分かった。そうさせてもらう」
そこまで話をした所でカミュが話の流れを統合し話題をミロに振ると、バチカルに着いてからの流れについて問われる。そんな問いに暗にモースの末路について匂わせながら行動を委任するとするカミュにミロも重く頷く。
「止めてすまなかったな・・・そっちはアクゼリュスに戻ってくれ。カノン達も住民の救助はしているのだろうが、助けは多ければ多い程いいはずだ」
『あぁ、分かった・・・バチカルでまた会おう』
そして今度こそ話は終わりとするミロにカミュは再会を望む声を残し、小宇宙による交信を終わらせた。
「・・・バチカル、か。おそらくこの世界において例を見ない騒ぎになるだろう・・・しかしこのまま預言の流れを放っておけば戦争になるのは目に見えている、道理のない戦争になるのがな・・・それを思えばここで何としても止めなければならないのだが、俺も出来る事ならそちらに向かいたかったな・・・」
ミロは一人残った場でそっと寂しげに漏らす、自分が変革を為す為の場にいられないことを・・・これは直情的な性格をしていて正義感の強いミロからすれば歯痒い物であった。
「・・・仕方ない、俺には俺の役目があるからな・・・アクゼリュスで捕らえられている神託の盾とはまだ別に導師を探している奴がいるかもしれんから、気を抜かずに行かないとな・・・!」
しかし気持ちの切り替えが早いのもまたミロの特徴。ミロはそっと考えを護衛の方へと気持ちを移し、やる気をみなぎらせていく・・・






・・・激動の流れが作られていくオールドラント。その流れは次第にバチカルへと向けられていく、預言という本来の流れを打ち壊す為の聖闘士という猛威の流れが・・・






END










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